詩人の恋詩集

第17話aエデンの園

　楽園の柵、動物たちの、戯れ。

　光を浴びて浮かび上がる、茫洋とした異次元空間の、寂寞！　爆裂！

　枯れ落ちる涙の残骸。

　おしゃれなしゃれこうべ。

　首から下げる逆さ十字の、ドラキュラ変質者。

　ニンニクの中の筋肉。似通ったワイングラス。注ぎ込まれる処女の血。ボイルドエックの、ハードなタイツ。ブーツ。トランペットのワルツ。白鳥の湖で踊る美しき花嫁。寄せ付けない、圧倒的な美貌。ティファニーで朝食をとる、マリリンモンロー。そして、いたいげなバーンスタイン。交響曲第９番、楽園の歌。最高なオンガク、酔いしれる美徳の注がれた、適切な闇の中の光。幻灯。そして、オレンジ色の雲、隙間からのぞくのぞき窓、うれしい寒気、第九。鳴り物入りの、広角的な、ラブセンス。いったいどこへ、すすり鳴く乙女。雅歌はもうない。自己満足の即興演奏。ピンクの水玉。踊る、踊る、ダンスは華僑へ。バルザック。踊りを踊る、線香の先のセンテンス。

ここらで終わり、楽園の扉が開く。雪崩こむ幻惑の魔物。切迫した、落日の戦士。破れかぶれの後生大事な、宝物。幼いころの幻を追っているトレジャーハンタ。今でも、私は夢見ごち。狂喜な乱舞、舞踊の斉射。落ちていく、光の届かむ、牢獄で読む、楽園を暗示する聖なるバイブル。さあこのまま静寂まで突破していこう。

希望を破りすてた。

手紙、流行る筆跡あの軌跡。

爆弾が飛んでくる。エレメントでエロティックな美貌。

人間のエゴイズム。その手が、清らかなら　隠した手は不潔だ。　せせら笑う　阿呆な鳥。

偽善を打ち破れ、人工的な絵かきの奥のせせらぎを。しかし、眠っている、現在進行形の元型。

眠れ。明日はこない。絶望の夜明けの

中を、絶対生命地獄の阿鼻叫喚。

祝福。

伏せられ希望の消耗。　　

完全燃焼、そしてエデンを目指した、旅人は、オアシスを探している、ずっとずっと……。