RRR(映画)

 インド映画です。知る人ぞ知る「バーフ・バリ」の監督の最新作になります。


 少し前からあちらこちらで上映してるのを知っていて、行きたいと思っていたんですが、上映館があまりなく、あっても上映時間が行けるような時間ではなかったりして、なかなか行けずにいました。それがやっと少し近くで行ける時間に上映があり、時間を作って見てきました。


 一言で言うと、本当は何も知らずに行ってほしい映画です。それほどすごかったです。

 ですが、そんなことしたら「見聞録」の意味がなくなってしまうと思いますので、行こうかどうしようか考えている方に「行ってください」と言えるぐらいには何か書いてみようかと思います。


 舞台はもちろんインド、時代は1920年ですから、日本ではまだ大正時代になります。

 当時のインドはイギリスの統治下にあり、インド人の命は小銭ぐらいの価値しかありません。

 

 そんな中、ある村の少女が大英帝国提督婦人に連れ去られます。主人公の一人、ビームは少女を取り戻すためにデリーに行き、そこで一人の男と出会います。

 男の名はラーマ、もう一人の主人公ですが、皮肉なことにビームと敵対する英国警察の警察官です。


 2人はあることから運命的な出会いをするのですが、その場面で思わずうるっときてしまいました。

 他の人はどうだか分かりませんが、2人が手を握りあった瞬間、私はなんだか胸に来るものがありました。


 そうして親友となった2人ですが、立場は真逆、そうして皮肉な運命は……


 簡単に書くとそうやって話が進んでいくんですが、もちろん踊りあり、アクションあり、ドラマあり、3時間があっという間に過ぎてしまいました。


 2人には実際のモデルがあるそうです。両方ともインドの独立戦争の英雄ですが、実際に出会って友になったという記録はありません。「もしも2人が出会ったら」という仮定から生まれたファンタジーと言えるでしょう。歴史を変えていいのかなとも思いますが、まあファンタジーだからいいのかな?


 今回もアクションがなによりすごい! その内容、規模、そして人数、あれはインドでしか撮影できない。ハリウッドのアクションとは全く違う。泥臭いけど迫力満点。なんであんなこと思いつくかなと、毎度毎度感心させられます、インド映画。


 それから、実在の人物を使ったファンタジーを堂々とやってしまうところからも分かるでしょうが、


「そんなわけあるかい」


 と、突っ込みたい箇所もいっぱい出てきます。真面目なシーンでそれを堂々とやってくれたら、それはもう受け入れるしかない。


 そしてダンス、ダンス、ダンス、迫力のダンス! ミュージカルとはまた違う圧巻のダンス。アクションと一緒で力押しのダンスです。


 ただ、絶対的にイギリス人が悪になっているもので、イギリスではどう受け止められているのかかなり心配になるような内容です。イギリスでも好意的に受け止められたという話ですが、独立戦争に忠実な歴史物ではなく、フィクションであり、ある意味インドの古典叙事詩を下地にもした物語だから、作り話と受け止めて楽しめたのかな? 本当にそのぐらいイギリス=悪になっていますので、その点だけは覚悟して行ってください、という感じです。


 インド映画は大都市などでは比較的見やすいらしく、東京の友人などはRRRの二回目を見てきた、などと言っていました。もしもお近くに来ることがありましたら、そして興味をお持ちでしたら、ぜひ見てください。決して損はさせません、そういう作品です。

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