こういうことがあるのも分かってる

そうやって寝かしつけるために抱いてゆらゆらしてると、玲緒奈れおなは、


「すー、すー」


と落ち着いた寝息を立て始めてくれた。だからそっと布団に下ろそうとしたら、


「ふえ……」


って顔をくしゃくしゃってしたんだ。


ああ、最初からやり直しだ。だけどそれは覚悟の上。こういうことがあるのも分かってる。ここで、


『さっさと寝ろ!』


とか怒鳴ったって怖がらせるだけで問題は解決しないよ。


だけどさすがにちょっときつくなってきて、壁を背にしつつ布団の端に座って、玲緒奈を膝に寝かせてみた。


すると、布団に下ろそうとしたらぐずるのに、膝の上なら大丈夫だったんだ。


これなら。


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