とある烙印少女 17歳のスティグマ

第40話 夢幻少女の独り言


幻のとある人間が鏡の中で私を呼べば


そこにはいつも間逆の性の私がいる


幻の人間は昔からいた


匿名を余儀なくされた少年なのだ 


過去、彼、他者とともに生き続けて


涙という陳腐で邪魔な液体を


抑えることが出来たはずなのに


心の奥まで正義は私を刺した


何かが壊れていく 


きっと自分の心の中に 


それは死刑囚がいる独房


ただ灼熱の熱さが残った遠い日の砂漠で


自分が行くあてもない旅をして


水晶の巨壁があてもなく続いている 


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