4 君に決めた
20代〜30代後半のセラピストが多かった。それぞれウリがあるらしい。
紳士系、筋肉系、かわいい系、得意なプレイも。顔は、隠れている人とそうでない人がいた。
さてどうやって絞り込もう。まずカワイイ系は除外。甘えさせてしまいそうだから。逆なの。逆。甘えたいのだよ。
20代も除外。若い子だと、お金払ってんのに自分が悪いことしてる気分になりそう。あと気を使われてお世辞めっちゃ言われそう。
なので落ち着いた系で、なるべく普通よりの人がいい。
もうちょっと冒険すればいいのに、変なとこ慎重派である。
面白そうな人たくさんいました。ボディビルダーみたいな人、ハーフ、王子様。非現実を味わうにはぴったり。余談だが、こういったタイプは普段どこに生息しているのだろう。
気になる方いましたら、サイト見るだけでも楽しいよ。
ひととおり眺めたところで普通系を発見したのでプロフィール詳細へ。
顔は上半分だけ公開。自己紹介も短くさっぱりした印象で、好感触。あいさつボイスも聞けた。いい声だった。声がいちばん好みかもしれない。
なにより決め手は目。目が笑ってない。
顔半分隠しての自撮りに集中しているのか、目が笑ってない。たぶんデフォルメがあの目つきなのだろう。
いいぞ。この人にしよう。
この目の奥の奥に、彼のTwitterや日記からは感じられない虚無感を見る。
きみにきめた。
予約フォームから日時などを入力して完了。
時間は120分コース。2時間だけ、彼氏っぽいことをしてもらう。
登録名は、くの いちこ にした。
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