第2話「A◯フィールドこじ開けるみたいに、お嬢様の部屋もこじ開けようと思う。」
普通の静かな町にイメージとはかけ離れた一つの豪邸がありました。あらっ!そこに泣きじゃくりながら家に入っていく一人のお嬢様さまが、そしてその後には一人のメイドが、お嬢様を捕まえようと必死に追いかけています。しばらくして、、あらっ!そして静かな町に似合わない叫び声がこの豪邸に向かって、、え、?。
ドドドドドドドド!!
「ぎゅうぁぁぁあ!あ、ソクゥゥウド落トゥシゥィィテェーー!!」
荷物のように抱えられた俺は鷹橋に危険運転をされながらそう叫ぶ、決死の叫びだ。
「ウルセェ!近所迷惑だろ!!それとこれはいわば自業自得ってやつだ!。」
一体なにが自業自得なのか、正直俺にはわからなかった。なんなら鷹橋がこんな爆速で走っているせいで、俺が叫び、周りに迷惑してるなら、結果鷹橋のせいなのでは?っとすごく思った。がソレも目の前にある事象のせいでそれ以上深くは考えられなかった。
「マジでうるさいから!大体、お前がお嬢様怒らせたんだろが、!!オラァ!豪邸見えてきたぞ!。」
目の前の世界が回転しながらも俺は力を振り絞ってよく見る。
明らかに普通の民家より高い壁。そしていかにも中世的な白と肌色のレンガ壁。少し先に黒色のどでかい柵状の扉が見えるどうやら入り口は一つしかない。うん、間違いなくルカの家であることは確かだな。
「ついたっ!」
どでかい門につき、鷹橋は靴では決してならないブレーキ音を鳴らし、空いた左手でレンガについてある場違いな色のチャイムを鳴らした。
キンコーン。キンコーン
鷹橋は思った。
普通のピンポンとは違って豪華なピンポンが鳴る。よくよく見ると、壁の上にも黒色の柵がある。東から出る太陽の光がでかい門と奥にある屋敷を照らし始める。まだ朝の6時くらいだ。普通の人は寝ている時間。なのに暁の周りはなぜこんなにも騒がしいのか、、、徹夜を得意とする暁や、仕事柄のナミ、鷹橋などは早起きなどに慣れているが、恐らくお嬢様である。ルカは今日を待ち望んで早く寝たのだろう。そして、豪邸の中から朝6時とは思えないくらい騒がしい様子が伝わってくる。門から豪邸まで数十メートルあるが声が聞こえてくる。一体どんな声量で叫べばそんなに聞こえるのだろう。豪邸の明かりがついたり消えたり、を繰り返し、その風景を鉄の柵状の門の隙間からいや,そんなことはどうでもいい。問題はピンポンから20秒経っているのに、返事が返ってこないということだ。
キンコーン。キンコーン。
鷹橋もう一度チャイムを鳴らしてみた。が、帰ってくるのは豪邸からの声程度で沈黙という言葉に等しいようだった。
鷹橋は暁が行かなかった理由はこれだ。となんとなく察した。
「おい、暁、、起きろ!暁!」
「んぅぁ、?なんだよ。家に着いたか?」
俺は鷹橋の乱暴すぎる運転に疲れが出てしまっていたので、流れるように寝てしまっていた。
全くひどい運転だった、。意識飛ぶかと、、、まてもしかして寝ていたんじゃなくて意識飛んでたのでは?!。
「大丈夫かぁ?、、。」
「いや、多分お前のせいだよ。で、なんで起こされたし俺?。」
起こしてくれた、の方が正しいかもしれないが,,,。
「いやさ、なんだかチャイムを押しても帰ってこないから。」
「はぁ〜、、。鷹橋は耳を澄ませてみろ。」
「あ?、あぁ。」
鷹橋は俺の言った通り家、というか本館の方へ
聞き耳立てる。
俺も少し耳を傾けてる、
すると聞こえてくる。騒音が、ガッシャーン、パリン、ドドン、ガタガタ、バンっ!様々な音が本館から聞こえてくる。門と多少距離があるためここからだと、小さく聞こえるが実際のところは想像を絶するレベルでの騒音だと言うことが、俺と鷹橋には理解できている。
「、、、なにやっているんだ?。」
鷹橋な引き気味でそう呟く。
「ルカお嬢様を捕まえているのさ。ルカはああ見えて逃げるのが上手いからな、。」
鷹橋の呟きに対して俺は正確に答える。
「、、でも部屋に入ったら多分、、。」
「捕まえるもなにもない。、、、相手さんはそれがわかってるから、ルカお嬢様を部屋に入れないように阻止してるんだよ。まぁ、これに限ってはいつもルカが部屋に入ってるから、阻止できたことは一度もないがな。俺の知ってる限りは。」
全く苦労人だ。ルカはそうたとえにするなら、走り回るタイフーンと行ったところ、まぁ暴走時に限るが。
「つまり、ドロケイしてるってことか、」
「そ、何人かが部屋の中、部屋周りを守って残りがお嬢様の捕獲。ちなみにナミは防衛係。」
「なんでだ?。ナミさんハンターなんでだろ?」
、、、、。
「なぜ知ってるし、。」
「本人が言ってた。で、なんで防衛なんだ?」
俺はナミさんのことがよくわからなくなった。ナミさん的にはソレ名誉なのかもしれないが、、。いや、本人が満更ならいいや。
「ちょっと聞き齧った程度でだが、どうやらルカお嬢様は狭い通路などを通ることがあるから、ナミさんがもし追う側だったら狭い通路とか行けないからルカお嬢様がフリーになる。他の使用人はナミさんほど捕まえるのが上手くないから、ナミさんが来るまで大幅に戦力が低下する。それなら、防衛にナミさんと、少数追うのに多数を使うのが効果的だからだろ。」
「お前のその観察能力と説明には恐れいるよ。」
鷹橋が冷した顔でそう言う。
「そりゃどうも、さ、俺を家に運んでくれ。」
入らないことがわかった以上、ここで待っているのも時間の無駄だ、それならさっさと自宅へ帰らせて欲しいが、、現在俺は靴を履いていない。ので、癪だが鷹橋に頼む。
「、、っくやしいがお前のい言う通りだな、下ろしてやるから、一人で歩いて行け。(運ぶのだるい。)」
は?
「いやいや,自分で運んだんだから、自分で戻せよ。(お前の方が足速いだろ。)」
俺が今靴なしであると言うことを考慮して言ってんのかコイツは?。
『、、、、、、、』
お互いに顔を見合わせて真顔になっている。そして、なんとも言えない雰囲気をぶち壊すかのように、
[ピッ、]
「す、すみません今から向かいます。」
沈黙が続いていた、インターホンからさっきのうるささが嘘のような静かな音と、疲れたような声が聞こえた。
そして耳をすませばわかる本館が静かになったと、、、。
「終わったか、」
「また、負けたんだな。」
そう、俺達はまるで結果がわかっていた観客のような温かな視線で、本館を見る。
「なぁ、話変わるがなんで俺部屋着姿なのに、連れてきた?。靴すらねぇんだが、、。」
「す、すまん。」←届け物する時によく部屋着の暁を見ているので慣れてる人。
そんな会話をしていると奥からボロボロのメイド服の女性がやってきた。しばらくしてそれがナミだとわかった。
「若葉様。、、鷹橋様。も、ご足労いただきありがとうございます。」
柵型の扉越しにナミが挨拶をした。
「なにがあったら、そんなにボロボロになるんですか、ナミさん」
鷹橋が驚いた顔でナミさんにそう問う、あぁそっかこれ初めて見ると確かにインパクトあるなと俺は思った。
「うーん、今回も激闘だったようで、早く着替えていつもの綺麗なナミさんに戻ってきてくださいねー。」
俺は世辞でそう言う。
「きっ綺麗?!」
「えっと、(この暁)どうしたらいいですかね?。」
ナミが頰を赤らめてるのを無視して、鷹橋が言った。確かに今俺を抱えているのは鷹橋はだから、主導権は高橋にあってもおかしくないか、、、
「、、、はっ!。い、いえ、今回は本館の方は損傷軽微でして。このまま、お嬢様解放と行きたいと思います。」
ナミさんは赤くなっていた顔を元に戻し、いつも通り凛とした態度でそう言う。しかし疲れが抜けていないことが声のトーンでわかる。
(お嬢様解放、、、、、)
とか、思ってそうだな鷹橋、俺も最初はそんな顔でそんなこと思ったよ。
「いつも掃除してくれたりしてもアレなのに、今回はよく最小限に抑えてららましたね。」
俺が向こう側にある本館を遠目で見ながらそう言う。
「はい。今日はある意味ツイてます。お嬢様様に回避された挙句窓から落ちて茂みでボロボロになることをのぞけば。」
前言撤回、何にも最小限じゃなかったわ。
「、、、、、、で、ナミさんは今日はボロボロ状態で来てるのは、、、。(知りたくなってきた。どのくらい酷いのか、)」
鷹橋がありがちな疑問をそのままナミさんへ言う。
「それは、ワタクシ共使用人の都合でお客様をお待たせするわけには行きませんから、いつもはお屋敷の後片付けと、ワタクシ共使用人も万全の体制ですが、せっかく待ってくださったので、最低限のおもてなしで。」
ナミはボロボロではあるがきちんとメイド服を使った礼をした。もはや職人魂。
「な、なるほど」
鷹橋は驚き気味でそう言う、精神に感服したのか、はたまた別なのか、、。
「それとルカの親が結構な親バカで1時間部屋から出ないだけで、、、あ、いや,やめておこう。思い出すのも嫌になってくる。」
ご当主は優しいのか、優しくないのかよくわからない人だからな。部屋に篭ったら、途端に弱くなり、早に篭っていたないルカに対しては無類に強い。、だな、一度親バカモードに入ると、、、、、、。
「そ、そうか。(知りたいけど、知りたくない。)」
鷹橋は察してくれたようで、深く詮索しないでくれた。
「あ!、ナミさん。すみませんが、俺の靴持ってきてくれますかね。?」
ナミさんは俺の足を一瞬みて、状況を察したようで、
「承知しました。」
っと言うと、急いで屋敷の方に戻った。
「なんで、ここにお前の靴があんの?」
鷹橋がそう聞いてくる。
「たまに、こういう風な状況があるから、使用人たちが俺のために靴を用意してくれるようになったんだ。お嬢様解放のお礼で。」
「お前、愛されてんのな。」
そうして話を終わろうとする鷹橋、、。が逃さない。
「今回のは俺に靴を履かせなかったお前が正真正銘に悪いけどな。」
「うッ、すまんて。」
そんな会話をしているうちに目の前の扉が奥へと大きく開いた。俺たち(鷹橋)は目の前に広がる。本館までの石レンガでできた道を歩いていく、
「、、、、」
真顔の鷹橋をみた俺が少しため息を吐き。
「鷹橋驚くところだぞ。」
と言った。
「あ、あぁ!めっっっちゃ広いな!」
(平民っぽくしようとしてるがたまに素が出るからな。)
細かくない?っと思われるが鷹橋自身が、俺に「平民ぽく振舞えるようにアドバイス)を頼んでいるので問題なし。
「俺はもう見慣れたよ。」
遠い目をしながらそう言う俺,
「、、何回、お嬢様解放したんだ?」
唾を飲み込み、鷹橋はそう聞いてくる。
「、、、50は超えてると思う。」
「ひえっ、」
「まぁでも、それだけじゃなくて普通に遊びにくることもあるからな。」
主にルカが理由で、、、。
そこからは特になにもなく。道には大きなバラ園、噴水、ガーデン、ブランコなどがあり、いかにも豪邸という感じがしていた。暁はこの風景を飽きるほど見ているが鷹橋はキョロキョロしていた、それは見慣れないものが多いという平民風を装いたいからではなく。
「なぁ、庭は荒れてないんだな。」
「まぁ、正面は滅多に荒れないな。」
「、、、、正面は?、、じゃあ裏は?」
「あぁ、裏庭はよく荒れてるぞ。ここが荒れないのは使用人命懸けの死守によって。」
何回か見たことあるが、庭師が可哀想だとしか、。逆にソレ以外コメントがないくらいひどい、、、、。
「ここの使用人ブラック過ぎんか、」
それはそう。
「でもその分給料高いとナミから聞いたことあったぞ、確か、初任給が〜〜〜だとか。」
「マジかよ。うちでもそんなに出さないぞ!」
それはそうだよ、じゃなきゃ割りに合わんだろ。っと俺は心の中で突っ込む。
「だから、体力は使うげど、めちゃくちゃホワイトだぞ。」
前にご当主に働かないか?っと聞かれたが体力がないからと言う名目で断ったことを思い出した。改めて。、働かなくてよかった。
「俺もそっちにしようかな。」
、、、、鷹橋なら確かに適任かもしれないがーー。
「礼儀作法知らんお前ができるとは思わないし、ここめっちゃ面接とか、試験がむずいってナミから聞いたぞ。」
「げっ、マジかよ。お前のコネでなんとかなんない?」
人をなんだと思ってんだコイツ。
「あー。できなくない気がするけどやめとけ。金持ちが他の金持ちの家に行くとか。」
洒落にもならんし冗談にもならん、ていうか絶対面倒ごとが起こる。俺はそう思った、実際に鷹橋もそれとなく察して、、、
「あー、、、やっぱやめよ。」
っと言った。
「ああ、そうしとけ」
そんなくだらない会話をしていた俺達は豪邸の扉まできた。濃いブラウン色の扉で本当にゴージャス感がある。しかし、よくみるとドアノブは多少汚れており、他にも目立たない傷が付いていたりする。犯人は語らずとも分かることだった。
コンコン。
担がされていた俺は手を伸ばし、扉をノックした。
「お待ちしておりました。」
扉が開くとナミさんが待ち構えていた。さっきより多少綺麗になっている。
「若葉様。靴はそちらに」
ナミさんが、手を地面に向けていたので追ってみると、靴が確かにそこにはあった。
「おーありがうございます。」
「えと、お邪魔します。」
鷹橋が丁寧に俺を下ろし、足元にあった靴を俺は上手く履く。
内装は中央の天井から吊り下がるシャンデリアが一つ、蝋燭ではなく電球式だ、地面は大理石のような綺麗な石を使用しているように見える。そしてレッドカーペットがある。
「では、こちらに、、」
ナミさんの案内で、目の前にあった大きい階段を上がり右通路に向かった。左通路もあるようで主にここの大階段で2階に上がるのが基本らしい。廊下を歩いていると、青い花が飾られていり、少女絵が少々飾られていたりしていた。
「なぁ、あの絵って。」
「あぁ、ルカの絵だよ。言ったろ、親バカだって。」
にしても、また肖像画変わったな。
「私たちもお嬢様のことを大事に思っているのですよ。お嬢様はとてもお優しいお方なのですから。」
「オヤサシイ?」
うん、、そんな反応になるのもわからんでもない。
「ちょっと破天荒なところがあったりするが、それを除けば普通。だと思う。」
俺もなんだが不安になってきた。そのため、否定はしなかったものの断言はできなかった。
「あの花は?」
「あの花はカーネーションです。意味は『永遠の幸福』ご当主様がお嬢様のために買って下さった花です。」
「しかも、ルカの髪の色と同じ青いカーネーション。親バカっぷりが見てとれる。」
「はえ〜。」
そして進んでいた俺たちは段々と通路が汚れてきているのに気づいた。
「なんか、ここら辺めっちゃ汚れてない?」
鷹橋がそう俺たちに問いかける。
「あーまぁ、もうすぐルカの部屋だからな。」
「そうですね。」
(え、納得なの?)
そしてさらに進んでいくと、1人の男性が汚れひとつない綺麗な扉の前で祈りながら泣いている姿が見えてきた。
「ご当主様、、若葉様を連れて参りました。」
ナミさんはご当主に一礼して、なにも問わずそう言う。
「っ!!、若葉くん!」
「ども、」
ご当主は立ち上がりずんずんこちらに進んでくる。そして俺の両手をとり、
「その、今回も頼む、。」
泳いだ目をしながら俺に頼んできた、誠意は本当らしいが、、、
「いや、俺も今回の原因みたいな感じなので、頭あげてください。(おい、目を背けるなご当主。)」
「いや、元はと言えば私の教育が良くないのだ。いくら可愛いとは言え、なんでも叶えるのはあの子のためではないと、だが、」
「ハハハ、簡単に許しちゃったんですね、また。」
機械のような口調で俺は遠い目をしながらルカの部屋を見て言う。
「ぅっ、す、すまん。」
「謝るなら、次のRGプラモください。それでチャラで、」
(それでチャラって、こいつが原因だろ。)
っと思う、鷹橋。
「ありがとう。いくつ欲しい?」
ご当主は胸元からメモ帳とペンを取り出し、書く準備を万端にする。
「じゃあ、4つで。(用意周到、だな。)」
「わかったすぐ手配しよう。」
「どうも、じゃあなる早で終わらせてきます。」
そう言い俺はルカの部屋へ向かう。
「、、いつもあんな会話を。?」
鷹橋がナミさんへそう聞く。
「ええ、いつも。」
ナミさんはまるで慣れているように言った。そして鷹橋は頭を抱えた。
「それではワタクシたちは離れていましょうか、」
ナミさんが鷹橋と、ご当主を連れて扉から離れていく。
「そうだ、せっかくきてくれたのだ、朝食を食べていかないか?。」
そこはご当主が参戦、鷹橋を朝食へ誘う。
「あっ、いいんですか?」
鷹橋はただ飯が食えると思い、聞く。
「もちろんです。」
「なら、バイトを終わらせてきてからでも、」
鷹橋がそう言う、そしてそんな楽しそうな会話を無視して、俺は仕事に取り掛かる。
コンコン。
扉をノック。なにも起こらない。
コンコン。もう一度ノック。
「、、、、ルカ、いるだろ。」
扉の向こう側から何かの音が聞こえた。そして、足音が少しずつこちらに近づいてくる。
「ルカ、俺が悪かったから、出てきたなさい。」
、、、、、、
「ダンマリか、仕方ない。いつもの方法でやるか、」
そう暁が言うと、廊下を走り去って行った。
[10分後。]
「ハァ、ルカ、最後の警告だ、俺は時間をかけるのがものすごく嫌いだ、1分でできることを3分や5分に伸ばすことはもっと嫌だ。だから手っ取り早い早くやる。」
ギュルルーン!ギュルルーン!
俺は手に持っていたチェーンソーに電源を入れた。
「っ?!」
扉の向こう側から明らかに動揺した音が聞こえた。よし、
「今までは鍵やら、使っていたがこの扉には鍵がない。恐らく鍵がないお前が取る方法といえば、使用人や、ご当主にとって不利な条件を出したんだろう。たしかに鍵でこじ開けられる方が正確で楽だと、しかし、不利な条件はそれ以上だと思う。まぁ、十中八九、この家を出て行くだとか、自害する。だとかだろ。最後のは流石にありえないとしても、お前を信じている奴らには効果的面だろうな。だが、俺から言わせてもらう。鍵がないなら、ぶち壊せばいい。開けられないなら、ぶち壊す。それが俺流だ。言っとくが俺はお前が部屋から出ないというのを理由に扉を壊す。あのご当主様なら、娘を出してくれたのだから結果オーライだろう。請求料は恐らくお前の食事代とか、おやつ代とか、から引かれるだろうな、、、もしかしたら、買ってもらったものを没収ってこともなくはないかもな、あの親父さんは普段お前に優しいが怒るとめっちゃ怖い。そうだろ。俺はあの親父さんがどうやったら怖くなるのか知らないけどな。さて、ルカ天秤にかけろ、扉の請求料をお前のおやつ代から差し引かれるか、今出てきて、和解するか、ちなみにさっきも言ったが、無駄に時間かけるのは俺の好みじゃない。1秒以内に答えろ。」
俺はかなり厳しめな態度でルカを脅迫する、正直言おう、最初は強めの方がこういう子は出てきやすい。
「ごめんなさーーーい!!!」
ルカは俺の言葉を聞いた瞬間部屋から泣きながら飛び出してきた。
うん、、ね、言ったでしょ?。
「うぅ、おやつ代から差し引かないで〜。」
決めてそこか。
「ちょっと手荒だったが、悪かったなお前の話聞いてやれなくて、」
俺はチェーンソーを床に置いて、ルカと同じ背丈くらいまでかがんだ。
「うぅぅん。ルカがお兄ちゃんの言うことちゃんと聞いてなかったり、すぐダダこねたりするのが悪かったの。」
、、まぁ今回は俺も加害者だしなぁ〜、。
「、、、、で、今ここで聞いてやるから、なにしたかったんだ?ゲームで?」
「あ、その。お兄ちゃんと一緒にげ、ゲームをしたかったの、お兄ちゃんいつもプラモばっかりであんまり私に構ってくれなかったから、ごめんなさい。」
「、、なるほどね、ま、時間とってみるよ。俺、成績いいし、」
プラモデル時間とルカのゲーム時間、両方取らなきゃいけないとなると、もう少し頑張るしかないかぁ〜、、、。
「本当!?」
「あぁ、約束する。」
でもまぁ、いっかっと思いながら俺はそう約束する。
「やったー!!」
ルカは俺に抱きついた、そして俺勢いのままルカの頭を軽く撫でた。そして
「確保。」
「え?、」
「これからご当主様に連行するから、」
「ふぇ、、でも、」
「それはそれ、これはこれだ、みんなに迷惑かけたんだから、落とし前は、しっかり、つけなくちゃ、なぁ〜、ルカ。」
「ふ、ふぇぇぇぇん。」
「ホイホイ、泣いてる暇ないぞ。っと、、」
そう言うと俺はルカをお姫様抱っこした。
「きゃっ?!」
「歩いていたら、余計に時間かかるから、許せよ。(お嬢様を担ぎ上げるわけにはいかないからな。)」
「うん。、、、\\\\\\」
俺は汚れた廊下を赤面したルカをお姫様抱っこしながら、ご当主様に連行した。
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