第287話 百体倒した記念賞品

 身支度を済ませ、更衣室を出た。


「ヒモノさん」


 セレンさんがやって来た。


 なぜかセイカさんとノゾミさんもいる。


「皆さんの安否の件ですが、ヒモノさんが能力で呼び出した方々は勝ち残っていましたよ。後はプリーディさんとゼタヴォーナさんも残っていましたね」


「そうなのか」


「他の連中は脱がされていたでげすぜ」


「雌たちからは色気があふれていましたでございます。勝ち残った方々もきわどい部分に穴が開いていて、生殖活動の相手として最適でしたでございます」


「そこは報告しなくて良いっての!」


 だが、ちょっと見たかったなぁ……


「どうやら雌たちの姿を見たかったようでございますね」


「そういう顔をしているでげすぜ」


「そ、そんなことはない!!」


「では、夜にじっくりと見せてもらいましょうでございます」


「それが良いでげすぜ」


「なんという不潔さ! これは徹底的に洗浄すべきですね!!」


「「「あああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 セレンさんにぬるま湯をぶっかけられた。



「賞品を持って来たニャッピ」


 受付の変人が戦闘場に入って来た。


 さらに、先程戦った白いマネキンがステンレスのようなもので作られたワゴンを押してながら入って来た。


 その上には、巨大な肉の塊が載せられていた。


 あれが賞品なのかな?


 ん?

 また白いマネキンがワゴンを押してながら入って来た。


 その後ろからも、さらに入って来た。


 何台来るんだ?


 あっ、やっと止まった。


 どうやら合計で三六台入って来たようだ。



「その肉が賞品でゴザル!?」


「その通りニャッピ。これは『グイグルノア』というミョガガベの肉ニャッピ」


「それ美味しいのキュ!?」


「とても美味しいうえに、栄養豊富ニャッピ。さらに、運が良いと特殊能力が身に付くニャッピ」


「えっ!? 特殊能力が!? 本当に!?」


「確率はかなり低いけど、身に付くことがあるニャッピ」


「そうなのか。とんでもない肉なんだな」



「さっそく食べるでゴザル!!」


「じゃあ、どこかで料理してもらおうか」


「それなら、ここを使っても良いニャッピ」


「そうか。では、使わせてもらうよ」


「どうぞニャッピ」


「リリィお姉さん、料理してキュ!」


「分かりました」


 リリィさんがチェーンソーを取り出し、肉を切り始めた。



「それから、先程の戦闘で気付いたことがあるニャッピ」


「えっ? それはなんだ?」


「あなたたちのチームは、戦闘能力、身体能力に個人差がありすぎるニャッピ。あれは多分、レベルの差がものすごくあるからニャッピ」


「ああ、確かにあるな」


 今回負けてしまった面々は、エクスレトを全然取り込んでないからな。


「そこは改善した方が良いかもしれないニャッピ」


「確かにそうでございますね。このままレベル差が広がり続けた場合、生殖活動に影響が出るかもしれませんでございます」


「ヒモノの体力についていけない女が出てしまうでげすぜ」


「お前らはなんの心配をしているんだよ!?」


「また不潔なことを言っているようですね! 洗浄します!!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 またぶっかけられてしまった。



「気付いたのは以上ニャッピ」


「分かったよ。助言ありがとう」


「どういたしましてニャッピ。それじゃあ、ごゆっくりニャッピ」


 受付の変人と、白いマネキンたちが戦闘場を出て行った。



「できましたよ」


 リリィさんが調理台の上に皿を並べた。


 そこには、食べやすい大きさに切られた焼き肉が載せられていた。


 では、食べてみるか。


 うおおおおおおおおっ!?


 な、なんてすさまじいうまさだ!?


 体全体にうま味が広がって行って、俺の肉までうまくなってしまいそうだ!!


 それにとてつもなく柔らかい肉だな!?


 口に入れた瞬間に溶けたぞ!?


 素晴らしすぎる!!



「これすっごく美味しいキュ!!」

「うますぎるでゴザル!!」


 他のみんなにも好評のようだ。



 あまりのうまさに、あっという間に完食してしまった。


「いやあ、美味しかったなぁ! リリィさん、ごちそうさま!」


「お粗末様でした」


「また食べたいキュ!」


「もっと訓練を受けるでゴザル!!」


「何度ももらえるのかな?」


「受付で聞いてみましょうッピ」


「そうだな」



「むっ、ヒモノ、新たな特殊能力が身に付いたぞ」


「本当か、ステーさん!? どんな能力なんだ!?」


「『濡れると溶ける服を出す能力』と『水鉄砲を出す能力』だ」


 なんじゃそりゃぁっ!?


「それって、さっきの白い全身タイツを出す能力なのか!?」


「いや、まったく同じではないようだ」


「そうなのか? どう違うんだ?」


「全身タイツに限らず、どの種類の服でも出すことができるようだ。それに、どの液体でも溶けるようだ」


「そうなのか」


「その能力は、服を何着出せるのでございますか?」


「一万着同時に出せるようだ」


 一万!?

 多すぎだろ!?



「もうひとつの方は?」


「そちらは名前通り、水鉄砲が出て来るようだ。ただし、水は入っていない状態で出て来るようだ」


「そうなのか。どんな水鉄砲が何丁出て来るんだ?」


「先程の人形が持っていたものを一丁出せるようだ」


「そうか」


 なんとも微妙な能力だなぁ。



「素晴らしい特殊能力でございますね! さっそく雌たちに着せましょうでございます!」


「そして、水鉄砲を撃とうでげすぜ!」


「不潔すぎるので、洗浄します!!」


「かき氷もどうぞでござんす」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 洗浄された後、顔面にかき氷をぶつけられた。

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