第42話 異国の地で劇団『ベテラン座』を作った夢の話
今回は、私の夢の話です。なんだかとても鮮明に覚えているので、今のうちに残しておきますね。
まず、ここは日本ではなさそうです。どう見てもメキシコか、そんな場所なのです。サボテンがたくさん生えていて、途方もなく長い道路がつづく道。そのキワに、私たちの住む掘っ建て小屋がありました。
ちなみに小屋は日本ぽかったです。多分私が建てたのだと思います。理由はのちほど。
さてさて、異国の地にも関わらず、登場人物はすべて日本人。私は、白いお髭を生やしたおじいちゃんで、脚本、および長年の夢だった大道具、小道具の係りでありました。
なぜか、女性ばかりの新設の劇団には、私の好きな女優さんもおりました。そしてそろって日本語しか話せないという。まぁ、夢だからそれでもいっか。という中で、話はどんどん進んでゆきます。
なんだか台本がイマイチとの指摘を受けた私は、あれやこれやと直してはいるのですが、皆様の気に入らないものになってゆきます。
ギスギスした空気の中、やってきましたベテラン女優。ここではかなりの悪役ですので、お名前は省かせていただきます。
で、ベテラン女優さん。なぜか突然我が城に現れたかと思うと、悪いところをズバズバ指摘します。
その中で、私の好きな女優さんのことを「鼻づまりがひどくて、セリフが聞き取れない!!」と一刀両断(実際はそんなことはありません。あくまで夢の中だけでのお話です)。彼女は小屋を去って行きました。
残ったのは、ほぼほぼ素人の女優さんとベテラン女優さん。そして脚本家の私。
ベテラン女優さんは容赦なく、台本を書き換えてゆきます。
そうして厳しいしごきの結果、異国の地で日本語だけのお芝居は拍手喝采の大成功!!
公演がおわると、さっそくの打ち上げです。が、そこは貧乏劇団。日本でしか売ってなさそうなちーさな冷凍蟹を一匹だけ入れたお鍋を作ります(はたして鍋といえるのか)。
ここまでしてくれたベテラン女優さんの前に、熱々に茹だったちーさな蟹の殻を割ると、何故かお腹から生卵が出てきました。不思議。
それを見て、気分を悪くしたベテラン女優さんは、売上金をすべて持って去って行きました。
あわや、劇団の危機に。
ですが、劇団で一番ベテラン女優さんにしごかれていた女優さんが一念発起して、やる気になります。
すべてを出し尽くした私はここで退場。あとは若い人たちでやってください、です。
さて、空港です。親父さんにお土産を買って帰らなきゃな、という使命感から、ホカホカの大判焼きを買って飛行機に乗ろうとしたところで、周りにいた人たちがすべて消えております。なんだ、なんだ!? 突然袋小路に迷い込んでしまった私は、家に帰ることができなくなってしまいました!!
そこでリアルの朝です。よかった。帰ってこれた。おみやげは持って帰ってこれなかったな、とまだぼんやりしながら、起きたのでした。
つづく
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