すごく刺さるもの

正直、その時の言い方は自分でも芝居じみていたと感じるけど、それが逆にあの場合には合っていたのかもしれない。僕の言葉に彼がギョッとした様子になったのが分かったんだ。


彼にとってはすごく刺さるものだったみたいで。


だからつい、


「結人くんは生まれてからずっと、たくさんたくさん殴られてきたって聞いてる。だとしたら結人くんは、本当は殴られる痛みを知っているってことだよね。殴られたら痛いっていうことを知ってるってことだよね。じゃあもう今さら君を殴っても痛みなんか教えられないと僕は思うんだ。僕が痛みを教える必要はないと思うんだよ」


みたいに言ってしまったり。


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