第188話 日頃の行いが良いから?
「偵察用鳥類にリプレイ機能はないのか?」
「ないッスよ。映像を記録しているわけではないッスからね」
「そうか……」
とどめのアッパーカットは、もう見れないのか……
ああ、もったいないことしたなぁ……
まあ、仕方ないか。
「ん? そういえば、あの縄の巨人って、殴って倒せるものなのかな?」
「えっ、それは…… どうなんでしょうねッピ?」
「まだ倒れてはいるけどねニャ」
どうなんだろうな?
「あっ、縄の巨人が光っているッスよ!」
「えっ!?」
縄の巨人が白く光り、分裂していった。
そして、それらが人間になった。
「あれは縄にされた人々なのかな?」
「はい、そうなのです」
「あの人たちは無事なのか?」
「わたくしの電球が、全員命に別状はないと言っているのです」
「そうか。無事、元に戻れたんだな。良かった」
「ということは、縄の巨人は倒したということなのねニャ?」
「はい、その通りなのです」
「これでひと安心だな」
「そうねッピ」
それにしても、殴って倒せるとは意外だったなぁ。
「ん? 全員生存ということは、犯人も無事なのか?」
「はい、そのようなのです」
「これからどうなるんだろう? 逮捕されて、法の裁きを受けるのかな?」
「そうなんじゃないのッピ? まあ、なんにせよ、もうワタクシたちには、手が出せないわよッピ」
「そうだな」
では、これでこの問題は解決だな。
俺たちは何もやってないけどな。
いや、応援はしたか。
まあ、そんなの関係ないかもしれないけど。
「さて、これからどうしようか? そういえば、チカさん、ここに地球に帰れる場所はありそうか?」
「どうやらなさそうなのです」
「そうか」
ここもハズレか……
「では、寄り道した方が良さそうな場所はあるのか?」
「あるのです」
「なら、そこに向かおうか」
「ええ、そうねッピ」
「でも、今日は応援して疲れたから、明日にするでナンス」
「うむ、わしゃぁも疲れたのじゃ」
「今日はもう休むのじゃな」
「ああ、分かったよ」
「では、夕食の支度をしましょうか」
「頼むよ、リリィさん」
俺たちは夕食を取り、洗浄して、就寝した。
次の日。
「では、出発しようか」
「それじゃあ、鳥類にするッスよ」
俺たちは鳥類になった。
そして、飛び立った。
海上を飛んでいると、何かが泳いでいるのを発見した。
あのイルカのようなマスクは、イール・カオジ・サーンだな。
あいつ、ここにもいるのかよ。
生息場所が多いんだな。
まあ、どうでもいいけど。
しばらく進むと、陸地にたどり着いた。
そこには、大きな森があり、その中に石造りの大きな神殿と思われるものがあった。
ただ、もう朽ち果てているけどな。
屋根は完全に崩れ落ちていて、柱と壁がいくらか残っているくらいだ。
「あそこが目的地なのです」
チカさんが神殿跡を指差しながら、そう言った。
あそこに何があるのだろうか?
まあ、そんなの行けば分かることか。
俺たちは地上に下りた。
そして、神殿内に入った。
「ボロボロなところキュ!」
「こんなところに何があるのでしょねッピ?」
「そうだな」
「ヒモノさん、あそこに宝箱があるでヤンス!」
レデベールさんが指差しながら、そう言った。
そこには、簡素な石造りの祭壇があった。
その上には、木製と思われる宝箱がふたつ置いてあった。
「本当だ。あれらは
「いいえ、違うようなのです」
「そうか。なら、もらっておこうか」
「そうするでヤンス!」
宝箱を開けてみた。
そこには、白い大理石のように見える素材で作られた、刀を置く台のようなものが入っていた。
そして、その台には木の枝のようなものが置いてあった。
「これはなんだ? 見た目はただの木の枝みたいだけど?」
「わたくしの電球が、その通り、それは本当にただの木の枝だと言っているのです」
「ええっ!? なんでそんなのがわざわざ台に載せられて、宝箱に入っているんだよ!?」
「それは不明なのです」
「そうなのか」
意味が分からんなぁ。
「おい、おっさん!」
「なんだよ、聖剣?」
「その枝の載せられた台、そいつはなかなかの品だな!」
「ああ、確かにそう見えるな」
「そいつはもらっておこうぜ! そして、俺様を置くんだ!」
「分かったよ」
白い台を取り出し、頭に収納した。
「もうひとつも開けてみましょうよッピ」
「ああ、そうだな」
宝箱を開けた。
そこには、光沢のある黒い、刀を置く台のようなものが入っていた。
そして、その台には細い竹のようなものが置いてあった。
「今度はなんだ? ただの細い竹のように見えるけど?」
「わたくしの電球が、それは竹のような植物だと言っているのです」
「こいつには、何か特殊な力があったりするのか?」
「いいえ、何もないのです。それはただの植物なのです」
「なんでそんなのが宝箱に入っているんだ!?」
「それも不明なのです」
「そうなのか……」
訳の分からんことばかりだなぁ。
まあ、いつものことか。
「おい、おっさん、その台も良い品だな! そいつも俺様が使うから、もらっちまおうぜ!」
「分かったよ。それにしても、聖剣を置く台ばかり手に入るなぁ」
「フフフッ、そいつは俺様の日頃の行いが良いからだな!!」
「そうなのか?」
「そうに決まってんだろ!」
「まあ、確かに毎晩見張りをしてくれているからなぁ。そのご褒美なのかな?」
「ああ、そうに違いないぜ! さすがは俺様だな!!」
「はいはい、良かったな」
黒い台を取り出し、頭に収納した。
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