吟遊詩人(魔物?)と恋の代行

のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます

第1話

中世 欧州・・


告白代行は吟遊詩人トパトールの大事な御仕事の一つ


愛のお手紙を代筆したり、恋文をお届けしたり


「では かの姫君に愛の告白のお手伝いですね」にこやかに営業用スマイルで微笑む

綺麗な吟遊詩人の少年 中身は魔物かも知んない・・。


依頼者、貴族の若さま 頬を赤く紅潮させ いや、顔は待っ赤であった。


・・しばしの沈黙の後 慣れた様子で吟遊詩人は微笑して 追加のお手伝いを申し立てたのだった。


そこで、続けて吟遊詩人は確認の為に言う。

「姫の屋敷まで付き添って告白のお手伝いですね」朗らかに微笑


ロミオとジュリエットのごとく、夜の窓辺の近くで歌と楽器のリュートで謡うならば

魔法にかかったように屋敷の姫君は 二階の窓辺のバルコニーに歩み行く。

一緒に立つ貴族の若者は 震える声で 愛の告白を歌に合わせて歌う・・やや、音痴


頬を赤くして窓辺の姫君は彼等を見ていた・・いや、正確には綺麗な美形の吟遊詩人の方・・。

「また、お会いしたいわ」吟遊詩人に言っているが

「はい、姫様 

私はこの若く素晴らしい貴族の若様の付き人

(貴族の若様こと依頼主)なので

この御方に付き添います」麗しい微笑を見せた。


「うふふ、明日の夜に・・・」「はい」

姫の屋敷を離れて一言 

「ぼくは途中で席を外しますから 後は頑張ってくださいませ」

こくこくと頷く貴族の若様


「あ、僕はこれで 明日また」


魔物なので・・猫さんに頼んで、恋文のお届けを頼んだり・というのは無いかも


吟遊詩人は町中の違う場所へと


「家の為の婚姻という大きな仕事を果し終えた後は 恋を楽しむのは大人の愉しみだ」

にこやかに中年の男が笑う

「かのリチャード獅子王の母方の祖父ギョーム3世さま、当時の欧州最大の名家アキテーヌ公の主も

そのように・・」

「トパトール、吟遊詩人でもありましたね」そっと呟く吟遊詩人


「この恋文を渡してくれ」「窓辺で謡い、相手にお届けします」


「では、王さま・・お相手は」「うむ」「・・・・」





※当時の歴史小話などを参考にしてます フイクション等・・

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