受け入れ難いが受け入れる寛容さ

犬 ラスク



「飼い主が箱を持っていますね」

「何が入っているのか気になります」

「あ、開けるのですね?」

「ハウスでお利口にしたご褒美でしょうか?」


飼い主が箱を開ける。


「…………これは、なんですか?」

「茶色くて胴長で短足じゃないですか」

「すごく煽ってくるのですが」

「同じ犬という括りにされるのはちょっと...」

「え?あ?ぼくのハウスを開けるのですか?」

「うわっうわっ、圧がすごい犬ですね!」

「付かず離れずの対応といきましょう」

「よいしょっと」


ソファーの上から胴長短足を監視する。


「え?この子、ソファーに登れない...」

「ジャンプしてお腹にあたって跳ね返って...」

「なのに何故楽しそうにしているのでしょう」

「ぼくには理解ができません」

「きっとお馬鹿なのですね」

「ぼくには理解ができました」



突然現れた茶色い胴長短足。

1歳差なのに大人の対応をしてくれたラスクに

その日から飼い主は頭が上がらないのである。

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