王都リンデンハイムへたどり着きました


 夕食は『夏野菜トマトカレー』、さらに王都に着いた記念におかずも豪華にね。

 『おいしいメンチカツ』、『白身魚フライ』、『ひとくちささみチーズフライ』の3種フライの盛り合わせ。


 付け合わせは『ミックスサラダ』、ドレッシングは小袋で売っているサイトから、前にもここから取り寄せたものです。

 ご飯はレトルト、何時もの4食で税抜350円の物ですね。

 ウスターソースも100円でありますね。

 

「クレアさん、料理の仕方、覚えてくれたのですね」

「便利なものですね♪これなら、いくら料理下手の私でも、何とかなります♪」


 やはりいつの間にか、『クレアさん』となっていますね。


「お風呂はいつもの温泉にしますか?」

「はい♪」


 例の岩棚の温泉、座標を登録しましたから、いつでも入れるのです。

 で、毎日、温泉に入っているのです。


 雨の日もありましたが、100均の傘をさして入ったのですよ♪


 もう互いに裸のお付き合い♪クレアさんのボイン、見放題です♪

 ……あぁぁ、このボイン、もうすぐ私のもの!明日、頑張らなくっちゃ!……


 神様から、冷たいほうの小川の湧口も調べよ、と言われていましたので、調べたのですよ♪

 湧き水は水晶の隙間から出ていたのですね……

 紫水晶、アメシストの原石が山ほどありました。


 とりあえず、手前にあったでっかい結晶を一つ、いただいておきました。

 同じようなものが、ゴロゴロあるのですね……


 紫水晶以外にも、黄水晶とかもあります、その中でも鮮やかな黄色のカナリーシトリンなど……でっかいのがありますね♪

 そうそう、マディラシトリンと呼ばれるオレンジ色の水晶も奥に見えますね……赤水晶や青水晶、黒や緑までありますね♪

 なんともカラフルで綺麗な事♪

 クレアさん、肌が真っ白ですから、ネックレスにしたら似合いそうですね♪


 それからですね、砂金ですが、全部攫ったはずなのですが、見ると、キラキラと粒が見えるのですね……

 あとで神様からメールが来たのですが、毎日少しずつ流れ込んでくるようです。

 大体一日あたり21グラムのようです。

 

「ヒロ様、今までありがとうございました……明日、本当に父上に申し込んで下さるのですね」

「必ず!妻にと、お願いいたします!」


「その……今まで言えなかったのですが、父上というのは……国王で……とても変わった方なので……腹の立つことをいうかもしれませんが、我慢してください……」

「大体は察していました」


「クレアさんの為なら、プライドなんてどこかへ捨てて見せますよ」

「いざとなったら、お父様には申し訳ないのですが、攫って逃げます」


「お願いしますね♪見捨てないでくださいね♪」


 長々と明日の手筈を相談して、そして、朝がやってきたのです。


「ヒロ様、もうすぐ朝ですよ♪」

 朝四時に起こされたヒロさんです。


 朝食は簡単なトーストとコーヒー。


 懐かしい高校時代の黒の学生服、その上にダッフルコートなんて着せられています。

 靴も黒のローファの革靴ですね。


「ヒロ様、お似合いです♪」


「さて、打ち合わせ通りにお願いしますね♪」

「分かりました、クレア様♪」


 王都リンデンハイムに入るには、城門でチェックがあります。

 よくライトノベルにも書かれている『通行税』を取られるのです。

 

 荷物はチェックされ、さらにものによっては税金がかかるようです。


 私は王国第四王女、クレア・コートネイの従者、ヒロ・ミウラ、治療魔法士ということです。

 出身は、このコートネイ王国のかなり東にあるミッドガルド、ここの住人なら、たまに黒目黒髪の者がいるようなのです。


 魔法士は大体フードをかぶっており、ダッフルコートなら誰も疑わないようです。

 ただ、治療魔法士は大変珍しく、確認の為に何かしらさせられるかもしれないとの事ですね。


「通行税は一人1ランドです、申し訳ありませんが、私が指示いたしますので、それに従ってくださいね」


 お金は私が出すことになりました。

 クレアさん、着の身着のままで逃げ出したようですのでね。

 それにしても、無一文で還らずの荒野を抜け、リンデンハイムへ戻ろうとしていたのですから、蛮勇というか無謀ですね……


 外に出ますと、まだ日は顔を出していなく、東雲(しののめ)と呼ぶべき空が、私たちを迎えてくれました。

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