第12話公式愛妾3
その後、どうなったのかというと――
ジョアンは愛人宅に住まう事になりました。要は、別居です。風の噂で赤毛の愛人が子供を産んだと聞きましたが、侯爵家も伯爵家も我関せずです。伯父様はジョアンの庶子を『孫』とは認めていませんから仕方ありません。
私もこの十年で三人の子供を産みました。
全員が国王陛下との間にできた子供達です。二男一女。これで跡継ぎの心配はいりません。末の子を産んだ数ヶ月後にお父様が亡くなった事は残念ですが孫の顔を見せる事ができて本当に良かったです。子供達は私によく似た容姿だったので、お父様はジョアンとの間にできた子供だと勘違いしてくださいました。
陛下も自分の子供を抱くことができて嬉しかったようで、我が家を『侯爵』に
『息子が成人したら公爵位を与えよう』
と、親バカを発揮されております。
順風満帆なアウストラリス侯爵家ですが、我が家をよく思わない一派も当然おります。そういった者達は、何とかして我が家を貶めたいようで、子供達が私に似た事で「陛下の子ではないのでは」と囁きあっております。
なら誰が父親だというのでしょうね?
私とジョアンが結婚当初から別居しているのは社交界で知れ渡っておりますのに。
夜会でも私をエスコートするのは陛下ですよ?
それに、私の息子が継ぐのはアウストラリス侯爵家です。
極端な話、私の血を継いでいれば問題ありません。
王家?
王家には血統正しい『王子殿下』がいらっしゃいます。国王陛下の歳の離れた弟君。王弟殿下が次の『王』なのですから。口さがない者達の間では、私が王妃になって我が子を玉座に就けようとしている、と噂し合っています。皆さま、暇なのでしょうか? 国王陛下と王弟殿下の仲は良好。私も王弟殿下とは親しくさせていただいております。まったく、根も葉もない噂をさも真実であるかのように風潮するのは止めて頂きたいですね。お二人の間では既に話し合いがされて、近日中に王弟殿下は兄である国王陛下と養子縁組をなさって正式に『王太子』となられるのですから。
「王妃が拘束された」
何が起こったのですか!?
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