第367話 聖剣の正体

 俺たちは海を渡り、隣の大陸にやって来た。


 ここは『ヘヘエベヴェ大陸』という名前だそうだ。


 そして、そのまま飛び続け、山の中腹に下り立った。


 周囲には、森と澄んだ水が流れている小川がある。


 小川の周りには、コケのような植物がびっしりと付いた岩が大量にある。


 美しい風景だな。



「ここに聖剣の材料があるのか?」


「そうだよでルーエ。ここに生えている『ントコケゴケ』という植物が材料なんだよでルーエ」


「また植物なのか? なんで剣を作るのに植物なんだ?」


「何を言っているのでルーオ? 私たちが作っているのは塗り薬でルーオ」


「えっ? なんでそんなものを作っているんだ?」


「えっ、もしかして、聖剣ナオントリィコーが、何か知らないのでルーオ?」


「武器の剣じゃないのか?」


「知らずに探していたのかでルーア。聖剣ナオントリィコーは、男性の剣にナオントリィコー薬を塗ったものだでルーア」


「その薬を塗ると、男性の能力がすべて上昇するのでルーイ」


「えええええええええっ!? そういうものだったのか!?」


「そんなことも知らずに、なんで探していたのでルーウ?」


「実は、それを手に入れないと死ぬという予言を受けてしまったんだ」


「な、なんで死んじゃうのでルーエ!?」


「そこは不明だ」


「そうなんだでルーオ。なら、絶対手に入れないとでルーオ!」


「ああ、そうだな!」



「それで、そのントコケゴケというのは、どういうものなんだ?」


「見た目は、小さいナオ草だでルーア。このあたりにある岩にくっ付いているでルーア」


「ただ、このあたりには、似たような植物がたくさん生えているでルーイ」


「だから、すごく見つけにくいでルーウ。おまけに、ントコケゴケは数があまり多くないでルーウ」


「もしかして、それが試練なのか?」


「そうだよでルーエ」


「しかも、それを千本も集めなければいけないでルーオ」


「そんなにいるのかよ!?」


 面倒くさすぎる!?

 これは忍耐力の試練みたいだな!



「では、探すか」


「ええ、みんなで探しましょうッピ」



「おっ、これはントコケゴケか?」


「いや、それは違う植物だでルーア。葉の数が一枚多いでルーア」


「あっ、本当だ」


「これはントコケゴケじゃないニャ?」


「それも葉の数が一枚多いから、違う植物でルーイ」


「えっ、ああ、本当ねニャ!」


「これ厄介すぎるでヤンス!」


「まったくだな!」



「ヒモノさん、ントコケゴケはわたくしの電球が探すのです。ただ、その間は、周囲の警戒にまで手が回らなくなるので、ヒモノさんたちは周囲の見張りをしているのです」


「分かったよ。では、頼むよ、チカさん」


「任せておくのです」


 頼りになるなぁ。



「愛する夫のために、私も手伝うでナンス!」


「これは良妻ですねでナス~。ヒモノさんは一生養うべきですねでナス~」


「そこ、うるさいぞ! 探すなら、さっさと探せ!!」


「愛する夫がひどいことを言うでナンス!!」


「なんてひどいでナス~! これは慰謝料として、一生養ってもらうしかないですねでナス~!!」


「やかましいぞ!」


 まったくこいつらは!?



「ヒモノ、こんなものを見つけたでナンス!」


 イアーユさんが車のミニチュアのようなものを掲げながら、そう言った。


 長さ二〇センチくらい。

 色は赤で、スポーツカーのような外見だ。


 なかなかカッコイイな。


「珍しいでルーア。それは『ギラフベージョ』だなでルーア」


「なんだそれは?」


「宝箱から時々見つかる置物だでルーア。大人気だから高く売れるぞでルーア」


「特殊な効果はないのか?」


「特にないでルーア」


「なら、後で売り払うでナンス!」


「そうだな」


「またチームに貢献してしまいましたねでナス~! 優秀な人材ですねでナス~!」


「はいはい、分かったよ! 宿に泊まるって!」


「一年くらい泊まりたいでナンス!」


「ヒモノさん、よろしくお願いしますねでナス~!」


「そんなに長く泊まってられるか! 調子に乗るな!!」


「「ええ~」」


「やかましいぞ! ントコケゴケ探しを再開しろ!」


「ヒモノのケチでナンス!」


「ケチすぎますよでナス~」


「ケチではないだろ!? 早く探せ!!」



「むむっ、この川に食べられる魚がいるでゴザル!!」


「なら、捕るしかないキュ!!」


 プリーディさんとキュキュが川の中に手を突っ込んだ。


 素手で捕る気なのか?


「捕れたでゴザル!」


「捕れたキュ!」


 プリーディさんとキュキュが、二〇センチくらいの魚を捕まえた。


 素手でも捕れるんだな。


「あれは『ハチュールイー』という魚でルーウ」


 爬虫類はちゅうるい


 いや、あれは魚類だろ。


 妙な名前だなぁ。


「とても美味しい魚でルーウ」


「そうなんだ」


「これ、美味しいのキュ!?」


「なら、もっと捕るしかないでゴザル!!」


「社長、私も手伝ってきます!」


「ああ、分かったよ」


「よし、いくぞ! テメェら!!」


「「「分かりました、係長!!」」」


 プリーディさん、キュキュ、コロモ、製作の妖精たちが、川の中を探し始めた。



「そういえば、ここには敵がいるのか?」


「強力なのがいるらしいでルーア」


「ただ、滅多に姿を現さないらしいけどねでルーエ」


「そうなのか」


「ふむ、ここは安全みたいでございますね。では、ヒモノさん、大自然の中で生殖活動をしましょうでございます」


「するわけないだろ!?」


「また不潔な会話をしていますね! 洗浄します!!」


「かき氷もどうぞでござんす!!」


「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」


 洗浄されて、顔面にかき氷をくらった。



「うるさい、うるさすぎるコケオジッ!!」


 突然、怒鳴り声が聞こえてきた。


 なんだ!?

 敵が来たのか!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る