まどから
ぺたり座り込む
小さな部屋の
小さな窓から
空を見上げる
涼をとる風鈴
チリリと鳴るその奥
どこまでも延びる
青空と雲が在る
眩ませる太陽の
その下には何が
存在するのか
風鈴が
窓が
部屋が
私が
私の視界には
それしか分からない
でも存在するのだ
他のものを想像をする
自車を置く駐車場が
いつも通る道が
毎日行く店が
顔も分からぬ人々が
街が広がって
道が続いて
境界を超えて
知りもしない光景へ
世界はなんと広いのだろうか
自分はなんと小さいのだろうか
でもそれは
悪いことなのだろうか
人類が叡智を尽くしても
未だ知りつくせぬ世界
人の知識への欲が
それを進ませる
進化とも呼ぼうか
貪欲とも呼ぼうか
でもそれは
良いことなのだろうか
いいや、善も悪もない
ただ事象として
在るだけだから
ちっぽけな私も
読みかけの本も
大きい星も
尽くせぬ宙も
ただ、在るだけ
考える葦として
小さい部屋と脆弱な手で
狭い視野の中で
無限に考えるだけ
何を成そうが
何を逃そうが
存在するだけ
それだけなんだろう
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