第541話 エンターテイナー殺しの罠!?

「倒したのか?」


「わたくしの電球が、倒したと言っているのです」


「あの尾ビレのおじさんがいた場所は『像ごっこ』状態になっていなかったのか」


「はい、そのようなのです」


「そうなのか」


「変な体ねッピ」


「まったくねニャ」



「これで食べられるキュ!」


「さっそく食べるでゴザル!!」


「あっちのは食べられるのキュ?」


「あれも食べられるでゴザル」


 あの白い立方体も食べられるのか。


「では、両方とも料理しましょうか」


 リリィさんがおじさんの消えたマグロを、チェーンソーで切り始めた。



「社長、ステータスウィンドウせんべいとエクスレトがありましたよ。どうぞ」


「ああ、ありがとう、コロモ」


「こちらが魚のものですね」


 コロモがステータスウィンドウせんべいを差し出してきた。


 レベル二兆五千億。

 ステータスは攻撃力と防御力が高めで、頭脳が低め。


 特殊能力は『像ごっこ中は攻撃が効かなくなる能力』『体のどこかに人間の上半身を出す能力! 千五百体限定です!』『像を出す能力』『空を飛べる能力』『体のどこかに人間の足を出す能力! ひと組限定です!』か。


 変なものが大量にあるなぁ。


「こちらは立方体のものです」


 レベル三千億。

 ステータスは防御力が高め。


 特殊能力は『像ごっこ中は攻撃が効かなくなる能力』『体のどこかに人間の手足を出す能力! ひと組限定です!』か。


 こいつも像ごっこは無敵なのかよ。


 面倒なヤツ、多すぎだろ。


 エクスレトを取り込んだ。

 レベルは上がらなかったようだ。



「できましたよ」


 リリィさんが調理台に皿を並べた。


 そこには、ミルクソースのかかったコーヒーゼリーのようなものが盛り付けられていた。


「リリィお姉さん、これは何キュ?」


「魚のような敵を砕いて固めたものに、白い四角の敵を砕いて作ったソースをかけたものです」


 豪快な料理だなぁ。


 では、食べてみるか。


 いただきます。


 見た目通り、ミルクソースのかかったコーヒーゼリーだな。


 なんでおじさんの消えたマグロと白い立方体が、どうしてこうなったんだ?


 まあ、いいか。



「ごちそうさま、リリィさん。美味しかったよ」


「お粗末様でした」


「では、食休みをしたら、上に向かおうか」


「了解であります!」



 二六階にやって来た。


 周囲は薄暗い。


 大きな黒いカーテンのような布が天井から垂れ下がっている。


 少し先に、明るい場所がある。


「なんだここは?」


「わたくしの電球が、ここは舞台袖だと言っているのです」


「じゃあ、あの明るいところは舞台なのか?」


「はい、その通りなのです」


「妙なところねッピ」


「そうねニャ」



「舞台、それはエンターテイナーの見せ場ざます!! さあ、ヒモノ、舞台に立つざます!!」


「なんでだよ!?」


「エンターテイナーだからざます!! さっさと行くざます!!」


「仕方ないなぁ。ちょっと行ってみるか」



 舞台に上がってみた。


「「「「「きゃああああああああああああああああっ!!!!!!!」」」」」

「「「「「ひぎゃあああああああああああああああっ!!!!!!!」」」」」

「「「「「うぎゃあああああああああああああああっ!!!!!!!」」」」」

「「「「「もぎゃあああああああああああああああっ!!!!!!!」」」」」

「「「「「ぐあああああああああああああああああっ!!!!!!!」」」」」


 突然、観客席の方から、割れんばかりの歓声が上がった。


 だが、観客席には誰もいない。


 誰も座っていない赤い椅子が並んでいるだけだ。


「えっ!? ナニコレ!? どういうこと!?」


「わたくしの電球が、これはわなの一種だと言っているのです」


「ああ、こうやって驚かせるのか」


「はい、それともうひとつあるのです」


「それはなんだ?」


「ここで何か芸をしてみるのです」


「芸ざますか! これはエンターテイナーヒモノの出番ざますね! さあ、やるざます!!」


「いきなり何言ってんだよ!? そんなの用意してないぞ!?」


「それでもやるざます! それがエンターテイナーざます!!」


「ええ…… そんなこと言われてもなぁ……」


 何も思い付かないぞ……



「ヒモノさん、こうなったら、ここで派手に雌たちと生殖活動をしましょうでございます!!」


「何言ってんだよ!? ここをそういう舞台にする気か!?」


「さすがはハーレム王、派手で芸術的だねでロロ~!」

「これもメモしなきゃねでアメ~!」

「さすがは本物の男だなでルーア!」

「では、始めましょう! まずはワタクシから参りますわ!!」


「何言ってんだ!? するわけないだろ!?」


「あまりにも不潔ですね! 洗浄します!!」


「超スペシャル私様能力セットもプレゼントするでござんす!!」


「「「あああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」



 セレンさんたちにおしおきされた直後、突然、歓声がやんだ。


「なんだ!? いきなりどうしたんだ!?」


「これがもうひとつのわななのです」


「えっ!? どういうこと!?」


「ここで芸をすると、歓声がやむのです」


 あのおしおきは芸だったのか!?


 まあ、どうでもいいか!


「ふむ、なるほど、そうやってエンターテイナーたちに、精神的なダメージを与えるわけざますね!」


「はい、その通りなのです」


「卑劣な罠ざます!!」


 確かにそうだけど、ここにエンターテイナーがやって来るのだろうか?


 これも低クォリティトラップなのかな?

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