第118話 しば犬の彼との生活

 雷にはおののいている彼ですが、それ以外ではだんだん自信をつけてきております。


 それは、お散歩から帰ってきた時だったり、ご飯を食べる時だったり。


 とにかく、迷いがなくなった感じですかね。自分の家、自分のご飯。自分のおやつ。家族と。それは嬉しい変化なのです。


 前の子にはね、できなかったことをしようって、決めていて。だからって特別なことではなくて。


 朝はおはようって声をかけるとよって来てくれますし、夜はおやすみ、の前に、今日もおりこうさんだね。いい子だね、偉いね。どうもありがとうね。また明日、みんなで一緒に遊ぼうねと声掛けをします。


 よほど私の具合が悪くない限り、声かけはほぼ毎日つづけています。


 人生って、先のことがわからないじゃないですか。だから、感謝できる時に感謝して。今日も生きていてくれてありがとうって、一日を終えると、心のつっかえとか、そんなものがなくなるのですよね。


 彼も、目を細めて、私の顔を見ていてくれて、とても幸せな時間なのですよね。


 ですが相変わらず、扇風機の風向きでカレンダーがぱらってすると、驚いてしまうところもありますけども。


 つづく

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