第395話 戦うか、避けるか

「白く輝く球体が消えてしまったな」


「あの魔法は一回攻撃を受けるか、一時間経過すると消えてしまうゾヨ」


「そうなのか」



「セレンの本性を瞬時に見抜くなんて、あの球体、なかなかやるでげすぜ」


「ええ、役に立ちそうな魔法でございますね」


「ワタシは、そんな不潔なものではありません!」


「いや、セレンはむっつりスケベでげすぜ」


「その通りでございます。さあ、セレンさん、内なる欲望を解き放ちましょうでございます! そして、ヒモノさんと生殖活動をしましょうでございます!」


「洗浄します!!」


「服や体がまったく傷付かない足の小指に激突するタンスもどうぞでござんす!!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 ぬるま湯をぶっかけられた後、両足の小指に何かがぶつかった。


 なんで俺までやられるんだよ……


 理不尽すぎる……



「あの魔法は何回使えるんだ?」


「百回使える気がするゾヨ」


「百か。多いな。同時に何体も出せるのか?」


「出せるゾヨ」


「いろいろな使い道がありそうねッピ」


「そうだな」



「皆さん、できましたよ」


 リリィさんが調理台に皿を並べた。


 牛肉のステーキと、イカの切り身を焼いたようなものが盛り付けられていた。


 では、食べてみるか。


 いただきます。


 うん、見た目通りの味と食感だな。


 とても美味しい。



「リリィさん、ごちそうさま。美味しかったよ」


「お粗末様でした」


「では、食休みをしたら、出発しようか」


「そうッスね」



「皆さん、止まるのです!」


「えっ? どうしたんだ、チカさん?」


「わたくしの電球が、この先に強力な敵がいると言っているのです!」


「そうなのでルーウ!?」


「な、なら、迂回うかいした方が良いんじゃないかなでルーエ……」


「うん、そうしようでルーオ……」


迂回うかい路はあるのですが、そこを通ると上り階段に着くのに、二週間くらいかかってしまうのです」


「しないと、どのくらいで着くんだ?」


「一日あれば着くのです」


「なんでそんなにかかるんだよ!?」


「その道はカーブが多くて、スピードが出せないのです」


「ああ、なるほど、そういうことなのか」



「ヒモノさん、どうするのッピ?」


「うーん、そうだなぁ…… ちょっと偵察してみようか」


「分かったッスよ」


 偵察用鳥類が飛んで行った。


「では、地上に下りて待っていようか」



「強力な敵って、こいつッスか?」


 偵察用鳥類の画面に、人間の女性のような足が生えたアワビの中身のようなものが映っていた。


 地面にアワビの貝殻を敷いて、寝転がっているように見える。


 それにしても、キレイな足だなぁ。


 実に色っぽい。


「ヒモノさん、不潔なことを考えていませんか?」


「考えてないって!」


「ヒモノさん、何を考えていたのッピ!?」

「ヒモノ、ああいうのが見たのニャ!?」

「ヒモノさん、どうなのでヤンス!?」

「答えて、ヒモノさんッスわ!」


「落ち着け、お前ら!?」


「ふむ、これは見たいようでげすぜ!」


「では、雌たちに見せてもらいましょうでございます! そして、生殖活動をしましょうでございます!!」


「何言ってんだよ!?」


「あまりにも不潔ですね! 洗浄します!!」


「服や体がまったく傷付かないハサミを持った生物と、服や体がまったく傷付かない足の小指に激突するタンスも付けるでござんす!!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 ぬるま湯をぶっかけられた後、ザリガニクワガタに鼻と頬を挟まれ、両足の小指に何かをぶつけられた。


 ひ、ひどすぎる……



「むっ、あいつはまさかアレざますか!?」


「何か知っているのか、ユモア?」


「あいつは『ほし空』の下にいる『し中』の『しアワビ』という高度なダジャレざますね!!」


「またそれかよ!? それは、もういいよ!?」


 何回同じネタをやる気なんだよ!?



「それで、あいつが強力な敵で間違いないのか?」


「はい、間違いないのです」


「そうか。では、また魔法で狙撃してみようか?」


「了解なのだよ」

「分かったゾヨ」


「薄暗いけど、やれるのか?」


「暗視スコープがあるから問題ないのだよ」


「それも恋愛に必要な道具を出す能力で出したのか?」


「その通りなのだよ」


「なんでそれが恋愛に必要なんだ?」


「夜に監視するためなのだよ」


「そ、そうか……」


 恋愛は怖いなぁ……



「では、準備するのだよ」


 レーアさんが射撃ポイントを探し始めた。



「ここから撃つのだよ」


「分かったよ。マモリさんは反撃に備えてくれよ」


「了解であります!」


「では、やろうか」


 杖ちゃんの噴射口から、白い塊が一直線に飛んで行った。



「あっ、魔法が蹴られたッスよ」


「防がれたか」


「なら、次はわしさんがやってみるのじゃ~」


 キィリさんが自身に金剛力付与をかけ、根号をぶん投げた。



「根号も蹴られちゃったッスね」


「そうか」


「なかなかやるようじゃな~」


「そうだな。さて、どうするか?」


「もっといっぱい投げてみるのじゃ~」


 キィリさんが根号を投げまくった。



「全部蹴られたッスね」


「確かに強力な敵のようじゃな~」


「そうだな」


 さて、どうするかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る