分かりやすく餌を与えられないと

そのために必要な手本を、僕は実際に沙奈子さなこ玲緒奈れおなに具体的な振る舞いとして見せていかなければいけないと思ってる。手本も示さないでそれを子供に分かれというのは、ただの甘えだと思ってる。そういう実感しかない。


そういう手本を実際に示すこと自体が<親がするべき努力>だと、自分自身が親になってつくづく感じた。僕の両親がしなかったことだ。


それどころか、僕の両親は兄に対して人として駄目な振る舞いばかりを見せてた実感しかない。


相手を、子供を、自分の思い通りに操るために、ただただ餌で釣ろうとしてただけだったりね。


だから兄は、分かりやすく餌を与えられないと動かない人間になっていたな。


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