第3章 武器完成。そして2回目の外出
第17話 休憩時間 ~仮眠、昼食、今後の予定
その後、更にオオバコっぽい葉を収納し、観測所へと戻る。
結構疲れた。
400mちょいしか歩いていない筈なのに。
足下に気を使う必要があるとか、靴に慣れていないというだけでは無い。
どうやらこの身体、あまり体力は無いようだ。
目覚めた後、運動らしい運動を全くしていないから当然かもしれない。
これから少しずつ身体を鍛えた方がいいだろう。
ただ筋トレというのも違うように思う。
それにエリとマキの体力も上げる必要がある。
なら歩く機会を増やしていくのがきっと正解だ。
ただし無理をする必要はない。
まだ20年近く、制限時間はあるのだから。
「ここで靴や服の汚れを落とした方がいいです」
観測所に入ってすぐ、マキからそんな注意がきた。
確かに靴は濡れているし、草切れや泥がついている。
ここで
この注意はエリが自主的に判断して言ってくれたものだろうか。
そうだったらいいな、と思う。
だから礼を言っておこう。
「ありがとう、エリ。そうします」
礼を言っても特にエリの反応はなかった。
今のは
それだと少しがっかりだ。
『
『わかりました……完了しました』
これであっさり綺麗になるところが魔法だ。
いや実際は魔法ではないのだけれども。
リビングへと戻る。
『
『10時35分です』
まだ昼食には早い。
とりあえず着替えるとしよう。
しかし着替えるなら自室へ行った方がいい。
そしてどうせ自室に行くのなら。
本棚を見てみる。
エアライフル関係の本が3冊入っていた。
3冊とも取り出して手に取る。
「それじゃ僕は自室に戻って、着替えて一休みしています。エリとマキも着替えて、自分にとって楽な状態で自由に過ごして下さい。本を読む、お風呂に入る、その他この部屋にあるものは何でも使って結構です。
12時になったらお昼御飯にしましょう」
自分にとって楽な状態で自由に過ごして下さい。
そういう指示だ。
「わかりました」
「わかりました」
2人が着替えはじめる前に自室へ。
入ってすぐ、まずは靴から脱ぐ。
この靴、歩いていて安心なのはいい。
その代わり重くて固く、長時間履いていたら蒸れそうな気もする。
一応防水透湿素材を使っている筈だけれど。
靴を脱いだらついでに上着もズボンも脱いで着替える。
脱いだものはもう一度
本当は料理研究をしたいところだ。
しかし肉はともかく、野草類を美味しく調理するには試行錯誤が必要な気がする。
昼までに出来る自信は無い。
それに身体が結構疲れている。
本当はエアライフルについて概念図を描くつもりだった。
しかし昼まで1時間ちょい、休憩するとしよう。
急ぐ事は無い。
『
『わかりました』
ベッドに横になる。
◇◇◇
アラームで目を覚ます。
髪を手櫛で直し、服も少しだけ整えて部屋の外へ。
すでにテーブルの方は準備が出来ていて、エリとマキも席に着いている。
勿論テーブル上にあるのはいつものディストピア飯だ。
「準備ありがとう」
そう2人に言って、席に着く。
「それでは、いただきます」
やっぱりディストピア飯だ。
いい加減飽きた。
種類がこれだけしかないというのはいただけない。
これが作られた時代には食の楽しみというものが無くなっていたのだろうか。
それとも資源節約と生産能力集約という意味で、単一のものにしているのか。
これが嫌なら自分で食物を開拓するんだな、という意味なのか。
でもまあ、無いよりはよっぽどましだ。
そう思いつつ完食。
「ごちそうさまでした」
さて、この後は何をしようか。
エアライフルの仕様を決めて頼むのを優先するか。
採取した食料の調理方法を考えるか。
体力作りで
作業的にはエアライフルの仕様を考えるのが楽しそうだ。
でもディストピア飯から離れるには食料調理。
体力作りは夕方に歩けばいいだろう。
朝と夕、1日2回周囲を歩くという習慣にすればいい。
『
『18時58分です』
『
『わかりました』
毎日朝食後と、18時にこの建物の周囲を歩くことにする。
勿論雨が降っていたり風が強かったりしたらパスで。
当座の体力作りはこれでいいだろう。
上手くいけば肉の採取が出来るかもしれないし。
このことは2人にも言っておこう。
「これからは毎日、朝食後と夕方に外に出て、この恩恵の地の周囲を一周しようと思います。何も予定ややるべき事がなく、雨が降っていたり、歩くのに危険な程度に風が吹いていたりしなければ、ですけれど。
何か問題はあるでしょうか。エリもマキも何かあったら言って下さい」
「何もありません。わかりました」
「わかりました」
あっさり。
まあそうだろうと思ったけれども。
さて、それではこの後は……やはりエアライフルを考える方を優先しよう。
間に合えば今日の夕方の外出で試射までしておきたい。
そうすれば明日から安心して森を調べる事が出来るから。
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