第219話 心電計の調査

「さて、これからどうしようか?」


「あいつの防御能力は分かったけど、攻撃能力の方は分からないままねッピ」


「そうねニャ。そこも調べた方が良いんじゃないのニャ?」


「確かにそうしておきたいところだな。では、どうやって調べようか?」


「それなら偵察用鳥類で、あいつを挑発してみるッスよ!」


「なるほどな」


 それなら安全に調べられそうだ。


 偵察用鳥類は破壊されても、一日経過すると直るしな。


「では、それでいこうか。頼むよ、トーリさん」


「了解ッスよ!」



「ほら、かかって来いッス! 攻撃してみろッスよ!!」


 画面が激しく動きまくっている。


 どうやら偵察用鳥類が、心電計の周りを飛び回っているようだ。


 これはうっとうしいだろうなぁ。


 さて、何をしてくるのだろうな?


 おっ、つるのようなものが向かって来たぞ。


 どうやらむちのように、打ち据えようとしているみたいだな。


「そんな攻撃、当たらないッスよ!」


 だが、偵察用鳥類に回避されたようだ。


 トーリさん、見事なコントロールだな。



 おおっ!?

 今度はつるのようなものが、大量に向かって来たぞ!?


 かなり迫力あるなぁ……

 恐ろしい映像だ……


 あっ、画面が急に消えた!?


「ああ~、偵察用鳥類がやられちゃったッスね」


「そうか……」


 ありがとう、偵察用鳥類。

 君の犠牲は無駄にしないぞ。



「さて、これで攻撃方法は分かったな。あいつをどうやって倒そうか?」


「ワタクシの水着で、あのつるのようなものを拘束するというのはいかがでしょうか?」


「その後は、俺様が突撃してブミらせれば良いわけだな。やれそうじゃねぇか?」


「うん、確かにいけそうだな」


「ええ、そうねッピ。でも、他にも攻撃手段があるかもしれないわよッピ」


「確かにな。そこはどうするか? 油断しないようにするしかないのかな?」


「ヒモノ、今日戦わなきゃいけないわけではないでナンス。また明日、偵察用鳥類で情報を集めると良いでナンス」


「そうですねでナス~。そういうわけで、今日はのんびりしましょうでナス~」


「お前らが休みたいだけじゃないのか?」


「私たちだけではないでナンス。杖ちゃんは、もう寝てしまっているでナンス」


「えっ!?」


 いつの間にか、杖ちゃんが地面に転がっていた。


 MPを回復させようとしているようだ。


「これは仕方ないですねでナス~。私たちも今日は休みましょうでナス~」


「はいはい、分かったよ。今日はこれでおしまいにしよう。みんなもそれで良いか?」


「ワタクシは構わないわよッピ」

「妾もよニャ」


 他のみんなもそれで良いそうだ。


「では、休むとしようか」


 俺たちは休息を取った。



 次の日。


「トーリさん、偵察用鳥類は出せるようになったか?」


「もちろんッス! いつでも行けるッスよ!」


「なら、飛ばしてくれ」


「了解ッス!」


 偵察用鳥類が飛んで行った。



「ヒモノよ、余のMPが回復したゾヨ」


「そうなのか。なら、また昨日の魔法を試してみようか? いや、今回は別なものを試してみようかな?」


「どちらでも構わんゾヨ。何を撃つのだゾヨ?」


「昨日の魔法と同じくらいの射程の魔法はあるのか?」


「強くなった気がする魔法が同じくらいだゾヨ」


「そうなのか」


 あの虹色のレーザーが飛んで行くヤツか。


「強くなったと思わせて、何か意味があるのかな?」


「そこは不明ゾヨ。使ってみるしかないゾヨ」


「そうか。他のふたつは、どのくらいの射程があるんだ?」


「切断する魔法は目視の範囲くらいであるゾヨ。ピンクにする魔法は、それほど長くはないゾヨ」


「そうなのか。では、とりあえず、強くなった気がする魔法を使ってみようか」


 何か起きるかもしれないしな。


「うむ、構わんゾヨ」



「ヒモノ、偵察用鳥類が階段のところに着いたッスよ。あいつもいるッス」


「ああ、分かったよ。では、レーアさん、また魔法を撃ってくれるか?」


「了解したのだよ」


 俺たちは強くなった気がする魔法を、心電計に向かって撃ってみた。


 心電計には命中したが、特に変化は起きなかった。


 その後、杖ちゃんはMP回復のために寝てしまった。



「じゃあ、また偵察用鳥類で、あいつを挑発してみるッスよ!」


「ああ、頼むよ」


 トーリさんが昨日と同じ方法で、心電計を挑発した。


 心電計は、またつるのようなもので攻撃してきた。



「ああ~、やられちゃったッス」


「結局、あのつるのようなものでしか攻撃してこなかったな。他の攻撃方法はないのかな?」


「そこは不明なのです」


「そうか。なら、どうしようか? 一回戦ってみるか?」


「はい、そうしましょう! やはり攻めてみるべきですわ!」


「不安なら、私がいつでもモザイクを展開できるように、準備しておくであります」


「分かったよ。では、行ってみようか!」


「了解であります!」


「でも、杖ちゃんはまだ寝ているでナンス」


「……起きたら、出発しようか」


「ええ、そうねッピ」


 ああ、緊張感がないなぁ……


 約六時間後、杖ちゃんが起きたので、俺たちは出発した。



 俺たちは心電計のいる場所にやって来た。


 そこは広大な半球型の部屋だった。


 その中央に、いつもの白い巨大上り螺旋らせん階段があり、その側に心電計がいた。


 あいつ、かなりの巨体だな。

 全長は台込みで六〇メートルくらい、幅五〇メートルくらいありそうだ。


「よし、仕掛けるぞ! ルメーセ、頼む!」


「かしこまりました! 秘技『水着縛り』ですわ!!」


 ルメーセの黒い水着が大量に出現し、心電計のつるのようなものに巻き付き、縛り上げた。


 ついでにキャスターの部分にも巻き付けてくれたようだ。


 これで攻撃も移動も封じた……


 と思いたいところだけど、実際のところはどうなのだろうか?


「むっ、なんだこれはデンッ!?」


 心電計の方から、声が聞こえてきた。

 あいつがしゃべったみたいだな。


「くっ、身動きがデンッ!? おのれっ、妙な格好の変態どもめデンッ!? 小癪こしゃくな真似をデンッ!?」


「あーしたちは変態じゃないッス! 鳥類ッス!」


「鳥さんだったのかデンッ!? いや、そんなものはどうでもいいデンッ! こんなひも、引き千切ってやるデンッ!」


「そうはさせません! 水着を追加して差し上げますわ!!」


 心電計のつるのようなものが、さらに縛り上げられた。


 これなら完全に身動きが取れないだろう!


 これは勝ったな!!


「ぐあああああああっ! お、おのれっ、こうなったら、あれを使うしかないデンッ!」


 あれだと!?

 あいつは、まだ何か手があるのか!?


 いったい何をする気なんだ!?

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