第157話 また発見

「こんな不潔なものは、捨ててしまいますね!」


 セレンさんが地面に薬をぶちまけた。


 そして、そこにぬるま湯をぶっかけた。


 さらに、ワインボトルのような容器の中もキレイに洗っていた。


 几帳面きちょうめんだなぁ。


「ああ、もったいないでございますね。セレンさんが飲んで、ヒモノさんと生殖活動をすれば良いのにでございます」


「セイカさん、また洗浄されたいのですか?」


「いいえ、遠慮しておきますでございます」


「遠慮なんていりませんよ?」


「落ち着いてくれ、セレンさん。もういいって」


「いいえ、ダメですね! 洗浄します!!」


「「ぎゃああああああああああああああっ!!!」」


 俺とセイカさんは洗浄された。



 なんで俺まで洗浄されたのだろうか?


 ああ、ひどい目に遭ったなぁ。


「社長、空の宝箱とボトルを収納しておきましたよ!」


「ああ、ありがとう、コロモ。では、そろそろ出発しようか」


「はい、分かりました、社長!」


 俺たちは飛び立った。



 しばらく進むと、白く巨大な下り螺旋らせん階段を発見した。


 階段はショッキングピンクではないんだな。


 なぜかちょっと安心したぞ。


「ヒモノさん、ここを下るのです」


「また下に行くのか。もしかして、この下には人が住んでいるのかな?」


「それは不明なのです」


「そうか。まあ、行ってみれば分かることだな。では、進もう」


 俺たちは階下に向かった。



 そして、俺たちは進み続けた。


 廃墟はいきょの八階、紅葉した森の七階、洞窟の六階を抜けて、五階までやって来た。


 五階は相変わらずの巨大な和室なんだな。



 さらに進むと、和室から抜けた。


 すると、そこには砂浜と海と思われる巨大な青い水たまりがあった。


 後方には、巨大な岩壁が続いていた。


 上には、所々白く光る岩の天井があった。


 ここも未開の領域の入り口と同じようなところだな。


「ずいぶん広い場所に出たわねニャ」


「ええ、そうねッピ。そこの水たまりは海なのッピ?」


「わたくしの電球が、海だと言っているのです」


 ほう、やはりあれは海なのか。



「チカさん、ここに地球に帰れる場所はありそうか?」


「うーん、どうやらなさそうなのです。ただ、寄り道した方が良さそうな場所はあるのです」


「そうなのか。なら、そこに行ってみようか」


「分かったのです。こちらなのです」



 しばらく飛んで行くと、何かが海を泳いでいた。


 イルカのようなマスクと、黒いダイビング用のスーツを身に着けている人型の何かだ。


 バタフライのような泳法で泳いでいる。


 あれはイール・カオジ・サーンだったっけ?


 ここにもいるのかよ。


 その後も何度か、何かのマスクと黒いダイビング用のスーツを身に着けた、バタフライで泳ぐ人型のミョガガベに遭遇した。


 ここの海には、必ずああいった生物が生息しているのかな?


 なぜなのだろうか?


 まあ、そんなのどうでもいいか。



 さらに進むと、大陸が見えてきた。


 あそこには、何があるのだろうか?


 そういえば、チカさんがここはやや危険な道だと言っていたな。


 それはなんなのだろうな?


 まあ、とりあえず、気を引き締めていかないと。



 大陸の上空を飛んでいる。


 ここにも草原、森、川、天井とつながっている壁に、小さな山なんかがあるみたいだな。


 こういうところは前と変わらないな。



 さらに進むと、前方に茶色い西洋の城壁のようなものが見えてきた。


「あれはなんなのだろうか?」


「わたくしの電球が、あれは町だと言っているのです」


「ということは、人がいるということだよな?」


「はい、その通りなのです」


 やはりいるのかよ。


「なら、寄ってみようか?」


「そうするべきなのです」


「よし、なら、行こうか。そういえば、俺たちは町に入れてもらえるのかな?」


「モザイクをかければ問題なさそうなのです」


「そうか。では、マモリさん、頼むよ」


「了解であります」


 俺たちはモザイクに包まれた。


「では、町に向かおう」



 俺たちは町の中に入った。


 周囲には、石畳の道路、街路樹がある。


 さらに、日本の普通住宅くらいの大きさの、茶色いダンボール箱のようなものが大量に並んでいる。


「あのデカい箱は、なんなのだろうか?」


「あれは家なのです」


「あれが家? へぇ、そうなのか。変わったデザインだなぁ」


 こういうものを見ると、なんだか異世界に来たって気分になるな。


 まあ、実際に来ているのだがな。



 町中を歩いている。


 人通りはそれなりにあるな。


 道行く人は、普通の人間だな。


 彼らは日本で普通に売っていそうな服を着ている。


 文明のレベルは高いのかな?



「ところで、チカさん、この町のどこに行けば良いんだ?」


「この先のようなのです」


「そうなのか。では、行ってみよう」



「ここなのです」


 チカさんが指差しながら、そう言った。


 そこには、他よりも五、六倍大きなダンボール箱があった。


「ここはなんなんだ?」


「わたくしの電球が、魔法の学校だと言っているのです」


「えっ!?」


 この町には、そんなものがあるのかよっ!?


「わたくしの電球が、ここならMPを上げる方法があると言っているのです」


「おおっ、それは素晴らしいのじゃ!」


「よし、なら、入ってみるか! って、この建物はどこから入るんだ?」


 入り口らしきものがないのだが?


「こちらにあるのです」


 チカさんが建物の壁の前に立った。


 すると、壁の一部が自動ドアのように真横に動いた。


 えっ!?

 こんな開き方をする入り口があったのか!?


 ここの文明レベルは相当高いみたいだな!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る