第42話 リエールの正体
リエールの正体は元ダンジョンマスターだった。
まああのステータスを見ればある意味納得である、普通に強すぎじゃんって思ってたしね。
あの後セーフティポイントに転移した我々の内、アルティエにはディアナをベッドに運んでもらった、本当は用務員おじさんが運ぼうかと思ったのだがリエールの方も何やら話がある感じだったのでアルティエにお願いしたのだ、無論余計なことは口外しないでねっとお願いもした。
何気に彼女もどちらかと言うとセーフティポイントにてダンジョンサバイバルしてる側の人間なのでリエールを怒らせるとリアルに凸される事は知っていたので素直に頷いてくれた。
他の紫骸鎧達は人間達から離れた場所に待機してもらっている。エコー達が指示をすれば一発で言うこと聞いていた、上下関係が人間よりしっかりしていたね。
そして場所をマスタールームに変えるとリエールが現れた。エコーとラナミスはそろって片膝をついて何かの漫画で見たことあるシーンみたいになった。
その後リエールから話された内容は……まあエコーに聞いていた内容をリエール視点で聞かされた感じである。
この異次元ダンジョンでダンジョンマスターをしていたら訳の分からんヤツに襲われてダンジョンマスターの座を奪われた云々。
「……そして傷付いたリエールは逃走の際にたまたまこのセーフティポイントを発見してここで傷付いた身体を癒しておりました」
「そうだったのですね」
プレイヤーの活動拠点でダンジョンのボスが回復するとか、なんじゃそれって思う。現実とはゲームよりも奇なりだと思う用務員おじさんです。
「しかしここで身体を癒すには、色々と制約が必要でした。まずラベル様が訪れるまでリエールはここで眠りにつくことになってしまっていましたのでエコー達に接触する事も出来ず…」
「まさかイーリエール様の身にそんな事が起こっていたなんて、私は何も知らずに…」
「いいえ、むしろ二人と騎士団の者達が無事だった事が喜ばしいと思います」
リエールの言葉に感激する二人、けど用務員おじさんは思う。
その気になれば接触くらい出来たではと、つまりは三人は実はグルである可能性はないのかと…。
う~んここは一度『過去見聞』を使ってみるか?
けどエコー達はともかくここまで散々世話をしてもらったリエールを疑うのはな気が引ける、まあやるけどさ、ここで裏切られたら俺以外の人間の多くが不幸になるからね。
まずは期待薄だけど『解析』の上級魔法を試してみて使えるのか使えないのなよく分からないフレーバーテキストを見てみるか。
『上位解析』を発動した。
【名前:イーリエール】
【種族:
【HP:7777777/7777777】
【ATK:96666】
【DEF:96666】
【ラベルの僕、元はGカップダンジョンマスターが色々あって色々とサイズダウンした。セーフティポイントで傷付いた身体を回復する為に休眠していた、そしてセーフティポイントが初めて起動すると同時に目覚めラベルと出会う。セーフティポイントを起動させた者に従うのも制約だったのだが、普通にラベルの事を気に入ったので現在はラベルとその他連中の事で日々奮闘中、忙しいのでエコー達の事は普通に忘れていた薄情上司。水色の髪をツーサイドアップにしていて、水色の瞳を持つ着物メイド】
「…………………」
「それと二人には改めてラベル様の事を話しておきましょう、この方はラベル様。リエールのご主人様であり……」
この『上位解析』ってほぼ初めて使った魔法だけど『過去見聞』並みにプライバシー無視する魔法だった、なんかリエールの人間くさい所が見えた気がしたよ。そしてなんかごめんと内心謝る。
エコーとラナミスはリエールからの用務員おじさんの説明を聞いていたかなりあ然としていた。
そりゃあそうだよ、自分達の大将がしばらく会わない間に着物メイドになってたりおじさんはご主人様呼ばわりしだしてたら普通に頭がおかしくなったのではと考えるに決まっている。
ペラペラと少し自慢げに用務員おじさんの事を語るリエールと二人の騎士から物凄い不信感モリモリな視線を向けられる用務員おじさん。
どうやらこれは、説明するのがどんどん面倒くさくなっていくパターンですな、さっさとリエールの話を止めて用務員おじさんから話をする必要があると見た。
「リエール、ここはまず私が」
「「よっ呼び捨て!?」」
「ラベル様はリエールの主様なのですから呼び捨てくらい当たり前ですよ?」
「…………」
なんか余計に面倒くさい、しかしここで説明しないと…。
「それとラベル様、あのダンジョン攻略に乗り出したと言う貴族達なのですが……ほぼ全滅した模様です」
「話を詳しくお願いします」
うん、説明とか言ってる場合じゃなくなったね。
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