第512話 カッコイイ、美しい、危ない、赤い、青い……

「ヒモノさん、そろそろ上り階段に着くのです」


「いつものは?」


「いるのです」


「なら、偵察用鳥類を飛ばすッスよ」


「ああ、頼むよ、トーリさん」


 偵察用鳥類が飛んで行った。


 俺たちは地上に下りた。



「こいつが今回のミョガガベッスかね?」


 ジャガイモのようなものから人間の手足が生えている。


 足はひと組だが、手は四組ある。

 手足は筋骨隆々、小麦色、無駄毛はない。


 アニメやゲームに出てきそうなカッコイイデザインの両刃の剣。

 ダイヤモンドで作られているように見える美しい杖。

 チェーンソー。

 ルビーのようなもので作られた棒。

 サファイアのようなもので作られた棒。

 黒い棒。

 茶色い棒。

 黄色い棒。

 これらを一本ずつ手に持っている。


 偵察用鳥類の画面に、このような姿の化け物が映っていた。


「はい、そうなのです」


「かなり大きいみたいねッピ」


「わたくしの電球が、ミョガガベは全長百メートルくらい、持っているものは長さ五〇メートルくらいあると言っているのです」


「そんなに大きいのか」



「むむっ、あれはもしやアレざますか!?」


「なんだよ、ユモア?」


「あれは『イモ』が『カッコイの』『美しの』『危なの』『赤の』『青の』『黒の』『茶色の』『黄色の』を持っているというすさまじく高度なダジャレざます!!」


「くだらなさすぎる!? 無理にダジャレにしなくていいっての!!」


「お断りざます!!」


「ええ……」



「ヒモノ隊長、炎魔法をぶっ放したいであるます!!」


「あいつは食べられるからダメでゴザル!」


「他の手を考えるキュ!」


「それに、こんなところで炎魔法を撃ったら、火事になりそうでヤンス」


「階段の周囲は、植物が生えていないから、その心配はないみたいッスよ」


「そうなのか」



「なんか霧みたいなのが出て来てないニャ?」


「出て来ているわねッピ」


 確かに偵察用鳥類の画面が、白くなってきているな。


「これは、あのミョガガベが出しているのッスわ?」


「わたくしの電球が、その通りだと言っているのです」


「ということは、これは『イモ』が『濃いもや』を出しているという超高度なダジャレざますね!!」


「わたくしの電球が、もやは薄い霧のことだから、濃いもやというのはおかしいと言っているのです」


「ということは、あれは濃霧だから、ダジャレにはならないな」


「細かいことは気にするなざます!! ダジャレファーストざます!!」


「なんだよ、それは!?」


「ダジャレを最優先すべきということざます!」


「そんなことしなくていいっての!!」



「ミョガガベが見えなくなっちゃったッスね」


「ああ、偵察用鳥類に気付いて、対策を打ったのかな?」


「わたくしの電球が、その通りだと言っているのです」


「そうか。情報戦の対策もしてあるとは、なかなかやるなぁ」


「そうッスね」



「ヒモノさん、これからどうするのッピ?」


「うーん、そうだなぁ……」


「ヒモノ隊長! やはりここは炎魔法をぶっ放すしかないであるます!!」


「黒焦げになって食べられなくなるから、ダメに決まってるキュ!!」


「その通りでゴザル!」


「なら、どうするであるますか? 代案を出すであるます!」


「炎じゃなくて、風魔法にするでゴザル!」


「それなら、食べられそうキュ!」


「いや、風魔法を撃っても、倒せないんじゃないか?」


「そうねニャ。霧くらいは吹き飛ばせるでしょうけど、あの巨体には効かなさそうよねニャ」


「そこはやってみなければ分からないであるますよ!」


「まあ、確かにそうだな。では、やってみようか」


「了解であるます! ふひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ……」


 うれしそうだなぁ。



「全力で撃つために、オムツを履くであるます!」


「ヘブリザギオエーゼ・ダイジィコを使うつもりなのか?」


「その通りであるます!」


「では、オムツをどうぞ」


「モザイクの衝立ついたてを用意したであります!」


「ありがとうであるます、コロモ隊員、マモリ隊員!」


 マオンがオムツを持って、モザイクの中に入って行った。



 モザイクから出て来た。


「履いてきたであるます! さらに、ショーオちゃんを装着するであるます!」


「面倒なので、お断りしたいですトーラ」


「そう言わず頼むよ」


「仕方ないですねトーラ」


 マオンがショーオちゃんを装着した。



「後は、キィリ隊員とマーナ隊員も協力して欲しいであるます!」


「了解したのじゃ~」

「分かったでち!」


「あっ、それから、魔法を撃つのに、最適な場所を調べて欲しいであるます!」


「分かったのです。案内するのです」


「ありがとうであるます! これで完璧であるます!!」


 ちょっとやりすぎな気もするがな。



 最適な場所に移動した。


「では、始めるであるます!」


 マオンからブバッという大きな音が聞こえた。


「ショーオ・テアレイトーラ・フゥヴァであるます!!」


「金剛力付与をかけるのじゃ~」


「私の準備はできているでちよ!」


「では、いくであるます!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!! くらいやがれであるますっ!!!!!」


 マオンがそう叫んだ直後、すさまじい強風が発生した。

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