第242話 静かな湖畔で騒ぎまくる迷惑集団

「申し訳ありませんでしたでゼォツーレ!」


「お気になさらずに。誤解が解けたのなら、それで良いですよ」


 星の人が毛玉を置くところを、他の客が目撃していたらしく、俺たちの疑いは晴れた。


 ああ、良かった良かった。


「これはお詫びですでゼォツーレ!」


 職員の方がチケットのようなものを差し出した。


「これはなんですか?」


「ここのフードコートで使用できる割引券ですでゼォツーレ!」


「わざわざありがとうございます」


 割引券を受け取った。



 さて、他の作品を見て回ろうか。


 美術館を見て回った。


 妙なものだらけだった。


 その後、フードコートに向かった。


 そして、割引券を使用し、人魚焼きを買った。


 この割引券、割引率が一パーセントなんだな。


 しかも、人魚焼き五個にしか使用できないし。


 セコイなぁ。


 まあ、いいか。



 宿に戻って来た。


 イアーユさんとヴィーミラは、まだ寝ていた。


 こいつらは本当によく寝るなぁ。


 まあ、どうでもいいか。


 俺ものんびりしよう。



 次の日。


「ああ、今日でこの快適な生活もおしまいでナンス……」


「もっと泊まっていたいですでナス~」


 イアーユさんとヴィーミラが文句を垂れている。


「この二日間、寝まくっていたのに、まだ寝足りないのかよ!?」


「全然足りないに決まっているでんナンス!」


「もう一年くらいのんびりしたいですでナス~」


「怠け者すぎるだろ! ほら、行くぞ!!」


「「ええ~」」


 宿をチェックアウトした。



「さて、なんとか金を稼がないとな」


「そして、また宿に泊まるでナンス!」


「がんばって稼いでくださいね、愛する旦那様でナス~」


「お前らも少しは手伝えよ!!」


「面倒くさいでナンス」

「ヒモノさんが稼いでくださいでナス~」


「こいつらは!?」



「むむむっ!!!」


「アーティ、どうしたんだ?」


「絵の題材を閃いたでごじゃんす! すぐに描かなければでごじゃんす!!」


「そうなのか。なら、移動しようか」


 さすがに町のド真ん中で、描いてもらうわけにはいかないからな。


「集中したいでごじゃんすから、なるべく静かなところが良いでごじゃんす!」


「分かったよ。では、町の外に行こうか」


 俺たちは町を出た。


 そして、飛び立った。



 しばらく飛んで行くと、湖を発見した。


 水の透明度が高くて、とても美しい。


「あそこなら静かそうだな」


「確かに良さそうでごじゃんすね」


「では、行こうか」


 俺たちは地上に下りた。



「それでは描くでごじゃんす。なるべく静かにしていて欲しいでごじゃんす」


「ああ、分かったよ」


 アーティが絵を描く準備を始めた。



「良い景色ねッピ」


「ああ、そうだな」


 湖は美しいうえに、周囲に広がる森の景色も素晴らしい。


「ヒモノさん、ちょっと湖畔を歩いてみましょうッピ」


 メェールさんがそう言って、腕を組んできた。


「何を言っているのよニャ! ヒモノ、わらわと行きましょうニャ!」


 レイトナさんも腕を組んできた。


「ヒモノさん、私とデートするでヤンス!」


「いいえ、私としましょうッスわ!」


 レデベールさんとルヴィベールさんが抱き着いてきた。


「面白そうね。お姉さんも参加するわ!」


「ワタクシたち全員で攻めたデートをしましょう!」


 フーカとルメーセまで抱き着いてきた。


「盛り上がっているようでございますね。ここはみんな仲良く生殖活動をするべきですでございます」


「いいえ、その前に洗浄ですよ」


「かき氷も付けた方が良いでござんすね。では、始めるでござんす」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 イリーセさんのかき氷をくらった後に、セレンさんに洗浄された。



「浮気者レィ~」

「許さない、許せないレィ~」

「浮気者は沈めてやるレィ~」


「なんか聞こえないか?」


「ええ、不気味な声が聞こえてきたわッピ」


「湖の方から聞こえたわよニャ」


「何かいるみたいでヤンス」


 俺は湖の方を見てみた。


 すると、水中から何かが浮かび上がってきた。


 白い半透明のレインコートのような姿の何かだ。


 それも大量にいる。


「な、なんだあれは!? まさか幽霊なのか!?」


「いいえ、あれはミョガガベなのです! 湖に潜んでいたのです!」


「そうだったのか!」


 幽霊じゃなくて良かった!



「死ね、浮気者レィ~」


 レインコートっぽい敵たちが、いっせいに襲いかかってきた。


 しかも、すべて俺に向かって来ているようだ。


「なんで俺だけに向かって来るんだよ!?」


「ヒモノさんが浮気者だから悪いのです!」


「なんでミョガガベが、そんな理由で襲ってくるんだよ!? お前らには関係ないだろ!?」


「なんとなく腹が立つからレィ~」

「種族とか関係なく、浮気者は憎いレィ~」

「とにかくぶっ殺すレィ~」


「ええっ!?」


 なんとなくで襲ってくるな!?


 迷惑な連中だな!?



「とにかく倒すであります!」


「ワタクシの水着を受けなさい!」


 マモリさんのモザイクとルメーセの水着で、向かって来た連中の一部をなぎ払った。



「おのれ、浮気者、自分では戦わず、愛人に戦わせるのかレィ~」

「貴様はヒモだなレィ~」


「な、なんでそうなる!? 俺はヒモではないぞ!?」


 ステータス令嬢は俺の特殊能力なのだから、実質俺が戦っているようなものだしな!


「いいや、貴様はヒモだレィ~」

「ヒモ浮気野郎、死んでもらうレィ~」


「うるさい連中だな!? 聖剣、やってしまえ!!」


「仕方ねぇな! こいつをくらいやがれ!!」


 聖剣がシャイニングブミブミ・セイクリッドテカテカテカリンマッスルを放った。


「「「ブミッチョォォオオォォオオォォオオォォッ!!!!!」」」


 レインコートっぽい敵たちは、全員倒れた。


 どうやら俺たちの勝利みたいだな。



「あああああああっ!? やかましいでごじゃんす!!」


 あっ!?

 そういえば、アーティに静かにしろって言われていたんだった!?


 やっちまったな!?

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