友へ―さよなら― ※


大好きだったと気づいた夏の日

真夏が空から落ちてきて君はいなくなった

駆け回った秘密基地、小道、田んぼ、がけ山

面影も消える町並みと一緒に君も消えていく

青いすすきの揺らめく川岸

君へと届けと水切りを向こう岸まで飛ばし続ける夕日


さよならが言えなくて黒い服も嫌いで

涙も流れなくて君の新しい靴を見た


君がいない君の部屋はずっと電気がついてない

表札から消えない君の名前見ると苦しい

十年ぶりに見た君を笑ってられるように

十年後にまた会えるようにさよならは言わない

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