質問企画に答えてみる

柚緒駆

第1話 2022/10/25

 今朝は午前3時から起きているので大層眠い。眠いと頭が回らず、頭が回らなければマトモな文章も書けずに無駄な時間を費やすだけなので、ちょっと頭をほぐしてみたい。

 そんな訳で適当に読んでいただければ。

 なお、これは八幡西県研究室さんの自主企画に参加したもの。


【レビュー】の質問


・レビューを書くコツが知りたいです!


◇コツも何もないのではと思う次第。その作品を読んで「この部分が素晴らしい!」と思ったときに、それを素直に書けばいいだけのような気が。読書感想文を書く必要はまったくない。言い換えれば、レビューに読書感想文を書かなきゃいけないような作品の読み方はしない方がいい。



・☆2と☆3の差ってなんだろう…


◇「おお、これは文句なく面白い、うん」と思ったら☆2つ。「ちょっとちょっと!これ見て! これ読んでみて! すごいから! めっちゃすごいから!」と思ったら☆3つ。そんな感じでいいのでは。



・長編作品は何話まで読んでレビューを書きますか?


◇長編であれ短編であれ、最後まで読まずに書いたレビューに価値があるとは思わない。



・情報量の多い作品の読み方を伝授してください!!


◇わからない言葉、頭に入って来ない単語は飛ばす。飛ばして読んでも面白かったらその作品は面白い。単語の意味一つ理解できないだけで全体が意味不明になるような作品は、「実験的な」という意味合いで面白いのかも知れないが、他人にはオススメできない。



・レビューが書きにくい作品はどんなもの?


◇作者の主張が不明な作品。何でもかんでもテーマを掲げろというつもりはないが、何を伝えたいのかは明確にすべきだと思うところ。



・レビューを書くときの注意を教えてください


◇過去に自分がした失敗を書くと、作品中の間違っている単語の使い方をレビューで指摘したのはよくなかった。まあそういうレビューを必ずしも全否定するものではないのだが、カクヨムの場合は応援コメントなり近況ノートへのコメントなり他に伝える手段はあるしな、レビューでやるようなことではなかったような気がする。



【創作】の質問


・推敲の仕方がわかりません


◇誤字脱字、単語の誤用や変換間違いは必ずある。ない訳がない。間違いなく、絶対にあるという前提で、疑いの目をもって一文字一文字、単語一つずつを掘り起こすように何度も何度も読み返す。

 知り合いのプロの作家はPC画面で何十回も読み返した後、作品を全部プリントアウトし、印刷された状態でまた何十回も読み返している。そこまでしても実際に書籍になったらミスが見つかるのは珍しくない。

 とにかく時間をかけて集中力と体力を消費しながら頑張るしかない。まあ、いまは文章推敲機能のついたエディタソフトもあるようなので、時間を短縮したいのならそれを使うのもよし。



・最後まで読んでもらうコツは?


◇当たり前の話だけど最後まで面白く書くこと。最後まで話を動かし続け、この先どうなるのかと最後まで読者に思わせ続けること。それは言い換えれば、物語のまとめであるエンディングを可能な限り短くスパンと切ることも意味する。



・「文字を打つ」際に気を払っていることは?


◇何にも考えていない。ただ脳裏に浮かんだイメージをなるべく的確に、簡潔に、それでいて劇的に描ければそれでいい。「冒頭の一文で作品の方向性が決まってしまうから怖い」とかいう人もいるようだが、個人的には意味がわからん。



・凝った設定や独特な世界観の「伝え方」はズバリ…


◇地の文。地の文が延々続くとしんどくて読めないといった声もあるらしいが、それでもセリフで設定を説明させてシラケてしまうよりはずっとマシ。もちろん可能なら合間合間にセリフを挟んで全体の見た目を軽くするような工夫はしてもいい。



・☆を貰うための工夫を教えてください


◇知らんなあ。考えたことないのでわからん。



【私情】の質問


・貰って嬉しかったレビューや不快になったレビューを教えてください。


◇基本的にちゃんと作品を読んだ上で書かれたレビューに不快感は持たない。まあ、「ここをこうした方がいい」みたいなアドバイスに関しては「あざっす」と言いながら無視するが。



・未読の人には伝わらない「感想」しか書けません。「魅力的な紹介文」ってどう書くのですか?


◇上の方でも書いたけど、面白いと感じた部分を「ここがすごく面白かった!」と書くだけで充分。より魅力的な紹介文にしたいのなら、何故自分がそれを面白いと感じたのか、詳細に言語化してみること。義理やお付き合いで紹介文を書かにゃならんような状況は知らん。



・「伏線」について語ってください(書き手と読み手、どちらの立場からの意見でもかまいません)


◇ミステリーでは「ここに伏線を張ろう」と考えて伏線を張るものの、ミステリー以外ではそういう張り方はしない。使えそうなエピソードをブイのように沖合に浮かべておいて、物語が進んで「ここで一捻り欲しいな」というときに、そのブイにロープを結べば読者は「おお、アレが伏線だったのか!」と思ってくれる。この方が自由度が高くて書いていても面白い。



・十万字ほどの長編に挑戦したいのですが短編しか書けません。引き伸ばす方法ってありますか?


◇思いっきりザックリと書けば、短編と長編の違いは世界設定の厚みと登場人物の数だけ。設定を厚くして登場人物を山ほど出せば、勝手に長編になってくれる。何作か書けば、「このくらいの厚みと人数なら十万文字行くな」というのがわかってくる。



・「キャラをストーリーに当てはめている」感が否めません。アドバイスが欲しいです


◇物語を進行させるとき、最短距離を目指さないこと。あと同じような考え方をする登場人物を組ませないこと。A地点からB地点に移動するだけでも、あちこち寄り道させて紆余曲折があれば、当然キャラクター間の意見対立は出てくるし、「この場面ではコイツの意見を優先させた方が面白いな」というエピソードが発生する。作者は神の位置からそれをピックアップしていけばいい。



・書いてる途中で「これ面白くない」と行き詰まります。予防や対処を身につけたいです


◇予防は無理。もちろん中には徹頭徹尾自分の作品が面白いと疑わない作家もいるのだろうけど、おそらく大半は書いている途中で「これ面白いのか?」「どこが面白いんだ」「世の中にもっと面白い作品を書く連中がたくさんいるのに、自分がこれを書く理由があるのか?」といったことを思うのが常、普通、当たり前。

 ではどんな対処方法があるかと言えば、もうとにかく「最後まで書く」しかない。そもそも創作物の評価は常に他人がするもの。極論を言えば作者がその作品を面白いと思っているかどうかなんてどうでもいいし、何の意味も価値もない。他人が読んで面白い作品が良い作品であり、後世に残るべき作品であり、褒められ称賛されるに値する作品。いま自分がしている行為はそういう意味合いを持った行為なのだということを頭に叩き込んでおく必要はあるだろう。

 どんな文章技術も、創作知識も、究極的には他人を喜ばせるためのものと言える。したがって自分が「面白いと思えなくなった」というのは、作品を投げ出していい直接的な理由にはならない。小説書きとはそういう厄介さを引き受けるマゾヒスティックな側面を持つ集団であると私は考えている次第。



 以上、質問企画に答えてみた。何らかの意味があったなら重畳。

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