私はもう諦めてるから

だから、千早ちはやちゃん自身がお母さんのことを非難するのは、子供として当然だと思ってる。


授業参観にも来ない。運動会や体育祭にも来ない。というのだけなら、それぞれの家庭の事情もあるだろうから仕方ない場合もあるとしても、<個人懇談>にさえ来ないというのは、親族でさえない大希ひろきくんのお父さん任せというのは、さすがに子供としては文句の一つも言いたくなるんじゃないかな。


だけど、当の千早ちゃん自身は、


「私はもう諦めてるから」


と肩を竦めて苦笑いするだけだった。母親の代わりに、大希くんのお父さんにはいつも感謝の気持ちを伝えてるって。




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