第371話 危険生物だらけの海で

 俺たちは海を渡り、大きな島の近くにやって来た。


 ここは『チミ・ミウ・タキ』という名前だそうだ。


 緑の多い島だなぁ。

 周囲の海は青くて、とてもキレイだ。



「ヒモノさん、あそこに『リィコーブ』があるでルーイ」


 イァーイミが海を指差し、そう言った。


 そこには、昆布のようなものが大量にあった。


「あの茶色っぽいものが、リィコーブなのか?」


「そうでルーウ」


 今回は、やけにあっさりと見つかったな。


 まあ、なんの問題もないけど。



「むむっ、あれは食べられるでゴザル!」


「なら、潜って採るキュ!」


「待って、ふたりとも、海の中には危険なミョガガベがたくさんいるのよでルーエ! 不用意に入っちゃだめよでルーエ!」


「あっ、そこにいるでルーオ!」


 オーギヌが海を指差し、そう言った。


 そこには、ヒレの付いた円錐型の灰色のドリルのようなものがいた。


 全長二メートルくらいだ。


「あれは『サツコロ・コロサツ』というミョガガベだでルーア」


 殺殺さつころ殺殺ころさつ


 殺意が高すぎないか?


「泳ぎが得意で、体当たりが強力なミョガガベらしいでルーイ。海に入ったら、あいつにやられるでルーイ」


「なるほど、それが試練なのか」


「その通りでルーウ」



「あっ、そこに『プーリンクラァ』もいるよでルーエ!」


 エメテェルが海を指差し、そう言った。


 そこには、カラメルソースがかかっているプリンのようなものがいた。


 直径一メートルくらい、全長八〇センチくらいだ。


「あいつも強力なミョガガベらしいでルーオ!」


「そうなのか? そうは見えないなぁ」


「見た目にだまされない方が良いらしいでルーア。あいつはすさまじい速さで接近して来て、獲物を食い殺すらしいでルーア」


「あいつ、口があるのか?」


「どこかにあるらしいでルーイ」


「そうなんだ。なら、あれも試練なのか?」


「その通りでルーイ」



「あそこに『キヨチ・キヨチ』もいるでルーウ!」


 ウトリキネが海を指差し、そう言った。


 そこには、大きな灰色の洗濯バサミのようなものがいた。


 全長一メートル半くらいだ。


「あいつも強力なミョガガベらしいでルーウ!」


「どんなヤツなんだ?」


「あいつも泳ぎが得意で、体当たりが強力なミョガガベらしいよでルーエ。これも試練だねでルーエ」


「そうなのか。あいつは獲物を挟んだりはしないのか?」


「そんなことをするとは書いてなかったでルーオ」


「私が読んだ資料にもなかったなでルーア」


「そうか」


 洗濯バサミっぽいのに、挟まないのか。



「むむっ、あいつらも食べられるでゴザル!」


「なら、釣るキュ!」


「糸を切られるだけだと思うでルーイ」


「そうか。なら、どうするかな?」


「ヒモノさん、とりあえず、島に下りましょうよッピ」


「そうだな」



 俺たちは海岸に下り立った。


「さて、どうやってリィコーブを手に入れようかな?」


「ヒモノ隊長、ここは私に任せるであるます!!」


「何をするつもりなんだ、マオン?」


「海に私の雷魔法をぶっ放すであるます!!」


「海の生物を皆殺しにする気か!? やめろ!?」


「ならば、炎魔法をぶっ放すであるます!!」


「それもダメだって!? 確か水魔法もあるんだろ? そっちはどうなんだ?」


「水魔法であるますか? 手加減をすれば、リィコーブを引き抜けそうであるます!」


「なら、それをやってくれよ!」


「ちまちました魔法は、ストレスがたまるから、やりたくないであるます!」


「そう言わずに頼むよ」


「仕方ないであるます。ヒモノ隊長のためにやってあげるであるます!」


「ありがとう、マオン」



「いくであるますよ!」


 マオンが海に両手をかざした。


 あれが水魔法なのか?


 何が起こるのだろうか?



「な、なんじゃこりゃっコロサツッ!? 離しやがれコロサツッ!?」


「なんなの、これプクラッ!? 気持ち悪いプクラッ!?」


「くそっ、何しやがるんだキヨキヨッ!? 離せってのキヨキヨッ!?」


 突然、海から水でできた人間の手のようなものが大量に伸びて来た。


 その手が、リィコーブ、サツコロ・コロサツ、プーリンクラァ、キヨチ・キヨチを持っている。


 あれが水魔法なのか!?


 なんか怪奇現象っぽいな!?



 水の手が持っているものを、浜に置いた。


「まだ生きてやがるじゃねぇか!? おっさん、とどめを刺すぞ!」


「ああ、分かった!」


「「「ブミィイィィィイイィィィィイィイイィィィッ!!!!!」」」


 サツコロ・コロサツ、プーリンクラァ、キヨチ・キヨチたちを倒した。



 リィコーブ、サツコロ・コロサツ、プーリンクラァ、キヨチ・キヨチが大量に置かれた。


「リィコーブは、いくついるんだ?」


「五本あれば良いらしいでルーア」


「なら、もうやめていいぞ、マオン」


「了解であるます!」


 水の手が消えた。



「ヒモノ隊長、ちまちました作業で、ストレスがたまったであるます!! 残ったMPで、炎魔法をぶっ放して良いであるますか!?」


「それはやめてくれ!?」


「では、代わりにヒモノさんと生殖活動をして、ストレスを解消しましょうでございます」


「なるほど、名案であるます! では、ヒモノ隊長、始めましょうであるます!!」


「なんでそうなるんだよ!?」


「不潔なストレスがたまっているようですね! このワタシがしっかりと洗い流してあげましょう!!」


「かき氷で頭を冷やして、ストレスを解消するでござんす!!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 ぬるま湯をぶっかけられた後、顔面にかき氷をくらった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る