第90話 英雄

「!!リン!!」

「リンちゃん!!」

「リンちゃん!!」

「お兄ちゃん!!」


リム達従魔組が、新たに自分達の仲間となるザード達と戯れ…

その光景を、町の人達も微笑ましく見ていた、まさにその時。


たった一人で、未曾有の大氾濫に最前線で立ち向かい…

見事、十万を超える魔物を全て殲滅し…

さらには、エンシェントドラゴンと言う、極めて神に近い存在をも退けて…

このスタトリンを護り抜いてくれた唯一無二の英雄、リン。


そのリンが、【空間・転移】を使って、ギルド前の広場に姿を現した瞬間…

真っ先に家族であるリリム、ロクサル、エイレーン、リーファが気づいて、リンの元へと駆け寄っていく。


「!!来たああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」

「俺達の英雄が、帰ってきてくれたああああああああああああ!!!!!!!!!」

「リンちゃああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!」

「わたし達の英雄よおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

「お帰りなさあああああああああああああいいい!!!!!!!!!!!!」

「うわああああああああああああああああんんん!!!!!!!!!!!!」


そして、英雄の帰還を今か今かと待ち望んでいた町中の人間が、リンの姿を見た瞬間、町中に響き渡る程の大絶叫で歓喜の声をあげ、駆け寄っていく。


「わ……わ……」

「ふふ…妾の旦那様は、誰からも好かれているのじゃな……妾はとても鼻が高いのじゃ!!」


家族を含む、町中の人間が勢ぞろいで自分を迎えてくれることに、リンはたじたじとしてしまう。

リンに寄り添って、共に【空間・転移】でスタトリンの町に来たシェリルは、そんなリンを見て、とても誇らしく、そして微笑ましく思う。


「リンちゃん!!」

「!!わ!!」


真っ先にリンのそばまで来たリリムが、リンの身体をもう二度と離さないと言わんばかりに抱きしめ、頬を摺り寄せてくる。


「もおおおおおおおお!!!!お姉さんすっごく心配したんだからね!!!!!!」

「ご、ごめん、なさい…」

「ううん!!あたし達を護ってくれて、本当にありがとう!!お帰りなさい!!」

「た、ただいま、です…」

「よかった…リンちゃんが帰ってきてくれて…ほんとによかった…よかったよおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」


もはや自分にとって、最愛の家族となっているリンが、こうして無事に帰ってきてくれたことに、リリムは心底安堵し、溢れ出る涙を拭おうともせず、ぎゅうっとリンのことを抱きしめて離さない。


「リンちゃん!!」

「!!むぎゅっ!!」

「ああ……リンちゃん…リンちゃん…私達を護ってくれて、本当にありがとう!!!!!!!」

「お兄ちゃん!!」

「!!ひゃっ!!」

「お兄ちゃん、やっと帰ってきてくれた!!!!!!ずっとボク達を護ってくれて、ほんとにありがとう!!!!!!!!!!」


さらにエイレーン、そしてリーファまでもがリンにべったりと抱き着き、リリムと同じように溢れ出る涙を拭おうともせずに、たった一人でこの町の全てを護り抜いてくれた、誇るべき英雄を抱きしめて、その生還を喜ぶ。


「リン!!あれ程の魔物達を相手に一歩も引かず、全てを屠るその戦い、本当に凄かった!!リンはまさに今を生きる、唯一無二の英雄だ!!本当にありがとう!!」

「ロ、ロクサル、さん……」

「リン君!!私はまさに真の英雄と言うものを見せてもらえたよ!!君がいてくれたからこそ、この町は護られたんだよ!!心から言わせてほしい!!ありがとう!!我らが誇る英雄リン君!!」

「ジャ、ジャスティン、さん……」


そして、もみくちゃにされているリンに駆け寄ってきたロクサルとジャスティンが、リンこそが真の英雄だと心からの称賛と、たった一人でこの町を護り抜いてくれたことへの感謝を贈る。


「リン様!!我らジャスティン商会の護衛部隊一同、あなたの戦いには大いなる勇気と希望、そして感動を与えて頂きました!!!!」

「ゴ、ゴルド、さん……」

「願わくば、リン様を狙うよからぬ輩から、あなたを護る為に我ら部隊一同、この力を振るわせていただく所存にございます!!!!」

「!!え……」

「リン様!!我らを救ってくださった英雄の為にこの力を振るわせていただく栄誉を、我らにお与えください!!」

「リン様!!何があってもあなたの力を狙う輩を、あなたへ近づけなど、させません!!」

「我ら一同、偉大なる英雄の為に全身全霊、この力を振るわせていただきます!!」


ゴルド達護衛部隊の一同もそこに現れ、リンの前で跪き、全員がリンを狙う輩からリンを護ると、誓いの言葉を力強い声で宣言する。


この方こそ、ジャスティン様と同じく我らが仕えるべきお方!!

このお方の為ならば、この命を賭してでもお護りさせて頂ける!!

今を生きる、唯一無二の英雄の護衛など、何という栄誉!!


護衛部隊の誰もが、真に仕えるべき存在を見つけたと言う思いで、その目には希望と喜びが浮かんでいる。


「あ、あの……」

「!は!!」

「ぼ、ぼく、に、そ、そんな、風に、言って、頂けて、す、すごく、う、嬉しい、です…」

「!!ああ!!リン様からそのようなお言葉を頂けるなんて!!」

「我ら一同、感激です!!」

「で、でも…」

「?リン様?」




「ぼ、ぼく、より、こ、この、町、の、人達、を、ま、護って、く、くれる、と、う、嬉しい、です……」




「!!…………」


リンが、自分にそこまでのことを言ってくれるのがとても嬉しいと言ってくれたことに、ゴルド達はその場から飛び上がりそうな勢いで喜びを露わにする。


そして、その次の、自分よりも町の人達を護ってほしい、と言う言葉には、全員が心を震わされてしまう。


自分の事よりも、他の事を思いやるその心。

他の人の喜びこそが、自分の喜びと言うその心。

自分を護るより、他の人を護ってほしい。

嘘偽りなど、微塵も感じさせない純粋で素直なその言葉。


まさしく、まさしくこの方は、自分達が仕えるべき存在。

ゴルド達は、ますますリンに対する忠誠心と信仰心のようなものが、心から溢れてくる感覚を覚えてしまう。


「リン様がそれを望むのならば、我ら一同、全身全霊でこの町を護らせて頂きます!!!!」

「その上で、リン様を護らせて頂きます!!!!」

「リン様の喜びは、我らの喜び!!!!」

「我らに崇高な使命を与えて頂き、ありがとうございます!!!!」


真の英雄たる、リンのその心。

己が仕えるべき存在であるリンの望み、全力で叶えると護衛部隊一同、奮起する。


ああ、まさしくこの方は真の英雄。

我ら一同、このお方に仕えられて幸せしかない。

真の英雄の御心を護るという崇高な使命を頂けて、これ以上の栄誉などない。


ゴルドを筆頭に、護衛部隊一同が、リンを心酔し、守護する運命共同体となった、その瞬間である。




「え、えへへ……ぼ、ぼく…ゴ、ゴルド、さん、達、が、喜んで、くれて、う、嬉しい、です……」




この世界でも唯一無二と言える程の硬度を誇る鉱物、オリハルコンよりも固く定まった忠誠心と信仰心に追い風を与えるような、リンのふわりとした笑顔と言葉。


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


それを見ることができただけで、ゴルド達は天にも昇る程の幸福感を感じることが、できてしまった。




「(リン様のこの心と笑顔、絶対に…絶対に護り抜く!!!!!!!)」




護衛部隊一同の心が、一つとなってそう決意した瞬間となった。


「リンちゃん!!!!たった一人であんだけの魔物に挑んでくれて…この町も俺達も護り抜いてくれて、本当にありがとう!!!!!」

「僕達もう、リンちゃんに一生かかっても返しきれない程の恩、もらっちゃったよ!!!!!」

「あたし達、これからはリンちゃんに少しでもお返ししていきたいの!!!!!!」

「わたし達、リンちゃんが喜ぶことなら、何でもしてあげたい!!!!!!」

「リンちゃんの為だったら、私達なんだってするから!!!!!!」

「リンちゃん!!!!!!!!!」

「リンちゃん!!!!!!!!!」


そして、町中の冒険者や人々も、たった一人で自分達を護り抜いてくれた真の英雄、リンの帰還を心底喜び…

これからは、リンが喜ぶことならなんだってしたいと、全員がこれからに希望と喜びを見出している。




「あ、ありがとう、ご、ござい、ます……み、皆さん、が、ぶ、無事で、ぼ、ぼく、すっごく、う、嬉しい、です」




そんな人々の言葉、思いが心に沁みわたってくるのか、リンはとても嬉しそうに人々の無事を喜び、ふわりとした笑顔で感謝の言葉を紡ぐ。


「!!!!も、もおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

「リンちゃん!!!!!!!!リンちゃん!!!!!!!!!!」

「なんで、なんでリンちゃんこんなに可愛いのよおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

「あたし達、リンちゃんだああああああああい好きいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!!!!!!!!」


そんなリンの笑顔に、人々は文字通り、心を撃ち抜かれてしまう。

特に女性達は、その笑顔があまりにも可愛すぎることもあり、全員がリンのことが大好きだと絶叫してしまう。

そして、絶対にリンが喜ぶことをする、と心に固く誓う。


この笑顔が見られるなら、なんだってしてあげられる。

なんだってしてあげたい。


町の人々の心が、一つとなった瞬間であった。


「…………リン…」


そこに遅れて姿を現したのは、リンを護ってガイの兇刃に背中を切り裂かれ…

その命を落としそうになりながらも、リン、リーファ、医療部隊のみんなの懸命な治療により、救われたローザであった。


まだ一命を取り留めたとは言え本調子ではなく、立って歩ける程には回復したものの、その足はふらついている。

それでも、その顔には、あの凄まじい戦いの中、それでも自分の命を救ってくれた英雄リンが、こうして再び自分の元へ帰ってきてくれたことへの、どうしようもない程に溢れかえる喜びが浮かんでいる。


その溢れんばかりの喜びの感情が、涙となって零れ落ちていく。

嬉しくて嬉しくてたまらない。

嬉しくて、涙が止まらない。


「!!!!ローザ、さん!!!!」


ギルドの医療部隊にその命を預け、再び戦場に戻っていったリンだったが…

ローザのことは、ずっと気がかりだった。


それもそのはず。

あの時のローザは、即死でもおかしくない程の重傷だったのだから。


ガイの兇刃から、その身を投げ出してでも自分を護ってくれたローザ。

そのローザの姿を見たリンは、すぐさまローザの元へと寄っていく。


「ローザ、さん…だ、大丈夫、ですか?ど、どこか、い、痛い、ですか?」

「!!リ、リン……リン……あああ……」

「?ローザ、さん?」




「リン!!!!生きててくれて、本当に…本当によかった!!!!!!」




涙をぼろぼろと零しながら自分を見つめるローザに、リンは心配そうな声をかける。

あれ程の重傷だったのだから、一命を取り留めたと言っても、まだ辛いのかもしれない。


ローザは、リンのそんな優しい言葉が嬉しくて嬉しくてたまらなくて、ますますその涙がぼろぼろと、とめどなく溢れてきてしまう。


そして、リンがあの戦いから生きて戻ってきてくれたことが何よりも嬉しくて、ローザは思わずリンの小柄な身体を、まるで宝物にそうするかのように強く抱きしめてしまう。


「!!ロ、ローザ、さん??」

「リン……本当に、本当にごめんなさい……」

「?え?」

「『栄光の翼』に居た頃…ずっとあなたにひどいことをして…あなたは、こんな私達に…あんなにも健気に、一生懸命尽くしてくれてたのに……本当に、本当にごめんなさい…ずっと、ずっと尽くしてくれて…本当に、本当にありがとう……」

「!ロ、ローザ、さん……」

「リン…ああああ……リン……本当に、本当に……生きて帰ってきてくれて……本当によかった……私達を……この町を……たった一人で……あれだけの魔物達に立ち向かって……それでも護り抜いてくれて……本当に、本当にありがとう……ああああ……」


『栄光の翼』にいた頃には、ひたすらリンを蔑み、虐げてきたローザだったのだが…

その頃とはまるで別人と思わせる程に…

まるで、お腹を痛めて生んだ我が子を慈しむようにリンを抱きしめ…

漏れ出る嗚咽と共に、言葉として紡がれるそれまでの謝罪…

そして、感謝。

何より、リンが無事に帰ってきてくれたことへの、安堵。


ローザは、もうその感情を抑えることができず、ずっとリンを抱きしめながら、涙を流して喜んでいる。


「…ぼ、ぼく、の、方こそ、あ、あり、がとう、ご、ござい、ます」

「?……わ、私……リンに感謝されるようなことなんて、何も……」

「だ、だって……」




「ぼ、ぼく、が、ガイ、さん、に、お、襲われた、時に、ま、護って、くれた、から…」




「!!!!!!!!!!!!!!」


リンが何気なく紡いだその言葉に、ローザは心底、驚かされてしまう。


まさか、そのことでこんなにも笑顔をくれるなんて。

こんなにも、喜んでくれるなんて。


自分は、そんなことでは足りない程、あなたに多くのものをもらっているのに。

この命すら、あなたにつないで、救ってもらっていると言うのに。


もう、だめ。

もう、抑えられない。




「~~~~~~リン!!!!……あああ……大好き……も、もう……言葉なんかじゃ、表せないくらい、大好き!!!!!!!!!」




リンを愛おしいと思うその感情が抑えられず、ローザはリンをぎゅうっと抱きしめながら、その溢れんばかりの思いを言葉として、嗚咽まじりの声で紡ぐ。


「リ…リン…ガイに襲われたと言うのは、どういうことなんだ?」


リンがぽつりと漏らした、ガイに襲われた、と言う一言に反応したロクサルが、リンに問いかけてくる。


他の者もそれが気になったのか、身を乗り出してリンの反応を待っている。


「え、え~と、ですね……」


ロクサルの問いかけに、リンはたどたどしくも言葉を紡ぎ…


氾濫中の魔物と戦っているところに、ガイがリンの背後から不意打ちを仕掛けてきたこと。

その不意打ちから、ローザがその身を投げ出して護ってくれたこと。

瀕死の重傷を負ってしまったローザを救うべく、治療をしたが、そこにまたガイが襲い掛かってきたこと。

そのガイの大剣による一閃を、リンは拳による一撃で大剣をへし折って返り討ちにしたこと。

魔物が襲い掛かってくるので、仕方なしに一度スタトリンに戻って、ローザの治療を託したこと。


そこまでを、拙くもどうにか、リンは説明し終える。


「……そんな、ことが……」


どうしてリンがローザを助けようと、一度スタトリンに戻ってきたのか。

どうしてローザが、あれ程の重傷を負っていたのか。


ロクサルは、いくら考えても分からなかった事の真相が分かり、得心がいったと言う表情を浮かべる。


「……ローザさん!!!!よくぞ、よくぞリンちゃんを護ってくれた!!!!!」

「あんたすげえよ!!!!大剣で襲い掛かられてたのに、その身でリンちゃんを護るなんて!!!!!」

「我らの英雄を護ってくれたローザさん!!!!あんたも立派な英雄だよ!!!!!」

「ローザさん!!!!リンちゃんを護ってくれて、本当に、本当にありがとう!!!!!!」

「あたし達、ローザさんのこと誤解しちゃってたの!!!!!ごめんなさい!!!!!リンちゃんを護ってくれて、本当にありがとう!!!!!!」

「こんなの、ローザさんも英雄じゃない!!!!!だって、わたし達の英雄リンちゃんを護ってくれたんだもの!!!!!」


そして、リンがたった一人で戦っている中、そんな事が起こっていたことに声を失っていた町の人々が、急に火が付いたかのようにローザを称賛し始める。

町の人々にとって、他には考えられないと言える英雄であるリンの命を、その身を挺して護ってくれた、などと言うことを、他でもないリンから聞かされて…

全員が、ローザを英雄とまで言い始める。


「わ、私……そんな……そんな、大したこと…なんか……」


だが、急に持ち上げられて居心地が悪くなってしまったのか…

ローザは、リンを抱きしめたままおろおろとしてしまう。


「ローザ殿!!!!」

「!!は、はいっ!!」

「我らが英雄、リン様をその身を挺して護って頂いたこと、リン様の護衛部隊一同、感謝申し上げます!!!!」

「ありがとうございます!!!!」

「我らが英雄を護ってくださって!!!!」

「ローザ殿、万歳!!!!」

「万歳!!!!」


そして、その身を挺してリンをガイの兇刃から護ったローザを、今やリンを心酔する護衛部隊の一同が声を揃えて、その溢れんばかりの感謝の思いを、言葉にしていく。


「………わ、私………」


だが、当のローザは、こんなにも自分が称賛され、感謝の言葉を贈ってもらえるようなことをした自覚がなく…

周囲をきょろきょろと見渡しながら、きょとんとした表情を浮かべてしまう。


「ローザ君…」

「ローザさん…」

「!!ギルドマスター……それと…あなたは確かジャスティン商会の…」

「ああ、会頭のジャスティンと言う。ローザさん、あの時は強制退去させた上に、呪いの装飾品まで装備させてしまい、本当に申し訳なかった」

「!!い、いえ!!頭を上げてください!!あれは、あれは私が全て悪いのですから…」

「ふ……私の見る目も耄碌したようだな…ローザさんのような英雄を、ゴミを見るような目で見てしまったのだからな」

「!!わ、私そんな大層な者じゃないです!!そんな……」

「何を言う!!あなたは我らが英雄であるリン君を、その身を挺して護ってくれたじゃないか!!それは誇るべきことだ!!少なくとも、私はそう思う!!」

「!!ジャ、ジャスティン会頭……」

「ローザ君…君がその身を挺してリンちゃんを護ってくれたこと……それは私達の希望を護ってくれたことと同じなんだよ……」

「!!ギ、ギルドマスター……」

「リンちゃんが倒れる…それは、私達の運命も終わる瞬間……でも、ローザ君がリンちゃんを護ってくれたからこそ…私達も護られたんだ…」

「!!!!あ………」

「だから、ありがとう……本当にありがとう……リンちゃんを、護ってくれて……」


ローザは、二人の言葉に、言いようのない達成感を覚える。


それは、どんな凶悪な魔物を倒した時にも得られなかった、とても誇らしい達成感。


ローザは、その達成感を感じながら、思った。




――――人の、誰かのお役に立てるのって、こんなにも…こんなにも嬉しくて尊いものなんだ――――




と。


溢れんばかりにこみ上げてくる喜びが、ローザの目から喜びの涙を溢れさせる。




「わ…私……今日ほど…今日ほど幸せだと思ったことはありません!!」




嗚咽の混じる声で、ローザは今の心境を言葉にする。

今、これ以上ない程に幸せだと。


そんなローザを祝福するかのように、全ての人々が笑顔でローザを温かく見守るので、あった。

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