魂と儀式

人が亡くなる時

魂はあるのだろうか


無いんだろう


水分と蛋白質の塊が

動かなくなるだけの事


しかしながら


人間であったそれは

心や思想も存在する


そして絆や繋がりも


魂が存在するとするなら

それらを呼ぶのだろう


故人を想う


思い出や出来事

無数の絆の糸が


離別の儀式で

涙と共に固まる


それが魂だ


故人が浮かび上がり

遺されたもの達が


魂を作り出す


立ち上る煙と共に

思いも立ち上る


そして儀式とは


遺された生者

縁を結んだ者たち


その為にもあるのだろう


故人が旅立つための

生者が受け入れる為の


その涙の跡が


魂なんだ

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