第103話 しば犬って、だいたいこんな感じです

 今回は、愛が溢れすぎて、少しばかり長編となります。ご了承ください。


 しば犬の魅力といえば、赤ちゃん時代のコロコロとした可愛らしさや、愛らしい仕草などがありますが、実はそれだけではありません。


 私の家で飼ったことがあるのはしば犬だけ(雑種交配も含めて)ですので、今回はしば犬の魅力と共に、実は、しば犬ってこんなことをするんです、という注意事項なども書いていきたいと思います。


 それもひとえに、可愛くなかったから捨てた、ということがないように。との願いを込めて。


 さて。まん丸な赤ちゃん状態で家に来たのは前の子のみです。生後数十日くらい? で、乳歯でした。


 親父さんが自営業でしたので、お客さんから犬いる? もらう、もらう、というなんとも安易な会話で成立してしまったので、私が知らされたのと、前の子が家に到着したのはほぼ同時でした。


 親父さんは、部屋の一室に新聞紙を敷きつめました。落とし物対策です。


 当時はまだ、ペットシーツとかはなかったかな? それくらいです。


 とりあえず、親父さんは仕事に戻ったので、よろしくね、と挨拶をしました。私が名前をつけると、どうしても洋風になってしまうので、親父さんがつけることになり、まずは、哺乳瓶がないので、人肌で温めたミルクと、元いたお家で食べていたという柔らかいフードを食べさせようにも、一旦箱から出す必要があります。ちなみに、普通のみかん箱みたいなもので、前の子はすっぽりとおさまっていました。むしろ余っていた空間が愛しくて。


 私はその子のあなたにすべておまかせしますー的なちっさい命をそーっと、そーっと抱き上げて、新聞紙の上に下ろしました。


 まずはおトイレです。いきなり大きな落とし物をしてくれたので、安心して新聞紙を交換して振り向いたら、小さな落とし物も入念でした。


 が、やはり初めての場所なので、落ち着かないのか、嫌がらない程度に優しく話しかけて、なでてみます。


 そして、ミルクがあたたかいうちに、とお皿を出したのですが、やはり哺乳瓶でなければ飲まなかったので、私の指にミルクをつけて、口元に持っていきました。最初は警戒していましたが、肝の座った子でしたので、私の指ごと乳歯でバリバリ噛んできます。なので、少しずつ誘導して、自分でミルクを飲ませることに成功。フードも手で掴んであげたところ、また私の指を噛み噛みしてくれました。


 そして夜です。夜中の十二時過ぎかな? 突然の夜泣きで慌てて起きて、抱っこして、どうすればいいのかわからないので、心臓の音を聞かせながら、子守唄を歌ったところ、うとうとしました。


 以来、この子が老犬になるまで、一回だけの夜泣きでした。


 老犬になってしまうと、夜は寂しいのか、みんな結構夜泣きします。


 さて、歯が生えてくるとどこでも噛み噛みします。大黒柱だってなんのそのです(この辺は、その子の性格にもよると思います)。そして穴掘りが大好き。もう至る所をホリホリします。


 最初の頃は家の中で落とし物をするため、なかなかお散歩までいけません。ですが、多くのしば犬がそうであるように、お外で落とし物ができるようになると、雨でも台風でも、外でしかやってくれなくなります。


 また、その子の性格もありますが、ボールが好きな子もいれば、嫌いな子もいます。


 基本、飼い主にはツンデレ属性で、女性が好きなようです。優しいからかな? あとは、どうやら女性の演歌歌唱が好きみたいで、目を細めています。


 しば犬を室内で飼うということは、中耳炎、そして皮膚病になりやすいので、よく気をつけて見ていてあげましょう。


 また、やんちゃな子はとことんやんちゃで、静かな子はずーっと静かです。


 暑い夏も嫌いですが、寒い冬もちょっとは苦手です。雷や花火大会などの時は、そばにいて、気を紛らわしてあげましょう。


 吠える子と、吠えない子がいます。また遠吠えする子もまだいるみたいです。


 シャンプーは苦手です。これも、その子によります。好きな子は好きです。


 お散歩が好きな子と、嫌いな子もいます。


 なんとなーく気がつくと、家の中に抜け毛が転がっていたり、ご飯や卵焼きから毛が出ていることもあります。


 意識的に軽く体当りしてきたり、足を踏まれたり、黒い服を着ていると、コロコロが必要になります。


 いたずらする子はとことんまでやります。


 大人になっても、合皮のスリッパは大好きで、ずーっと噛み噛みしてます。


 遊んでくれる子もいれば、おもちゃが怖い子もいます。


 お散歩の距離も、その子によってマチマチです。


 よく見ていないと、おもちゃを食べてしまう子もいるので注意してあげてください。


 フードやおやつなんかは、時々変えてあげたりしても喜びます。


 老後のためにも、シーツでのトレーニングもさせたいところですが、彼らにだって、外に出て、外の匂いを嗅いだり、そういうことも思い出として残るので、抱っこして連れて行ってあげるのもよいでしょう。今はペットカートもありますからね。


 さてさて、一気に書き上げてしまいましたが、これが実は一番大切なんですよ。


 やんちゃな子も、おくびょうな子も、しば犬であれば多少頑固なところがあります。なので、言うことを聞かないからと言って殴ったりとかは絶対にしないでください。


 噛み癖とか、他人に迷惑になること以外は、できるだけ自由にしてあげて欲しいかな? 無理に芸を覚えさせなくても、というのは私個人の考えです。


 さてさて、だいたいのことは書けたでしょうか?


 最後に一つだけお願いがあります。


 赤ちゃんしば犬は本当に可愛いですが、乳歯で噛まれれば、まだ加減がわからないのでそれなりに痛いですし、血が出たりしますし、想像以上にやんちゃだったり、いたずらしてなにかを壊したり、お留守番に耐えかねて落とし物をしてしまうこともあります。


 ですが、それでもたった一つの限られた命です。連れてきた以上は、最後まで責任を持って育ててあげてください。


 また、最後の最後になりましたが、実はこれが本当は大切中の大切!! 動物を迎える、ということは、予想外の出費が出ることもあります。もちろん、初期費用や獣医さんでのワクチン、予防薬なんかはもちろん、ご飯代におやつ代なんかも、愛犬ファーストになりますよね。けれど、突然病気になることもあるかもしれませんし、本当に最後まで看取ってあげてほしいのです。


 どうか、彼らの命をムダにしないよう、覚悟を持って、よろしくお願い致します!!


 また、私がわかる範囲でしば犬について質問のある方は、遠慮なくコメント欄に書き込んでください。


 つづく

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