帰り道

「うわぁー暗ぇー!」

大学の講義が終わり外にでると完全に夜の世界だった。

「ほんとだね。」

隣で声をあげたのは僕の恋人の双葉だった。

「バスも来ないし歩きだな。」

「仕方無いね でもこれ懐中電灯必須だよ。」

「まぁスマホのライトあるからいいだろ。」

僕たちはゆっくりと駅に向かう。

「寒いねぇー。」

「もうちょっとで11月だしなぁー。冬だよ。」

「それもそっかぁー。」

僕は少し体を伸ばす。

「お疲れですかな?」

「講義聞いてたら腰とか肩がね。」

やっぱり座りっぱなしはしんどいものだ。

「じゃあ肩をもんでしんぜよう 腰は今は無理だからね。」

「あぁ頼む。」

なぜ僕は目先の快楽に向かったのか。

彼女の手が肩 性格には首ら辺に触れた。

「冷た!」

「そりゃ冬だからね。」

手袋するにはまだ早いこの時期、冷えに冷えた彼女の手は僕にとってきつすぎるものだ。

「や やっぱなし。」

「ダメです。ご注文承った私は遂行するのです。」

そういいそのまま揉んでくる。

「肩は気持ちいいが冷たいからやめてぇー。」

なんてじゃれながら僕たちは帰り道を行く。

「あっみてみて夜景綺麗!」

散々な僕に攻撃していた彼女はあっさりとやめ夜景に興味が移ったようだ。

丘の上にある僕たちの学校は下に綺麗な街並みを僕たちに見せてくれる。

「写真撮りたいよな。」

「でも、写真だとこんな風にみえないんだよね。やっぱり肉眼じゃないと。」

「っか前もこんな話しなかったっけ?」

「したような気がする。」

正直いってこの会話は今日入れて3日しかできない。

講義の被りが大きな原因ではあるけど…。

だからこそ一つ一つの会話出来る時間を大事にしたい。

同じ会話もただ時間を伸ばしたいだけのこと。

「そういえば今日みっちょんがね……。」

そこからは今日起こったことを僕に教えてくれた。

でも、そんな時間ももうすぐ終わりを迎える。

「あーあ もう駅に着いちゃったや。」

「そうだな。」

「今日はもうおしまいだね。」

「また明日だな。」

僕と彼女は乗る電車が違う。僕が先に乗るのだ。

「じゃあバイバイ。」

「うん。」

駅のホーム前で少し寂しいがお別れする。

ピシュー。

電車の音がする。

よく見るとそれは僕が降りる場所行きの電車だった。

「「えっ?」」

二人で見合い電車の時間をみる。

出たときには気づかなかったがどうやら遅延の関係で遅れてちょうど今発車したらしかった。

次の電車までまだ時間があることを知った。

「まだ話せるね。」

「うん。」

僕たちはホームの端に行き話を続きを聞くのであった。




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