24.
78.
「えっ……」
突然の出来事だったので俺は何もできずにいたのだ。
その状態で俺達二人は数秒間見つめ合っていたが、やがてその唇を離すと彼女は俺に向かってこんなことを言い出したのだ。
「私をあなたのものにして欲しい」
と。俺はそれに対して戸惑いながらも、
何とか言葉を絞り出すようにして口を開いたのだ。
「いや……でも……俺には好きな人がいるから」
と言った。
しかしその言葉を聞いた彼女は俺に抱き着くとその豊満な乳房を押し当ててきたのだった。
俺はそんな彼女の行動に対して動揺しつつも冷静さを保つように努めた後で言う。
「……ダメです……俺は……その……今は……その……好きな人が……いるので……ごめんなさい」
俺は必死になって断ろうとしたが、その言葉を聞いても尚、その女性は俺から離れようとしなかった。
むしろ、俺の体に抱き着いている腕の力が強くなった気がした。
なので俺はそんな彼女に対して俺は困り果ててしまったのだ。
そして俺は、そんな状態のまま、その女性と一緒に暮らすことになったのである。
俺はその日から毎日のようにその女性と肌を重ね続けた。
「愛しています。私と結婚してください。絶対に幸せにして見せます。私は貴方の為なら何でもします。貴方が望むのなら私は貴方の妻になりましょう。貴方が欲しいというのなら私は貴方の子供だって産んで見せます。貴方が私に飽きるまで私は貴方を愛し続けます。貴方が私を必要としてくれるのなら、私もいつまでも一緒に居たいと思います。
私の名前は、マリアと言います。私と結婚して下さい」
と、その女性は俺に告白してくるので俺はその度に断り続けるのだった。
ある日、俺はその女性に聞いてみることにする。
「なあ、お前は一体何者なんだ?」
その質問にその女性は、
「私が何者かなんてどうでもいいでしょう? それよりも、私の事をもっと知りたいと思わない?」
と、そんなことを言ってきたのである。
確かに俺はその女性の事を何も知らない。
なので俺はその女性に色々と聞いてみることにした。
そしてその女性は自分の事を語り始める。
その話を簡単にまとめると、その女性は元々、別の世界の住人であり、その世界で魔王として君臨していたのだという。
そしてその世界に召喚された勇者によってその命を奪われそうになったらしい。
だが、その時にその女性が持っていたスキルが発動し、その力により、その世界の人間の姿に変化できるようになったのだとか。
そしてその女性はその力で、その世界を滅ぼそうとしたが、
「その女を殺せ!」
と、その国の王から命令を受けた騎士に殺されたのである。
その女性は、自分が殺されそうになると、そのスキルを発動させ、その女性を生き返らせた。
そして、自分の死を偽装するために、死んだふりをして、 その後、その国で密かに暮らしていたのだと言う。
79.
そうして、その女性は、その国から逃げ出して、 自分の住んでいた場所に戻るために、
「この森を抜けて行くといいわ」
という情報を頼りにこの森までやって来たのだと言うのだ。
俺はこの話を聞いた後に少し考えてみると一つの結論に至ったのだ。
それはつまり……この人は俺が元いた世界でも存在していたのではないか?
ということだ。
なぜならばこの人は俺の知っている人物に似ているからだ。
俺が今よりもずっと小さかった頃に遊んでいた女の子にそっくりなのだ。
だから俺はつい最近までは俺が忘れているだけでどこかの世界では俺とその子が結婚していたのではないかと思ったのである。
だから、もし仮にそうだとしたら……。
そう思うと俺は胸の中に熱いものが込み上げてくるような感覚を覚えたのであった。
そしてそれと同時に、その女性がもしも、あの時の子だとするならば……。
「なあ、お前って、俺が小さい頃よく一緒に遊んだあの子のことなのか?」
と尋ねてしまうと、その女性は首を傾げてから言ったのだ。
「小さい頃のことって……なんのことかな?」
俺の言葉に対して不思議そうな顔をしている女性に対して俺も困惑してしまうと彼女は続けて言う。
「それにしても……君は本当に可愛いねぇ」と言ってから今度は自分からキスをしてきた。
俺はそんな女性の行動に対して最初は抵抗していたが次第に諦めるとそのまま身を任せた。
「んちゅ……れろ……」
舌を入れられて絡ませられるとそれを受け入れる。
そうしてしばらくの間は彼女のされるがままにされていたのだが、やがて満足したのかその女性が口を離す。
唾液が糸を引いていたのが見えたがすぐに切れて消えた。
そしてその女性は俺から離れると服を脱ぎ始めたのだった。
そして下着姿になったその女性は俺の方を見るとこう告げるのであった。
「さぁ君も脱いで」
と……。そして俺はそれを聞くと黙って従ったのだ。
そして俺達はお互い下着姿を晒し合うことになる。
俺は恥ずかしくて顔を隠すようにしながら俯いていたのだが……。
彼女はそんな俺のことをじっと見つめていたのだ。
「やっぱり……本当にかわいいね……食べちゃいたいくらいだよ」
と言ってから俺の身体を抱きしめて来る。俺はそんな彼女に対して、
「やめてくれ……俺はお前の事が好きなわけじゃないんだから……やめて……くれ……」
とそう言うと、彼女は俺の耳を甘噛みして囁くように言う。
「嘘つきだね……本当は私に食べられたくて仕方がない癖に」
そう言ってから俺の耳に息を吹きかけてきたのである。
俺はその行為にゾクッとしてしまい、体を震わせながら反応してしまった。
そうしてしばらく俺達はお互いに下着姿で抱き合ったままの状態で過ごしていた。
80.
やがてその女性が俺の背中に手を回したまま、
俺の胸に自分の大きな膨らみを押し当てるようにしながら俺に話しかけて来たのだ。
「ねえ、いい加減、素直になりなさいよ。君の体は正直みたいだけど、まだ我慢できるのかい?」
その言葉に俺は反論することができなかった。
なぜならば、俺の下半身は、その女性の柔らかい体に触れていて、
それが気持ち良く感じてしまっていたからである。
そして俺はその女性の言葉でさらに興奮し始めてしまったのだ。
俺はその女性の方をチラッと見ると、その女性は俺の顔を見てから、
俺の頬に手を当てて、それから俺の唇を奪うと、俺の口の中へと自らの舌を入れて来た。
「んっ……ふぅ……じゅぷ……ぴちょ……くちゃくちゃ……あむ……
んっ……ぺろ……んっ……あぁ……はんっ……あぁ……あんっ……あっ!」
「やぁ……やぁ……やぁ……やぁ……やぁ……やぁ……はぁはぁはぁはぁはぁはぁ!」
俺はその女性の行動に驚きながらも受け入れていたのだ。
そしてしばらくしてからその女性がようやく離れてくれたので俺はホッとしていた。
するとその女性は俺の顔を見てから微笑みを浮かべた。
そして俺の頬を撫でながらこんなことを言ってきたのだ。
「大丈夫? 落ち着いたかしら?」
と。それに対して俺が答える。
「はい! もう落ち着きました。ありがとうございます!」
俺はその女性に感謝をすると、その女性は俺の頭を優しく撫でながら俺に語り掛けてくるのだ。
「よしよし、良い子、良い子、うーん、私もなんだか気分が良くなってきたわ。
もっとあなたを可愛がりたいんだけど、そろそろ時間もないし、続きはまた後でしましょう」
その言葉を聞いて俺は、その女性の方に視線を向けると、彼女は俺の方に近づいてきて、俺の唇にキスをしてきた。
俺はそのキスを受け入れた。
「じゃあそろそろ帰るわ。また後で会いましょう」
「はい、分かりました。待ってます」
そうしてその女性は俺の元から離れていく。
俺はその女性の姿を見送ると、森の中に消えていった。
俺はその女性と別れてから、その女性に言われた通りに森の奥に進むことにした。
そして森の出口付近まで辿り着くと、その女性は俺の目の前に現れた。
その女性は俺の姿を見て嬉しそうな表情になると俺に抱き着いて来て、
俺の体に自分の豊満な乳房を押し当ててきた。
俺はそんな女性に対して戸惑いながらも、その女性に対してこんなことを尋ねた。
「どうしてここに居るんですか?」
と、すると女性は笑顔のまま俺の問いに対してこんな風に答えたのである。
「貴方に会いに来たの。貴方が私を必要としてくれるのなら私は貴方の妻になるからね。
貴方が望むのなら私は貴方の子供だって産んで見せるから安心しなさい。
貴方が私に飽きるまで私は貴方を愛し続けるつもりだから覚悟しなさい。
私は貴方の為なら何でもするから貴方も私の為なら何でもしてくれるよね?」
そうして俺はその女性に言われるままに一緒に暮らすことになったのである。
その女性は俺の事を心の底から愛してくれているようだった。
俺も彼女を愛していた。
しかし、俺はその女性にどうしても気になっている事があったのだ。
それは、俺がこの世界に来る前に一緒に暮らしていた女の子のことである。
その女の子の名前は、ユリセシアと言い、俺が学生の頃に一緒に遊んでいた女の子だった。
そしてその女の子が成長し、大人になってから俺の前に現れたのがこの女性だった。
俺はこの女性が俺の知っている女の子と同一人物なのではないかと疑っていた。
そしてその女性と暮らし始めてから一週間が経過した頃、
俺はその女性に対して自分の知っている女の子の事について質問をしてみることにしたのであった。
81.
「なあお前は本当にあの時の子なのか?」
と尋ねると女性は首を傾げた後にこう言ったのであった。
「あの時っていつのこと?」
「お前と昔よく遊んだことがあるだろう? あの時のことだ」
と、そう言うと女性は何かを考えているような仕草をしたかと思うと、突然笑い出したのだ。
「アハハッ……何それ? ……昔のことなんて覚えてないけど……でも君みたいな可愛い男の子と
一緒に居た記憶はあるかもね」
そう言うとその女性は続けて言うのだ。
「もしかすると君とはどこかで会っているかもしれないね」
と……。その言葉を聞いた時に俺の心はズキッとしたのだ……。
「そう……だな……」
俺はその言葉を肯定したのだ……。
そしてその日はそれでおしまいになったのである……。
その日の夜に俺は夢を見た……。
俺が元いた世界で暮らしていた頃の光景がそこにはあった……。
そして俺の隣には女の子が立っていた……。
その女の子は俺に抱き着きながら俺にキスをしていた。
そして俺はその女の子の乳房に触れる……。
その女の子の乳房はとても柔らかくて気持ちよかった……。
そうしているうちに俺とその女の子は眠りにつくと、そこで目が覚めたのであった。
俺は隣を見るとその女の子が俺に寄り添いながら眠っていて、
俺が目を覚ましていることに気づいていないようだ。
俺はそんな女の子の髪を触ってから、その髪に顔を近づけて匂いを嗅ぐと
甘い香りが鼻腔を刺激して幸せな気持ちになってくる。
そして俺はその女の子の寝顔を見ながらその頬を指先でツンと突くと、
その子は少しだけ反応してから、
俺の方を見てからこう言ったのだ。
その声は俺のよく知る声でその口調も俺がよく知っていたものだった。
その美少女の名はユリセシア。
俺の幼馴染であり俺の相棒でもある。
「おはよう」
と言ってきた彼女に、俺も挨拶をすることにする。
「ああ、おはよう」
そう言ってから、今度は彼女の唇を奪う事にした。
「ユウト今日は何をするのですか?」
「そうだなぁ……」
俺はそんな会話をしながら、二人で一緒に朝食を食べていた。
「ねぇ、ユウトは私とどんなことがしたい?」
「そうだな……」
俺は彼女の言葉を聞きながら、今日の予定を考えていた。
「ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ」
「うるさいぞ」
俺は彼女のしつこい問いかけに耐えきれなくなり
つい怒鳴ってしまったのだが彼女はそんなことは気にせずに相変わらず話しかけてくるのだ。
「ねぇ、ねぇねぇねぇ、ねぇってば」
そんな彼女に対して俺はため息を吐いた後で言う。
「はい、なんでしょうか」
「えへっ、やっと返事してくれたね」
彼女は嬉しそうにしているのだが俺としては正直面倒臭い。
「で、なんだ」
「うん、私ね……ずっと前からユウトに言いたかった事があるんだ」
「ほう」
「実はね……私ね……ユウトの事が好きなの。私と結婚してくれないかな」
俺はその告白を聞いてから、しばらく黙ったままでいると彼女が言う。
「あれ? もしかして私じゃダメなの?」
そう言ってから、泣きそうになりながら俺に抱き着いて来た。
俺はそんな彼女に対して言う。
「いや、そういう訳じゃないよ。ただちょっと驚いてしまっただけだ。
まさか君が俺の事を好きになっていただなんて思ってなかったからな。
それにしても君は一体どこでそのことを知ったのだ?」
俺はその言葉に疑問を覚えていたのだ。
なぜならば俺はその事実を誰にも話していないからだ。
「あぁ、そのことね。私も最初は信じられなくて色々と調べていたんだよ。
そうしたら、たまたま君のステータス画面を見ちゃって、そしたら、そこに書いてあってびっくりしちゃった」
「なるほど……確かに俺のステータス画面には君の事も書かれていたから見られてもおかしくはないのか。
だが、どうして俺のところまで来たんだ。俺のところに来なければこんなことにはならなかったのに」
「それは……私が君のことを好きだって気持ちに嘘はなかったし、
他の女に取られるくらいならいっその事、自分のものにしちゃおうって思ったからだよ」
「そうか……ありがとう。俺のことをそこまで想ってくれていたのは嬉しい。
だけどすまない。俺は今はまだ結婚するつもりは無いのだ。
今は冒険者としての生活の方が楽しいというか充実していてな。
だからまだしばらくは一人で生きていこうと思っているのだ」
俺は申し訳なさそうな表情を浮かべながら、そのように答えたのだ。
すると彼女は俺の言葉を聞いて悲しそうな表情を浮かべると言ったのだ。
その瞳からは涙が溢れ出していた。
そして彼女は言ったのだ。その目で俺をじっと見つめながら。
その表情は真剣そのもので俺は思わずドキッとしてしまったのだ。
そして彼女は俺に抱き着くとそのまま唇を重ねてきた。
それからしばらくしてようやく離れてくれたと思ったらまたすぐに重ねてくる。
そして何度も繰り返していると、俺の理性は限界に達してしまい、
俺は彼女をベッドに押し倒して、そしてその柔らかで大きな乳房を揉みしだいた。
「ユウト何をしているのよっ! この変態っ! 馬鹿ぁぁぁあああああっ!?」
そう言いながら、彼女は俺の頬に思い切り平手打ちをしてくるのだった。
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