第144話 七階

 では、後始末をしようか。


 和洋折衷甲冑のエクスレトを見つけたので、取り込んだ。


 うーん、なんだか強くなった気がするようなしないような感じだな。


 そういえば、最近ステータスを聞いてなかったな。


 今、俺のレベルはどのくらいあるのだろうか?


 ステーさんに聞いてみよう。


「ヒモノのレベルは『よわツヨふつー強フツーつよ普通? ん? 私そこそこ普通に強いような気がしない?』だ」


「そうなのか」


 うーむ、相変わらずよく分からんが、弱いという言葉がだいぶ減ったな。


 これは強くなったということなのだろうか?



 ステータスウィンドウせんべいを発見した。


 和洋折衷甲冑のレベルは六千億なのか。


 攻撃力、素早さ、器用さが他より高めだな。


 特殊能力は『ナガイボクロナマコを出す能力』と『コォオ・イーセーシィ・レーザーを出す能力』のふたつがあるようだ。


 コォオ・イーセーシィ・レーザーか……


 ここにツッコミを入れるのはやめておこう。


 洗浄されるかもしれないからな。



「こいつは食べられそうでゴザル!」


「なら、食べるキュ! リリィお姉さん、料理してキュ!」


「分かりました」


 えっ、そいつを食べるのか!?


 そいつの中身はどうなっているんだ!?


 見た目通りのものが入っているのなら、食べたくないのだが!?


 ちょっと確認してみよう。


 俺は和洋折衷甲冑のかぶとを外してみた。


 あれ?

 人間は入っていないな。


 それどころか、内部は空洞になっているぞ。


 どういうことだ?


 もしかして、こいつは甲冑だけで動いている化け物だったのかな?


 ん?

 ということは、こいつのどこを食べるんだ?



 そんなことを考えていると、リリィさんが和洋折衷甲冑を、容赦なくチェーンソーでぶった切った。


 そして、切ったものを寸胴鍋に入れ、セレンさんに水を入れてもらった。


 えっ!?

 もしかして、あの甲冑を煮て食べるのか!?



 その後、リリィさんが寸胴鍋から和洋折衷甲冑を切ったものを取り出した。


 そして、そこに野菜、キノコ、和洋折衷甲冑のステータスウィンドウせんべいを入れた。



「完成しました。どうぞ」


 リリィさんが料理を調理台の上にスープ皿を並べた。


 そこには、野菜などが入った黄金色のスープが入っていた。


 これがあの甲冑を使って作った料理なのか。


 見た目は美味しそうなスープだな。


「こちらもどうぞ」


 リリィさんがイボクロナマコとターマハマグリを焼いたものと、買っておいた丸パンも調理台に並べた。


 これが今日の夕食か。



 では、食べてみるか。


 いただきます。


 俺はスープを飲んでみた。


 甲殻類の出汁みたいな味がして、とても美味しい。


 和洋折衷甲冑は、エビやカニの仲間なのだろうか?


 まあ、そこはどうでもいいか。



 食事を終えた後に、みんなと今度の相談をした。


 もう六階でやることはないそうなので、休息を取った後に七階に行くことにした。



 俺たちは七階にやって来た。


 周囲は、ここの三階のような深い森だ。


 ただ、なぜかすべての木が紅葉している。


 そして、地面にあかい落ち葉の絨毯じゅうたんができている。


 とても美しいな。


 天井は六階とあまり変わらない、所々白く光る岩の天井だけどな。



「これは見事な紅葉ねッピ!」


「キレイでヤンス!」


 みんなも周囲の景色に感動しているようだ。


「ヒモノさん、上空に行ってみましょうよッピ。周囲の様子も分かるし、景色も楽しめそうだからねッピ」


「ああ、そうだな。では、行こうか」



 上空にやって来た。


 そして、周囲を見渡してみた。


 どうやらここは三階と同じような場所のようだ。


 壁で区切られていない広大な空間で、起伏に富んだ地形をしている。


 地上は木々で埋め尽くされていて、そのすべてが紅葉している。


 上空からの景色も、とても美しいな。


 おや?

 遠くに上り螺旋らせん階段が見える。


 ここも三階と同じなんだな。



「空からの景色も素晴らしいわねニャ」


「そうですね。心が清潔になっていくようです」


 みんなも景色を楽しんでいるようだ。


「むむっ、近くに食べられそうなものがある気がするでゴザル!」


「食べ物キュ!?」


 前言撤回。


 花より団子な連中もいるようだな。


「どこにあるのキュ!?」


「あっちでゴザル! 突撃でゴザル!!」


 プリーディさんたちが地上に下りて行った。


 やれやれ、また勝手な行動を……


 仕方ない、俺も行くか。



 プリーディさんたちを追って、地上に下りた。


「あれでゴザル! あれが食べられるでゴザル!!」


 プリーディさんが指差しながらそう言った。


 そこには長さ一メートル、太さ十センチくらいのヤマイモのようなものが、地面からまっすぐ上に伸びていた。


 そこは埋まっているものじゃないのか?


 まあ、そんなのどうでもいいか。



「では、採るでゴザル」


 プリーディさんがヤマイモのようなものを引き抜いた。


 えっ、地中から緑色のつると、細長いハート型の葉が出て来たぞ!?


 なんでだ!?

 逆じゃないのか!?


 って、そんなのどうでもいいか。


 あいつはそういう植物なんだろう。



「ここを食べるでゴザル!」


 プリーディさんがイモの部分を捨てて、葉とつるを掲げながらそう言った。


「イモじゃなくて、そこを食べるのか?」


「その通りでゴザル」


「イモみたいな部分は?」


「ここは食べられないでゴザル」


 また逆なのか。


 妙な植物だな。



 その後、葉とつるをリリィさんに煮てもらい、食べてみた。


 なぜかサツマイモみたいな味がして、とても美味しかった。


 いつも通り、ここには不思議がいっぱいだなと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る