大きな町の小さな喫茶店屋さんを趣味で営む最強水系超能力者ツカサさんの経営戦略!!以前所属属していた組織に能力を狙われていますが問題ないでしょう!だって君たち弱いもん!
カイト
第1話 私たちの居場所
〜喫茶店の朝〜
「ふぁ〜」
大きなあくびをしながら目を覚ます。
今日も快晴だな。
カーテンを開けて外を見る。
まだ少し薄暗い中、開店の準備を始める。
といっても自分達用のモーニングメニューを用意するだけなので10分もあれば終わる。
コーヒーメーカーをセットし、トースト用の食パンをオーブンに入れタイマーをかける。
その間にサラダを盛り付ける。
目玉焼きを作りながら冷蔵庫から卵を取り出しフライパンに落とす。
香ばしい匂いが立ち込める。
そのタイミングでチンッ!という音が鳴る。
いい感じに焼けた食パンを皿に乗せる。
そこにバターを乗せ完成させる。
そして同時に2つのマグカップにコーヒーを入れ始める。
1つはブラック、もう1つには砂糖多めのカフェオレを入れる。
それらをテーブルの上に並べていく。
すると店の入り口の方からドアを開ける音が聞こえる。
カランコロン♪
「お〜ツカサ、新鮮な野菜仕入れてきたぜ」
レイカが今日の分の野菜をカウンターに置く。
「ありがとうレイカ」
そう言って受け取るとすぐに野菜を洗う。
「いつも助かります」
「いいってことよ。私だってあんたの料理は大好きだからな」
彼女はレイカ=ルード。
私と彼女は
特に彼女は私と同じ年齢でありながら組織のエースとして活躍していたこともある凄腕のエージェントである。
(私を含めて他にまともな奴がいなかったと言うのもあるけどね)
しかし、私も彼女も今や組織の後ろ盾のないただの一般市民みたいなものだ。
「そういえば昨日面接行ったんだろ?どうだった?」
私は今朝の朝刊を読みながら答える。
「あ〜、ダメだったみたい。やっぱり難しいね」
「まぁそうだな。うちらみたいな実質的孤児を雇ってくれるとこなんかそう簡単にないさ」
レイカは苦笑いを浮かべながらそう答えた。
彼女の言うとおり私達は世間的には孤児として扱われている。
この世界では両親を失ったり両親から捨てられた子供達は親の遺産を相続する権利がないのである。
そんな事を話していると、彼女はこんな事を言い出した。
「そう言えばノエルは?まだ寝てるのか?」
「うん、起こしてこようか?」
「ああ頼むよ。うちの可愛い看板娘を連れてきて」
「分かった」
そういうと彼女はキッチンから2階に向かい、奥にある部屋に向かって行った。
私は目玉焼きを食べ終わり食器を片付けていると、階段を降りてくる足音が聞こえてきた。
「おはようツカサ...」
大きなあくびをしながら挨拶をする金髪の少女
彼女の名前はノエル=テンペスト。
金髪でサイドテールの少女。
年齢は私と同じ15歳だが、見た目は小学生に見える。
「...おはようノエル」
「何? その目。私は朝は弱いって前にも言ったよね?」
「いや、なんでもないさ。ただあれから一切成長してないよね? 貴方の体」
私がそう指摘するとノエルは不機嫌そうな顔になる。
「うるさいわね……。私の事は放っといて頂戴」
ノエルは身長135センチで胸のサイズも同年代の平均より小さい。
それどころか、身長体重共に小学生の平均を下回っており、そのくせ無駄にプライド高いのだ。
「はいはい、ごめんなさい」
適当にあしらうとノエルは頬を膨らませながら席に着いた。
そしてそのまま椅子に座ったまま眠りについた。
「起きなさい。もうすぐ開店時間だよ」
「むぅぅ...」
「ご飯食べたら早速仕事だからね!」
私が注意すると、彼女は渋々食事に取り掛かった。
相変わらずの低血圧である。
ちなみにレイカも同じくらいの低血圧なのだが、彼女はしっかり起きて仕事をしてくるのですぐに問題はなくなる。
「ふぁ〜、眠いわ」
朝食を取り終えるとノエルは目を擦りながらカウンターに立つ。
「ほら、今日もよろしくお願いします」
「はいよ〜」
彼女は気怠げに返事をして開店準備を始める。
そしていつものように私の店は開店の時を迎えるのだった。
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