「星の言葉のひとかけら」惑星テラ ファイナル・カウントダウン 

来夢来人

第1話 神と宇宙連合

 この宇宙の彼方、そこは人間が天界と呼ぶ、神の領域だった。

 そして神の世界にも、階級は存在した。しかし彼等はそれを、階級とは認識せず、ただ成長のレベルの度合いを表わしていると考えた。


 神の一人が、もう一人の神に言った。

「エデン3の様子がおかしいとさっき聞いた。本当かね?」

 尋ねた神は、もう一人の神より年上で、人間で言えば、老人と云っても良いぐらいの年齢だった。神は人間に比べると寿命は遙かに長いのだが、しかし不死の存在ではなかった。神にも寿命はあった。


「最近は安定していたのですが、急な変化が起こり、不安定になりました。

急遽、状況分析と原因究明、危機を回避するためにルス・ヘルメスを派遣したところです」


 ルス・ヘルメスはこの宇宙を束ねる宇宙連合の高級官吏で、時間管理部門のトップだった。役職的には、このような現場職務はもっと下級の官吏がする仕事なのだが、今回は特別だった。

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