第4話
スーパーで適当に材料を選ぶと翼が住むマンションへと向かう疾風。
翼のマンションはオートロック付きマンションだ。
一階で鍵を開けてから、もう一度、部屋に入る前に玄関の鍵を開ける。
翼住むマンションは玄関入って右側にキッチンがあって、左側にトイレやお風呂場がある。 そして奥まで行くと八畳の部屋になっていた。
クローゼットもあって、ある程度の荷物はそこの入るようになっている。 だから部屋内というのは荷物は散乱していない状態なのだ。
部屋の中心部にあるのは小さなガラステーブル。 そして見える範囲内にあるのは壁がけテレビとダブルベッドだけだ。
荷物が少ない分、八畳なのに部屋が広く感じる。
疾風はスーパーで買って来た荷物をキッチンに置くと、自分の荷物はいつものようにクローゼットの中へとしまうのだった。
そしてテーブルの前に腰を下ろすと、
「やっと、着いたー」
そう安堵のため息を漏らすのだ。
今の時間は十七時過ぎ。 きっと翼はやっと仕事を終えた頃だろう。 いや残業があればもっと遅くなるのかもしれない。
そう考えていると疾風の携帯が鳴る。
少し、お疲れ気味だった疾風はその携帯音で半身を起こすと、やはりその連絡相手というのは翼からだった。
『ゴメン! 今日は残業で遅くなる』
待ってる身として一番見たくない言葉だ。
「残業で遅くなる!? ……まったく、今日は俺が来るの分かっているのに残業だぁ!? もう! 仕事早く終わらせてきてよね!」
そう文句を言いながら携帯に文字を打ち込む疾風。
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