第155話 ピンクな九階
俺たちは九階にやって来た。
そこは一面ショッキングピンクの世界だった。
「な、なんだここは!?」
「どうやらここは、ピンク色の洞窟のようなのです」
「えっ、そうなの!? なら、ここの壁や地面は、土や岩でできているのか!?」
「はい、そうなのです」
試しに地面に触れてみた。
確かに土や岩のような感触がした。
ついでに周囲を見回してみた。
ここは広大な円形の部屋のようだ。
中央に下り
天井もショッキングピンク。
他の階と同じく、所々白く光っている場所があり、とても明るい。
「確かに洞窟みたいだな。なんでこんな色をしているんだ!?」
「わたくしの電球が、色が統一されていること自体が
「なるほどな。敵や他の罠もピンク色をしているのかな?」
「その可能性が高いのです」
「そうか。なら、気を付けて進まないとな」
「そうねッピ」
「むむっ、あそこに食べ物があるでゴザル!」
プリーディさんが指差しながら、そう言った。
「ん? どこにあるんだ?」
みんなピンクで、よく分からないぞ。
「あそこにあるでゴザル」
「うーん、よく見えないな……」
「なら、拙者が採って来るでゴザル」
プリーディさんがそう言って、走って行った。
そして、俺たちから少し離れたところで、地面にある何かを拾っているようだ。
いや、あれは植物を引き抜いているのかな?
「採って来たでゴザル!」
プリーディさんがショッキングピンクのほうれん草のような植物を差し出しながら、そう言った。
地面に、こんなものが生えていたのかよ。
全然気づかなかったぞ。
本当に見えにくくて、厄介だな。
「さっそく食べてみるでゴザル!」
「では、料理しましょう」
リリィさんがピンクのほうれん草のような植物を、
食べてみると、なぜか桃のような味がした。
食感はほうれん草のような感じだったので、違和感がすごかった。
まあ、それでも結構美味しかったけどな。
「ところで、チカさん、ここに地球に帰れるところはあるのか?」
「なさそうなのです」
「そうか」
ここもダメか。
いったい、いつになったら帰れるのだろうな?
「ただ、ここにも分かれ道があるようなのです」
「またか。日本に帰れそうな道はあるのか?」
「そこは不明なのです」
「そうなのか。それでどんな道なんだ? また危険な道なのか?」
「はい、やや危険な道と、かなり危険な道と、とても危険な道の三つがあるのです」
ええ……
また全部危険なのかよ……
「ヒモノ、どこに行くのニャ?」
「そうだな。また一番安全なところからにしようか?」
「そうねッピ。そうしましょうッピ」
「それが無難ねッスわ」
「他のみんなも、それで良いかな?」
賛成多数で可決された。
「では、チカさん、案内してくれ」
「分かったのです。では、出発なのです」
俺たちは飛び立った。
ああ、視界が全部ピンク色だな。
目がおかしくなりそうだ。
早くここを出たいものだな。
「むっ、また食べ物があるでゴザル!」
「えっ、どこに?」
「そことそこでゴザル」
プリーディさんが地上を指差した。
その二か所には、ショッキングピンクの大きな丸い岩のようなものがあった。
大きさは直径二メートルくらいだ。
「あれは、ただの岩じゃないのか?」
「いや、あれは生物でゴザル! 拙者の直感がそう言っているでゴザル!」
「わたくしの電球も、あれは生物で敵だと言っているのです」
「そうなのか。あんなのよく気付いたな」
さすがは、食に関する直感が鋭くなる能力の持ち主だ。
「ちょっと倒してくるでゴザル!!」
プリーディさんが地上に下りて行った。
そして、岩を蹴り付けた。
「ぐあっ!?」
「ぎゃっ!?」
岩から悲鳴が上がった!?
どうやら本当に生物だったみたいだな。
「終わったでゴザル!」
プリーディさんが手を振っている。
よし、行こうか。
俺たちは地上に下りた。
近くで見ても、ピンクの岩にしか見えないヤツらだなぁ。
「さっそく料理して欲しいでゴザル!」
「分かりました」
リリィさんがチェーンソーで、ピンクの岩を切り始めた。
あれはいったい何になるのだろうか?
「そういえば、プリーディさん、エクスレトとステータスウィンドウせんべいは見つけたのか?」
「見つけたでゴザル。エクスレトの方は、すでに取り込んだでゴザル」
「そうなのか。では、ステータスウィンドウせんべいを見せてくれるか?」
「どうぞでゴザル」
プリーディさんから、ステータスウィンドウせんべいを受け取った。
ふむ、あの岩のレベルは九百億なのか。
ステータスはどれも同じくらいだな。
特殊能力は『体色を変化させる能力』と『体のどこかに人間の手足を出す能力! 二四組限定です!』か。
なるほど、って、えっ!?
人間の手足が二四組も出せるのか!?
気持ち悪すぎるだろ!?
とんでもないヤツだな!?
「できました。どうぞ」
リリィさんが料理を調理台の上に並べた。
そこには、ショッキングピンク一色のステーキのような形をしたものを載せた皿が置かれていた。
「これがさっきの岩っぽい生物なのか。どんな料理にしたんだ?」
「切って焼いただけです」
「そうなんだ」
ただの焼き肉なのかよ。
では、食べてみようか。
いただきます。
俺は肉をひと口食べてみた。
はぁっ!?
な、なんだこれは!?
食感は弾力のある肉みたいな感じだが、味は桃っぽいぞ。
うーむ、違和感がすさまじいなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます