　一言で言うなら、「いけ好かない女」

　あんなやつが存在していることが許せない。

　私が全力をかけて、なんとしてでも手に入れようとしているものを、あいつは最初から持ってる。

　そのくせして、生き方だの人生の意味だのって、一丁前にくよくよしてやがる。ふざけるな。私には悩む権利すらないのに。悩むことすらできないやつだってこの世にはごまんといるのに。贅沢がすぎる。何様のつもりなのか。許せない。

　なんであいつなんだ。あいつに力があって、私にはないのはなぜだ。私の手中にあったほうがいいはずなのに。私のほうが、あいつよりもうまく運用できるはずなのに。こんなことはおかしい。志なきところに力があって、あるところにはない。到底考えられない話。

　死ねばいいのに、と思う。

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幽鬼から見た萌黄

「垢抜けない感じの娘です。本人もそれは意識してるみたいで、変身願望を抱えているみたいですけど……。どうでしょうね。自分を作り直したいという願いの行き着く果ては、死ですよ。」

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