11.
32.
「さっき言った通りに君はまだ駆け足の冒険者だから、
もう少しランクを上げておくといいかな? それと俺は君のパーティーメンバーとして登録するつもりだけどいいよね」
と俺に聞かれた彼女は少しの間考えてから俺に対して許可を出した。
「ありがとう。それじゃあ。俺は今のうちに少し休んでおくけど君はどうするの?
まだ歩くのかな? もしも辛いのであれば無理をしないで欲しいんだけどね。
俺は大丈夫だと思うけれど……」
そう伝えると、彼女は問題ないと答えてから 歩き続けようとしたので、
俺は強引に止めると無理やり休憩させた。
俺は彼女に回復薬を手渡すと俺はその場を後にした。
そして俺は森の中で、
「よしっ! やるか!」
と呟いてステータス確認をすることにした。
俺がこの世界で生き抜いていくために絶対に必要だと判断をしている項目がある。
それが【固有技能】の項目に書かれている、俺だけの特殊でオンリーワンな存在になるであろう。
全ての可能性を秘めた特別なものだ。
「ふぅ。緊張してきたぜぇ~ 頼むぞぉ~」
俺は小声で自分に言い聞かせるように独り言を言う。
それからしばらくしてようやく決心がついたので早速俺は俺専用のメニュー画面を開いたのであった。
ちなみに今は夜の時間帯であり、空には星と月の光が輝き始めていた。
夜になると、魔物の活発度が増して来るので、
「俺のレベルが上がるか死ぬ間際にしか開かないんだろうな……うん」
俺は悲しげに言うとそのまま俺は次のページに進んだ。
そこには様々な種類のスキルが羅列されており、一つ一つの詳細を調べる必要が
あるのだが俺はそれを飛ばして 一番上の欄にあった。
《鑑定》をタッチした。
「やっぱりこのステータス画面に表示されていた通りの内容が表示されてるよ」
このステータス画面にはステータスの他にも、現在の装備の具合などの詳細な情報も記載されていた。
俺が、ステータス画面を見て驚いて固まってしまっていた間にいつの間にか魔物達が近寄ってきており、俺に向かって襲い掛かってきた。
俺は急いで武器を構えると魔物を撃退しようと試みる。
しかし、魔物達は数が多く俺の攻撃の合間を掻いくぐってきた魔物によって、
腕に傷を負ってしまい痛みを感じたので俺はすぐにポーションを飲もうとしたが、
既に手遅れで怪我をした場所からは大量の血が出ており、意識も次第に薄らいできた。
「クソッ……俺の人生これで終わりなのか?」
俺は諦めかけたが最後の抵抗を試みたが無駄に終わり、
結局何も出来ないまま死んでしまったのだろうと思い目を閉じてしまった。
それからどれくらい時間が経ったのだろうか分からないが目を覚ますと
そこは見たこともない場所の天井が見えた。
俺は起き上がると、 俺が寝ていたベットには白い毛布がかけられており、
俺は自分が誰かに看病をされ続けていた事が分かり、俺の側にいた人物が
俺が目覚めた事に気が付き俺の側にやってきた。
彼女は綺麗な銀色の髪を持っており顔も非常に整っていて、まるでお人形のような
容姿をしており、俺は彼女に見惚れていると、
「貴方が無事で良かったです。私達を助けて下さり本当に感謝します。
私の名はルリルリスと言いまして、どうやら私は人ではないみたいですね。人狼という生き物に変身できるのです。
しかも、この耳や尻尾なども本物なんですよ。どうやら私達の先祖は獣人やエルフの祖先でもあるみたいなんです。
どうですかこの姿を見ても驚かれませんでしょうか。
私が、こんな姿に変わっているというのに 怖くはないのですよ。
ただ純粋にこの姿を見せたかっただけなのと、貴方の容態を確認していただけです。
どうやら体調は良いようですね。ところで、貴方のお名前を是非教えて下さい」
33.
そう彼女は自己紹介をした後に俺の名前を尋ねるので、
俺は自分の名を答えた後で俺をこの部屋に案内をしてくれて、
この部屋を貸してくれた人物の居場所を教えてもらうことにする。
するとルリルリスさんはこの建物の中にある食堂にいるはずだと言われ俺はその場所へと向かうのである。
(一体誰がこの子を保護してくれたんのかなぁ)
と考えながら俺は建物の中を歩いて行くのである。
それから程なくして目的地に着くと、部屋のドアにはプレートに、
従業員用の札がかけてあったのを俺は見つけた。
(ここが目的の部屋かな?)
俺はノックをしようとしたのだが扉に手を触れる直前に、
俺の腕が勝手に動き始めて俺は慌てて止めようとしたが止められなかった。
そして俺の意思に反して俺はドアノブを握って回し開け放ってしまう。
その瞬間に俺の目に入って来た光景は衝撃的なものだった。
俺はそこで、俺に背中を向ける形で、テーブルを挟んで、
椅子に座って座っており俺から顔を背けているのは、ルリちゃんにそっくりな女の子と、先程助け出したルリちゃ……え!? 嘘でしょ。
まさかそんなはずはと俺が戸惑っているとそのルリという女性が振り向くと同時に
俺の方へ歩み寄り俺の顔を両手で抑え込むと、その女性の唇が俺の口に重ねられた。
その女性は舌を口の中にねじ込ませてくると俺は頭が真っ白になってしまい、
その後のことはよく覚えていない。
俺がその女性から離れる際に何かを話していたが聞き取る事はできなかったと思う。
俺が再び目覚める頃には朝になっており窓の外を見ると窓から外の様子を見ることが出来た。
俺が起きた事に気付いたのかルリと言う名前の少女ともう一人の恐らくは彼女が姉であるルリルリスだと思われる人が近づいてきてから俺の体を起こしてあげると、
ベッドの上で座り込んでしまい俺は完全に腰を抜かす形になってしまう。
そんな俺に対して二人の女はそれぞれ違う反応を見せてくれるのである。
「おはようございます。気分はいかがで御座いますか?
もし良ければ昨日よりも、より一層と美味しくしてあげたいと思っているので
宜しれば協力していただいてもよろしいでしょうかね。
どうかなされるのなら早めに決めて欲しいと思いますね。
どうなさいましたか? 急に黙られて、 あっ。すみませんでした。申し訳ありません。つい夢中で貴方の味を楽しんでしましましたね。失礼致しますね。
では。また後ほど、その時にゆっくりと、もっとじっくりとお話をさせていただかせていただきましょう。ご機嫌は如何でしよう?」
そう言って微笑みかけてくる女性だが彼女の瞳の奥にある光は明らかに妖しかったので俺は彼女の質問を断ってから逃げるようにして立ち去ろうとした。
その時だ!
突然の浮遊感と共に体が動かなくなったのだ。
しかも俺は手足を拘束されているのか全く動けなくなってしまったのだ。
その様子を見かねた彼女が声をかけてくると、俺は彼女の言葉を聞いて驚愕した。
なんと俺は彼女が作り出した闇の中で磔状態にされて閉じ込められていて逃げ出せないでいるのだ。
その闇の空間に閉じ込められると彼女は楽しそうに語り始めたのである。
まず初めに、何故彼女、吸血鬼とダークエルフのハーフであるルリはどうして吸血鬼になったのか。
34.
「それは単純な理由なんだよ。元々私の一族にヴァンパイアの血が入っているからね。まぁこれは、どうでもいい話だから省こうか。問題はね。
彼女が魔族と人間との間に産ませた娘だったから。
そして彼女が産まれたのは彼女が5歳の時に母親が病にかかって亡くなってしまうんだ。だけど、彼女は生まれつき膨大な魔力を保有していいて 普通の人間が触れてしまうと精神に何らかの影響をきたしてしまう危険性があるんだ。
それで彼女は父親に引き取られる事になって彼女は引き取られて行く事になったんだ。でも彼女は、父親の元に行くことを嫌がり逃げ出したのね。それこそが彼女が吸血鬼となった原因だよ。どうやらとてつもない量の血が流れ出てしまうらしくてね、その量が多いと自我を失って暴れ回ってしまい。そのせいで父親が殺されたから彼女は逃げたわけなんだ。それから色々とあって 彼女もまた、旅に出て旅をしながら、
色々な出会いがありそして別れを経験していき いつしか、一人の男の人を愛してしまったのよ。それから彼女はその人と結ばれたの。
しかし彼女は妊娠をしていて子供を産むことにしたの。そして生まれた子供があの子だったの。彼女はその事実を知った時は嬉しさ半分と絶望したのかもしれない。その気持ち分かるわよね。彼女にとっての父親は唯一無二の存在なのよ。その人に嫌われたら生きる意味を見出せなくなるぐらい大切な存在なの。
だから、彼女は悩んだ末に、彼を殺すことに決めたの。
愛する我が子を殺めてから自殺を図ろうとしたが失敗をして仕方なく彼は殺すことを諦めて彼女を逃がすことにして 彼女は彼の為に命を懸けたんだ。
だから彼は生きていなければならない存在だと。
だけど、それが悲劇の始まりとなってしまった。彼が死を選んだのはその日の夜の事よ。
彼女は泣いて叫んで、泣き叫んだけどどうにもならなかった。だから彼女はせめてもの救いとして、自らの体に眠るもう一つの力を覚醒させたのよ。それが魔王と呼ばれる力のほんの一部ね」
そう語る彼女の表情には悲しみに満ち溢れていたのが印象的で俺はただ聞くしか無かったのであった。
しかし俺は彼女に気になっている事を問い掛けた。
すると。
俺の目の前に居た美しい黒髪をなびかせた美少女が一瞬、大人の姿になり俺の前に再び姿を現すが、直ぐに幼い少女に戻ってしまった。
何が何やら分からない状況に陥り、混乱するしかない俺に向かって説明を始めたので、とりあえず一通り最後まで聞いた。
要約すれば、俺の前に現れた美女がルリルリスという俺が助けた銀髪碧眼の女性。
そして、さっき俺にキスしてきた美幼女の双子の姉妹の姉だという事が分かったのだが、そもそもこの世界に来る前に女神様に出会っており俺は勇者召喚に巻き込まれただけだという。
本来であれば巻き込まれるのは勇者だけのはずだったのだが、俺はどうも、
他の者達と違った部分があるのだという。
それは、勇者達が持っているはずの特別な【固有技能】を持っていなかった為であるらしい。
それに、俺の持つ固有の力は特殊で、どんなに鍛えてレベルアップしても絶対に
レベル上限まで達することは無く無限に強くなって行き続けてしまう。
【技能】も獲得できなくなってしまうので、俺にとってはデメリットだらけであるということだ。
なので俺はなるべく目立たないように暮らしていく事に決めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます