第520話 リアクションチャレンジ?

「描き終わったでごじゃんす!」


「そうなのか? じゃあ、見せてくれよ」


「構わないでごじゃんすよ」


 アーティがキャンバスをこちらに向けた。


 遠目で見ると、青い輝きがたくさん描かれている幻想的な絵だ。


 近くで見ると、昆布、こん棒、細かい根が描かれているのが分かるけどな。


「ふむ『オスリルコン』で作られた『オスリルこん布』『オスリルこん棒』『オスリルこん』という超ハイレベルなダジャレが、実によく描けている傑作ざますね!!」


「くだらんダジャレを二度も言わなくて良いっての!!」



「さて、聖輪ハーカバチョッコウを作ろうか」


「またお風呂で、雌の出汁を取るでヤンス」


「では、準備しましょうかッピ」


「ちょっと待ったでナンス!」


「なんだよ、イアーユさん?」


「近くにもっと良い場所がある気がするでナンス! そこに移動しようでナンス!!」


「なんだよ、良い場所って? また寝室か?」


「行けば分かるでナンス! 早く行くでナンス!!」


「はいはい、分かったよ。では、行こうか」


 俺たちは部屋を出た。



「あの部屋でナンス!」


「そうなのか。では、入ろうか」



 中に入った。


 そこには、またキングサイズの天蓋付きベッドが大量に置いてあった。


 床には赤い絨毯じゅうたんのようなものが敷かれている。


「おおっ、素晴らしいでナンス!!」


「宝の山ですねでナス~!」


 イアーユさんとヴィーミラが、ベッドにダイブした。


 やはり寝室だったか。



「ヒモノさん、奥にふたつ部屋があるみたいよッピ」


 ああ、確かにドアがふたつあるな。


 何があるのだろうか?


「あそこは安全なのか?」


「わたくしの電球が、危険はないと言っているのです」


「そうか。では、ちょっと見てみようか」



 ドアを開けてみた。


 そこは、教会みたいな場所だった。


 白を基調とした厳かな感じの場所だな。


 結婚式もできそうだ。


「ここはなんなのでヤンス?」


「なんだか神聖な感じがする場所ねッスわ」


「ふむ、実に素晴らしい場所でございますね」


「何がだよ?」


「ここで結婚式をして、隣の部屋で生殖活動をするわけでございます! 素晴らしく機能的な場所でございますね!!」


「そういうことかよ!?」


「あまりにも不潔ですね! イリーセさん、お願いします!!」


「了解でござんす!!」


「「あああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」


 鼻の両穴を鼻フックで引っ張られた。



「ヒモノさんの住んでいたところでは、こういう場所で結婚式をするのねッピ」


「なかなか良いわねニャ。わらわとヒモノの結婚式は、こういう場所でしましょうかニャ」


「あっ! 服のデザインを思い付きましたよ、社長!!」


「えっ? まさかウェディングドレスにする気なのか?」


「はい、その通りです!」


「ふむ、名案でございますね! ここで雌たちと結婚式を挙げて、すぐさま生殖活動をしましょうでございます!!」


「服や体がまったく傷付かないハサミを持った生物をどうぞでござんす!!」


「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」



 もうひとつの部屋に入ってみた。


「ここは浴室みたいだな」


 ここも広くてゴージャスだなぁ。


「あっ、ヒモノさん、またいるわよッピ!」


「えっ? あっ!?」


 腰くらいまでありそうな長さのストレート赤髪。

 赤眼。

 身長高め。

 勝ち気な印象を受ける整った顔立ち。

 白く美しい肌。

 スタイル抜群。

 白いキャミソールドレスを着用。


 浴槽の中に、このような姿の美女がいた。


「ようこそ、私の『アビャニャビャピピポ』へビャニャ」


「もしかして、あなたも『ニョビョニュビュニャビャ』なのですかニョビョ?」


「そうだビャニャ」


 またいるのかよ!?



「君はここで何をしているんだ?」


「挑戦者を待っているのだビャニャ」


「また特技を見せれば良いのでヤンス?」


「ならば、またヒモノさんに『生殖能力を超強化する能力・Z・E』を使用しましょうでございます!」


「やめろ!?」



「いや、それは違うぞビャニャ」


「えっ? なら、何をすれば良いのでヤンス?」


「題して『アビャニャビャピピポ入湯リアクションチャレンジ』だビャニャ!!」


「なんだそれは!?」


「名前通り、アビャニャビャピピポに入って、リアクションを取るのだビャニャ! それが面白かった場合は、超豪華賞品をプレゼントしようビャニャ!!」


 なんじゃそりゃぁっ!?



「超豪華賞品って、なんなのでヤンス?」


「食べ物なのキュ!?」


「そこは秘密だビャニャ」


「まさか『アビャニャビャピピポに入る権利』じゃないでしょうねニャ?」


「な、な、な、なんのことだビャニャ!? そこは秘密だぞビャニャ!!」


 分かりやすいなぁ……



「面白そうざます! ヒモノ、やるざます!!」


「ええっ!? なんでだよ!?」


「修行のためざます!!」


「ええ…… 気が進まないなぁ……」


「いいからやるざます!!」


 面倒だなぁ……



「ああ、それから、この部屋の壁や床に激突しても、ケガはしないぞビャニャ」


「えっ? なんでだ?」


「ニョビョニュビュニャビャである私の力だビャニャ」


「そうなのか」


 そういう特殊能力なのかな?


「それなら、安心してリアクションできるざますね!」


「ああ、その通りだビャニャ。思いっ切りやってくれビャニャ」



「それと、衣装を用意してあるビャニャ。好きなものを着てくれビャニャ」


 突然、俺たちの前に、さまざまな服が現れた。


「これも君の力なのか?」


「ああ、その通りだビャニャ」


 いろいろと変なことができるんだなぁ。

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