【詩と随想】愚かなる者の記

無頼庵主人

【随想】水の上を歩く

キリストの弟子ペテロは、

キリストの言葉を信じ、神を信じ、水の上を歩んだ。水は床のようだった。

しかし、風にあおられ、恐怖心にとらわれた一瞬、彼は水中へと投げ出され、溺れかけた。



昨日、友人が離婚したことを知った。

彼らは幼馴染であり、そして、純愛と呼ぶべきものだった。

けれど、彼は「妻の裏切り」にあい、帰郷を余儀なくされた。


人生の大半をかけてきた愛、

それが小さな悪魔によって破壊される。


口内に潮水が流れこんだ彼のかなしみはどれほどのものだろうか。それを思うと、僕自身も荒波にのみこまれそうになる。

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