第166話 美味しいけど、たまらない

「ヒモノさん、そろそろ暗くなってくるわよッピ。移動した方が良いわッピ」


「お腹すいてきたキュ! 美味しいの食べたいキュ!」


「はいはい、分かったよ」


 結局カードニ・ブーツカァルトシ・ヌトーフーと、ウードォンデ・クゥビィツーレは、最初の一体ずつしか見つけられなかった。


 こいつらは、本当に生息数が少ないみたいだな。


 その代わり、偽者たちは一六体ずつも捕れてしまった。


 こっちは大漁だなぁ。



「では、チカさん、安全に野宿できそうな場所に案内してくれ」


「分かったのです」


 俺たちは飛び立った。



 キィガーナ・イーヨの森から、少し離れたところにある草原にやって来た。


「さっそく食べるでゴザル!」


「リリィお姉さん、料理してキュ!」


「分かりました」


 リリィさんがチェーンソーを取り出し、食材を切り始めた。


 今回はどんな料理になるのだろうか?



 さて、俺はどうしようか?


 とりあえず、テントを張ろうかな?


「社長、テントを張っておきました!」


「ああ、ありがとう、コロモ」


 仕事が早いなぁ。


 実に素晴らしいな!



 なら、俺は何をしようか?


 ……特にやることがないな。


 さて、どうする?

 何か周囲にないかな?


 俺はあたりを見回してみた。


 草原と遠くの方に森が見えるくらいだ。


 特に面白そうなものはないなぁ。


「むっ、食べられるものがあるでゴザル!」


 プリーディさんが、何かを見つけたようだ。


 ちょっと行ってみようか。



「何を見つけたんだ?」


「これでゴザル」


 プリーディさんが、青ネギのような植物を差し出してきた。


 臭いもネギっぽい感じだな。



「こいつもあったでゴザル」


 プリーディさんが、傘の開いていないマツタケのようなキノコを差し出してきた。


「ん? これはセイケ・ンーキィノォコか?」


「わたくしの電球が、その通りだと言っているのです」


「そうなのか。こいつは本当にどこにでもあるんだな」


「それだけ生命力が強いのです」


 すごいキノコだなぁ。



「では、リリィさんに渡そうか」


「そうするでゴザル」


 リリィさんに食材を渡した。



「完成しましたよ、どうぞ」


 リリィさんが料理を調理台の上に並べた。


 そこには、黄金色のスープ、青ネギのような植物、セイケ・ンーキィノォコ、豆腐、うどんのようなものが入った丼と、カニの脚肉のようなものが山盛りに載せられた皿が置かれていた。


「とっても美味しそうキュ! リリィお姉さん、この料理は何キュ!?」


「この丼に入っているものは、カードニ・ブーツカッテモシ・ナナイ・ゴーマァドーフーと、ソバウードォンデ・クゥビィツラナイ使った麺料理です」


 うん、まあ、それはそんな感じ見えるな。


「皿に盛ってあるものは、カードニ・ブーツカァルトシ・ヌトーフーと、ウードォンデ・クゥビィツーレを切ってゆでたものです」


「ゆでたら、赤くなったのか?」


「はい」


「へぇ、そうなんだ」


 なんでゆでると、こんな色になるんだ?


 エビやカニと同じ理由なのか?


 よく分からんな。


 まあ、どうでもいいか。



 では、食べてみようか。


 いただきます。


 俺はうどんのようなものを食べてみた。


 白出汁のうどんみたいな味がする。


 食感は普通のうどんと豆腐だな。


 青ネギのような植物は、普通にネギっぽい味と食感だ。


 なかなか美味しいなぁ。



 カニっぽいものも食べてみるか。


 おおっ!

 これは美味しいな!!


 食感はプリプリとしていて、カニみたいな味がするぞ!!


 高額で取り引きされるのも納得できるうまさだな!


「この赤いの、すごく美味しいキュ!」

「ええ、本当ねッピ!」

「美味しいでヤンス!」


 他のみんなにも好評なようだ。



「いやあ、美味しいかったな! リリィさん、ごちそうさま!」


「お粗末様でした」


「美味しかったキュ! また食べたいキュ!」


「まったくでゴザル!」


 確かにまた食べたいな。


「なら、明日も探しに行くか?」


「そうするでゴザル!」


「いっぱい捕るキュ!」


「ワタクシもそれで良いわよッピ。売却する分も確保したいしねッピ」


 他のみんなも賛成のようだ。


「決定だな。では、そろそろ寝るとしようか」


「皆さん、その前に洗浄しますよ」


「ああ、分かったよ、セレンさん」


 洗浄してもらった後、就寝した。



 次の日。


 またキィガーナ・イーヨの森で狩りをした。


 しかし、狩れるのは擬態している偽者ばかりで、本物は狩れなかった。


「残念でゴザル……」


「また食べたいキュ……」


「なら、また明日も狩りに行こうか?」


「そうしようキュ!」


「賛成でゴザル!!」



 しかし、その次の日も狩ることはできなかった。


 偽物は大漁だけどな。


「また明日も狩りに行くでゴザル!」


「そうしようキュ!」


「はいはい、分かったよ!」



 さらに、その次の日はカードニ・ブーツカァルトシ・ヌトーフーと、ウードォンデ・クゥビィツーレを一体ずつ狩ることに成功した。


 その日の夕食に、みんなで美味しく食べ尽くした。


「うまかったでゴザル!」


「また食べたいキュ! 明日も狩りに行こうキュ!」


「えっ、明日も行く気なのか?」


「良いんじゃないのッピ? 売るものが何もないしッピ」


「まあ、いいけど」



 次の日も朝から森で狩りをした。


 カードニ・ブーツカァルトシ・ヌトーフーと、ウードォンデ・クゥビィツーレを一体ずつ狩ることができたが、その日の夕食に、みんなで美味しく食べてしまった。


 あれ?

 売るものが全然たまらないな。


 もしかして、ここではお金をためられないのか?


 ……ダメダメじゃないか!?

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