大義そうに

そんなことを延々と考えている僕の視線の先で、玲緒奈れおなはすやすやと穏やかな寝息を立てている。


だけど、不意に眉間にシワを寄せたと思ったら、


「ふえ……!」


泣き声をあげそうになった。ホワッと臭いも 上がってきて、僕は察する。


『おしっこだ……』


だから手元に置いてあったおしりふきとおむつを手に取って、サッと交換。今回はうんちはなかったな。


絵里奈えりな、お願い」


気配に身をよじった彼女に声を掛けると、


「ん……」


と小さく呻きながら大義そうに体を起こす。その姿には感謝しかない。


『子供を育てるのも、動物なら本能ですることだ』


みたいに言うかもだけど、だからって感謝しなくていいってわけじゃないと思う。


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