第8話
「目的は何だ?」
「私はジャーナリストよ。真実を知って、記事にするのよ」
「俺の事を書くのか?」
「あなたの事というよりも、都市伝説『摩天楼の狼男』の記事を書くの。あくまでも都市伝説よ。
「じゃあ、なんで俺につきまとうんだ?」
「あなたが苦しんでいるんじゃないかと思ったから。警察が嗅ぎまわっているけれど、あなたは逮捕されないわ。なぜなら、人を殺したのが犬だから。あなたが犬にあんな事をさせたわけじゃないんでしょ?」
「ああ、俺は何も……」
岩田はそう言いながらも、苦しそうに顔を歪めた。
入社してからずっと、
「異変に気付いて、遠吠えを止めたが、もう冴島は虫の息だった。顔はめちゃくちゃで、内臓も飛び出していて、見るに堪えないものだった。俺は怖くなって逃げたんだ」
「そう……。冴島は気の毒だけれど、私も逃げ出すかもね。あなたを責められないわ」
「あんた、俺を警察に突き出さないのか?」
「突き出して何になるの? あなたに何の罪があるというの? もう事件は解決済みよ。警察は結論を出したわ。それを自ら覆したりはしない」
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