第411話 帝都?

「な、何よ、あれルレ……」


「まさかあれが帝都なのクテェ……」


 前方にガレキの山と思われるものがあった。


「もしかして、あそこが目的地なのか?」


「た、多分ルレ……」


「信じたくないけど、おそらくそうクテェ……」


「そうなのか……」



「どうする? あそこに行ってみるか?」


「気は進まないけど、確認しないわけにもいかないわよねルレ……」


「そうねクテェ…… 行ってみましょうクテェ……」


「ああ、分かったよ」



 ガレキの山の近くに下り、人類に戻った。


「ヒモノ殿、いつものモザイクはどうするでありますか?」


「そうだなぁ。人がいるかもしれないし、使ってもらおうかな」


「了解であります」


 俺たちは目立たないモザイクに包まれた。


「ヒモノさん、これは何ルレ?」


 能力の説明をした。


「変わった能力が使えるのねクテェ」



「では、ここを調べてみるか」


「ええ、行きましょうルレ」



 ガレキの中には石材、レンガ、木材のようなものがあるようだ。


 やはりこれは、家が壊れたものみたいだな。


 割れまくっているけど、石畳の道のようなものもある。


 ここはかなり栄えた町だったみたいだな。


「見覚えのあるものが、たくさんあるわねルレ……」


「そうねクテェ…… やはりここは帝都みたいねクテェ……」


 ルレテースとクテェルカの目から、涙がこぼれている。


 心が痛すぎる……



「あっ、ここはルレ……」


「そ、そんなクテェ…… ううう……」


 ルレテースとクテェルカが、ガレキの前で泣き出した。


「ここは?」


「ここには、お世話になっていた人が住んでいたのルレ……」


「そうなのか……」



「ヒモノさん、わたくしの電球が、ここに生存者がいると言っているのです」


「えっ!?」

「本当にルレ!?」


「はい、本当なのです」


「どこにいるのクテェ!?」


「ここには地下室があって、その中にいるようなのです」


「ああ、そういえば、あったわねルレ!」


「入り口は、どこにあったっけクテェ!?」


「そこの床に、扉があるのです」


 チカさんが指差しながら、そう言った。


 そこには、床下収納庫みたいな扉があった。


 周囲には、ガレキが置かれていて、見えにくくなっている。


 どうやら隠してあるようだ。


「さっそく行ってみましょうルレ!」


「ええ、そうねクテェ!」


「そこ、全員入ることはできなさそうねッピ」


「そうだな。ルレテースとクテェルカで行って来なよ」


「モザイクは解除しておくであります」


「分かったわルレ」


「じゃあ、ちょっと待っててねクテェ」


 ルレテースとクテェルカが、地下室に入って行った。



 あれ?

 ルレテースとクテェルカが、もう出て来たぞ。


「フーカさん、ケガ人がいるのルレ!」


「力を貸してクテェ!」


「分かったわ。それじゃあ、お姉さん、行ってくるわね」


「なら、わたしも行くわよぉん。すっごい回復魔法をかけてあげるわよぉん」


 フーカとマイカが地下室に入って行った。



「ただいま~」

「無事、治ったわよぉん」


 フーカとマイカが出て来た。


「それは良かった」


「今は感動の再会の最中よぉん」


「そうか。なら、もう少しここで待っているか」



「あ~あ、これでは宿に泊まれそうにないでナンス……」


「他の町に行くしかないですねでナス~。あるのか知りませんけどでナス~」


「野宿で我慢しろ」


「はぁ、夫が冷たいでナンス……」


「愛する妻を、もっと大事にしてくださいよでナス~」


「やかましいヤツらだな!」



「ヒモノさん、敵が来るのです!」


 チカさんが指差しながら、そう言った。


 そちらから、底部から人間の足が生えている二枚貝のような何かが多数やって来た。


 身長は五メートルくらい。

 貝の幅は五メートルくらい。


 白と茶色の幾何学模様の貝殻だ。

 大きなアサリみたいだな。


 足は長さ二メートル半くらい。

 小麦色で筋骨隆々。

 無駄毛はまったく生えていない。

 靴は履いていない。

 長くて大きい足だ。


 数は三〇体以上いそうだ。


「あ、あれはもしやアレざますか!?」


「えっ? 何か知っているのか、ユモア?」


「あれは『かい』から『デ足』が生えているという高度なダジャレざます!!」


「なんだそれは!? くだらなさすぎるぞ!?」



「むむっ、何かいるデカアサッ!」


 二枚貝のような何かの一体が、そう言った。


「本当だデカアサッ!」

「あれは人間さんなのかデカアサッ!?」

「人間さんのようだけど、なんかこう影が薄いなデカアサッ!」


 目立たないモザイクは、あいつらにも効果があるのか。


「なんかマズそうだけど、食べてみるかデカアサッ?」

「腹が減ったから、仕方なく食べようかデカアサッ!」

「マズそうだけど、仕方ないなデカアサッ!」


 このモザイクは、マズそうに見えるのか。


「よし、やるかデカアサッ!」


 突然、二枚貝のような何かたちの上部から、太く大きな人間の右手が出て来た。


 長さ五メートルくらい。

 小麦色で筋骨隆々。

 無駄毛はまったくない。


 あいつらはああいう特殊能力を使うのか。


「あ、あれは『かい』から『デ手と足』が生えているという高度なダジャレざます!!」


「さっきと同じじゃないか!? いちいち言わなくていいっての!?」


「断るざます! 高度なダジャレは何度も言うざます!!」


「やめろっての!?」



「さあ、食べてやるぜ、人間さんデカアサッ!」


 二枚貝のような何かたちが襲ってきた。

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