「どっちも正解だったら、やっぱり平凡で普通なお付き合いが良いかなあ」


 人前での声を出しながらのいきなりのキスに面食らった俺は、選択の訂正をしようとした。


「あら、ゲームみたいにセーブポイントまで戻ろうと思ってるのね?」


 セーブポイントとはゲームを最後に保存した場所で、そこからやり直したり出来るポイントだ。香奈子はセーブポイントを用意してくれてるみたいだ。俺が戻れるセーブポイントはどこだ?


「セーブポイントはね、雄馬が選択肢に答えたところ。だから選択し直すのは無理よ。答えるごとにオートセーブされるから気をつけてね」


 つまり選択肢を選んだ瞬間に自動的にセーブポイントが作られて、後戻り出来ないってことか。


「その通りっ!やっぱり雄馬は私のことよくわかってくれてる、嬉しいわ!」


 そう言うと香奈子は照れた顔をして俺に抱きついてきた。


「ブチュっ」

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