第356話 ストレス解消法

「MPが減ったのねぇん。はい、どうぞぉん」


 マイカがマオンの両頬に白い湿布を貼った。


「ありがとうであるます、マイカ隊員!」


 俺以外は隊員なのか。



「マオン、他に何かあるか?」


「『雷魔法』『水魔法』『土魔法』『風魔法』が使えるであるます!」


「それは名前通りの魔法なのか?」


「その通りであるます! どれも名前にあるもので攻撃するであるます!」


「炎魔法みたいな感じでか?」


「その通りであるます!」


「あんな攻撃をしたら、食べられなくなりそうでゴザル!」


「それは困るキュ!」


「確かに、そうなりそうであるますね!」


「手加減することはできないのか?」


「できるであるます! ただ、手加減するとイライラするであるます! やはり魔法は、全力でぶっ放したいであるます!」


「そうか。なら、食べられそうな敵には、手加減した魔法を撃ってもらおう。イライラはゼーランさんに、なんとかしてもらってくれ」


「了解であるます!」


「またですのっ!? 今度はわたくしが、力が抜ける能力の使いすぎでイライラしますのっ!!」


「ゼーランの力が抜ける能力は人気なのだよ」


「そうなのか?」


「ええ、そうなのよッピ! ヒモノさんが浮気ばかりするせいで、イライラさせられるからねッピ!」


「まったくでヤンス!」


「ふむ、なるほど、では、ここは雌たちと全力で生殖活動をしましょうでございます!」


「なんでそうなるんだよ!?」


「ストレス解消でございます! さあ、ヒモノさん、始めてくださいでございます!」


「これは不潔ですね! 洗浄します!!」


「臭い汁の塊もどうぞでござんす!」


「「ああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」


 顔面に臭い汁の塊をぶつけられた後、洗浄された。


 すさまじく臭かった。



「なら、今度はゼーランさんのストレス解消法が必要なのか」


「わたくしのストレス解消法は、服を脱ぐことですのっ!!」


「そうなのか」


 さすがはりょくのステータス令嬢だな。


「では、テントかモザイクの中で、思う存分、脱いでくれ」


「ヒモノさんも一緒に脱ぎましょうですのっ!」


「ええっ!? なんでだよ!?」


「ひとりで脱ぐのは寂しい気がしますのっ! 脱ぎ仲間が欲しいですのっ!」


「脱ぎ仲間!? なんだそれは!?」


「一緒に服を脱いで、全裸になってくれる仲間ですのっ!!」


「ふむ、それは素晴らしいでございますね。ここはヒモノさんと雌全員で、脱ぎ仲間になりましょうでございます! そして、生殖活動をしましょうでございます!」


「何言ってんだよ!?」


「そんな不潔なことは許しません! 洗浄します!!」


「服や体がまったく傷付かない辛い粘液もどうぞでござんす!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 顔面に辛い粘液をぶつけられた後、ぬるま湯をぶっかけられた。



「ヒモノさんがダメなら、セレンさんに、脱ぎ仲間になって欲しいですのっ!」


「な、なぜワタシを、そんな不潔なものにしようとしているのですか!?」


「一番厚着だからですのっ! 服をすべて脱いだ時の解放感を教えてあげたいですのっ!」


 セレンさんは防護服を着ているからなぁ。


「余計なお世話です! 不潔すぎるので、洗浄します!!」


「きゃああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」


 ゼーランさんは洗浄された。



「すさまじく脱線したな。話を戻そう。マオン、他に何かあるか?」


「もうないであるます、ヒモノ隊長!」


「マオンは魔法防御力のステータス令嬢なんだよな?」


「はい、その通りであるます!」


「防御っぽい能力はないのか?」


「土、水魔法なら、そういうこともできるであるますが、基本的には攻撃一辺倒であるます! 一撃必殺こそ最高の防御であるます!」


「そ、そうなのか……」


 魔法防御力なのに、攻撃的すぎる!?


 なんでうちの防御たちは、こういう思考をしているんだ!?


 訳が分からないぞ!!



「ヒモノさん、そろそろ暗くなってくるのです」


「では、今日はここで休むとするか」


「なら、テントを張りますね」


「わたしは食事を作りましょうか」


「ああ、頼むよ、コロモ、リリィさん」


「食べ終わったら、洗浄ですよ」


「分かっているよ、セレンさん」



 食事を取り、洗浄してもらい、テントに入った。


 では、寝るとするかな。


「ヒモノさん、ヒモノさん、出て来て欲しいヨン。話があるヨン」


 ん?

 この声はシュクレか?


 なんだろう?


 俺はテントを出た。



「シュクレ、どうしたんだ?」


「ヒモノさんに魔法を伝授しに来たヨン」


「えっ!? 記憶が戻ったのか!?」


「闘技場本戦の賞品を食べた時に戻ったヨン」


「ああ、あの美味しいタレと肉か。結構、前に戻っていたんだな。なんで黙っていたんだよ?」


「また洗浄されると思ったからヨン」


「ああ、なるほど」


 セレンさんなら容赦なくやりそうだな。



「というか、そのまま黙っていた方が、安全だったのではないか?」


「私には魔導書としての使命があるヨン。所有者に魔法を伝授しないといけないヨン」


「そうなのか」


 偉いなぁ。


 伝授する魔法は、シモ方面特化なのにな。

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